残クレを3年にするか5年にするか迷ったら、最初に確認したいのは月々の支払額ではありません。
3年後または5年後に、その車を返すつもりなのか、残価を払って自分の車にする可能性が高いのかです。
一般に、3年後のほうが車の価値が残りやすいため、3年契約では高めの残価を設定しやすくなります。
一方、5年契約は5年後の車両価値を残価として設定するため、同じ車なら3年より残価が下がる方向になります。ただし、実際の残価は車種、グレード、契約時期、走行距離などによって変わります。
ここだけを見ると「最終回が小さくなりやすい5年が安心」と思うかもしれません。
しかし、返却・乗り換えをするなら、条件を満たすことで最終回の残価を支払わずに終わる商品があります。
つまり3年と5年は、「どちらの最終回が安いか」だけでは選べません。
3年と5年では残価と毎月の支払いが逆方向に動く
残クレの残価とは、契約終了時にその車に残っていると想定する価値です。
たとえば3年契約なら3年後、5年契約なら5年後の車の価値をあらかじめ決めます。
同じ車で比べれば、年数が短い3年のほうが高い残価を設定しやすく、5年ではそれより低くなるのが基本的な考え方です。
ただし、3年は支払い回数が36回程度しかありません。
5年なら60回程度に分けられるため、残価が低くなったとしても、月々の支払いは5年のほうが低くなることがあります。
そのため、
| 比較するところ | 3年 | 5年 |
|---|---|---|
| 契約終了 | 早い | 遅い |
| 残価 | 高くなりやすい | 低くなりやすい |
| 月々の支払い | 高くなりやすい | 低くなりやすい |
| 乗り換え時期 | 3年後 | 5年後 |
| そのまま乗る場合 | 早く大きな最終回が来る | 最終回まで時間がある |
| 車検 | 初回車検時期と重なる | 通常は途中で1回車検がある |
という違いになります。
ただし、これは仕組み上の傾向です。
金利、残価設定、頭金、ボーナス払いが違えば月額も変わるため、契約時には同じ車・同じ頭金で3年と5年の見積書を両方出してもらう必要があります。
最終回が大きくても、返却するならその金額を払うとは限らない
残クレの見積書を見ると、最後に数十万円、車によっては100万円を超える金額が書かれていることがあります。
ここで「3年だと最後にこんなに払うのか」と考える必要はありません。
最終回の金額は、その車を自分のものにするときに支払う残価です。
契約条件を満たした状態で車を返却したり、次の車へ乗り換えたりする場合には、最終回の支払いが不要になる商品があります。
したがって、3年後にほぼ確実に次の車へ乗り換える人にとって、3年契約の残価が高いこと自体は大きな問題ではありません。
逆に、「気に入ったらそのまま乗り続ける」と考えているなら話が変わります。
その場合は最終回の残価を支払う必要があるため、3年後にいくら残るのかを確認しておかなければなりません。
3年後に乗り続けたくなった場合は早く残価が来る
3年契約を選んだものの、3年後になって「まだこの車に乗りたい」と思うこともあります。
その場合、残価を一括で支払うか、条件を満たせば残価をもう一度分割して支払う方法があります。
ここで3年契約の特徴が出ます。
3年後はまだ車の価値が高いため、残価も比較的大きく残りやすくなります。
つまり、月々の支払いを3年間抑えられていても、その車を買い取るなら3年後にまとまった残価と向き合うことになります。
再分割できる商品もありますが、新たに審査が必要になったり、その時点の手数料率が適用されたりする場合があります。
「3年後に返すつもりだけれど、たぶん気に入ったら買う」と考えている人は、毎月の金額だけで3年を選ばないほうがよいでしょう。
契約時点で「3年後に買い取る場合の最終回はいくらか」まで見ておく必要があります。
5年なら最終回は遅くなるが、支払い期間も2年長くなる
5年契約では、最終回まで60回程度に分けて支払えるため、毎月の負担を抑えやすくなります。
さらに5年後の残価は3年後より低く設定されやすいため、5年後にその車を買い取るときの残価も小さくなる方向です。
ただし、「最終回が小さいから5年のほうが安い」とは判断できません。
5年間クレジットを利用するため、3年より長い期間にわたって分割払い手数料が発生します。
残価を据え置いている期間にも手数料相当額が含まれる商品があります。
そのため、その車を最終的に自分のものにするつもりなら、
「3年後の最終回」
だけでなく、
「3年間または5年間に支払う分割払い手数料を含めた総額」
まで比較する必要があります。
最終的に長く所有する予定なら、残クレ3年と5年だけでなく、通常の自動車ローンも同じ条件で比較したほうが判断しやすくなります。
3年と5年の違いは車検でも出る
