残クレの見積もりで「ボーナス払いを入れれば、月々をもっと下げられます」と提案されることがあります。
確かに、ボーナス払いを増やせば通常月の支払額は下げられます。
ただし、残クレでボーナス払いを使うかは、「ボーナスが毎年出るか」だけで決めないほうがよいでしょう。
確認したいのは、ボーナス分まで含めた年間の支払額と、ボーナスが想定より少なかった年にも払える金額かどうかです。
特に注意したいのは、契約後に「やっぱりボーナス払いをやめたい」と思っても、簡単に変更できるとは限らないことです。
「月々2万円」だけを見て決めない
残クレでは、将来の車の価値である「残価」を最終回に据え置くことで、もともと通常のローンより月々の支払額を抑えやすくしています。
そこへさらにボーナス払いを入れると、通常月の表示額はさらに低くできます。
たとえば、
通常月 2万円
ボーナス月加算 8万円
ボーナス払い 年2回
という契約なら、普段は2万円です。
しかしボーナス月には、通常の2万円に8万円が加わり、10万円を支払うことになります。
年間では、
2万円×12か月+8万円×2回=40万円
です。
40万円を12か月で割れば、実質的には月平均約3万3,300円を車の支払いに使っていることになります。
「月々2万円なら払える」と考えるのではなく、「年間40万円を5年間払えるか」と考えたほうが、実際の家計負担に近くなります。
ボーナス払いは支払額をなくす方法ではない
ボーナス払いを設定すると通常月の支払いは下がりますが、支払う予定だった金額の一部がボーナス月へ移ります。
そのため、車が安くなったわけではありません。
残クレの場合は、さらに契約終了時の残価があります。
つまり見積書を見るときは、
通常月の支払額
ボーナス月の加算額
契約終了時の残価
を分けて見る必要があります。
通常月だけを低くすると、「思ったより安く買える車」に見えやすくなります。
しかし家計から出ていく金額を判断したいのであれば、月額表示ではなく年間支払額を見るほうが実態をつかみやすくなります。
ボーナス月は