一般的な自家用乗用車は、新車の最初の車検が3年、その後は2年ごとです。
そのため3年残クレでは、契約終了時期と最初の車検時期が近くなります。
車検を受ける前に返却・乗り換えできる契約なら、最初の車検を通さず次の新車へ移ることも可能です。
一方、5年契約なら、通常は3年目に最初の車検を受け、その後5年目に契約終了を迎えます。
ただし、残クレには点検や車検関連のサービスが付いている商品もあります。
「3年なら車検代がなくて得」「5年なら必ず車検代が高くつく」と金額だけで決めず、自分が検討している商品のメンテナンス内容も確認してください。
5年契約を選ぶなら「3年後に気が変わる可能性」も考える
5年契約の見積書で月々の支払いが安くなると、5年を選びたくなるかもしれません。
しかし、本当に5年間同じ車に乗るかも重要です。
子どもが生まれる、家族が減る、転勤する、通勤方法が変わるなど、3年後に必要な車が変わる可能性があります。
残クレは満了前でも残っている支払いを精算して乗り換えられる場合がありますが、契約満了時の返却とは扱いが違います。
5年契約にしたからといって、3年後にそのまま無料で返却できるわけではありません。
5年後まで乗る可能性が高くないなら、「月額が安いから5年」ではなく、3年でいったん選び直せることにも価値があります。
走行距離の条件は「5年だから厳しい」とは限らない
残クレでは返却時の走行距離に条件が付く商品があります。
たとえば日産では、月1,000kmの契約なら、3年契約の基準は36,000km、5年契約は60,000kmです。
つまり5年契約だから毎月走れる距離まで少なくなるわけではありません。
ただし、5年間乗れば実際の走行距離は増えやすく、傷やへこみなどが発生する機会も増えます。
返却する予定なら、「5年間大事に乗れるか」という視点も必要です。
なお、走行距離や車両状態の基準はメーカーや商品によって違います。
別メーカーの数字をそのまま自分の契約に当てはめず、見積書や契約条件で確認してください。
3年か5年かは「いつ手放したいか」で先に決める
3年と5年で迷ったら、最初に月額を比べるのではなく、自分が車を見直したくなる時期を考えます。
3年後には別の車へ乗り換えたい可能性が高い。
生活環境が変わりそうなので、その時点で車を選び直したい。
車検前後を一つの区切りにしたい。
このような場合は3年という期間が考えやすくなります。
一方、
5年程度は同じ車に乗るつもり。
毎月の支払いをできるだけ抑えたい。
3年後にすぐ乗り換える必要はない。
という場合は5年を比較する意味があります。
そして「最後は買い取るかもしれない」のであれば、もう一つ確認します。
3年後または5年後の最終回の残価を実際に払えるかです。
返却予定なら残価の大きさより返却条件が重要になり、買い取り予定なら残価と総支払額が重要になります。
見積書では月額よりこの4つを並べる
販売店で3年と5年の見積書を作ってもらったら、同じ車、同じグレード、同じ頭金、同じ走行距離条件にそろえます。
そのうえで確認したいのは、「月々の支払額」「最終回の残価」「買い取った場合の支払総額」「返却条件」です。
月額だけを見ると5年が魅力的でも、3年後に車を替えたくなる人には合わないかもしれません。
最終回だけを見ると5年が安心に見えても、5年間の手数料まで含めると別の見え方になることがあります。
残クレの3年と5年は、単純に支払い期間を長くするか短くするかという違いではありません。
返却する時期を3年後にするのか5年後にするのかを契約時点で決める選択と考えると分かりやすくなります。
3年後に返す人なら3年後の残価が大きくても、それ自体を恐れる必要はありません。
反対に、その車を長く所有する可能性が高い人は、「返却なら0円」という数字ではなく、最終回を払って自分の車にした場合の総額を確認してから選びましょう。
地域・販売会社による違い
残クレの3年・5年の条件が全国一律に決まっているわけではありません。
対象車種、残価、支払回数、手数料率、返却条件などはメーカー、車種、販売会社、契約時期によって異なる場合があります。
そのため、ネット上で見つけた別地域の販売店の残価率や月額を、そのまま自分の契約条件として使わないでください。
最終判断は実際に購入する販売店で、3年と5年の両方を同条件で見積もって比較します。
出典
トヨタ自動車|残価設定型プランに関するFAQ
Honda|残価設定型クレジット(残クレ)
日産自動車|残価設定型クレジット
SUBARU|SUBARUの残価設定型クレジット
三菱自動車|残価設定型クレジット スーパーマイカープラン
スズキファイナンス|新車 残価設定クレジット「かえるプラン」
スズキファイナンス|車両お引取りの条件と注意事項
国土交通省|自動車検査証の有効期間
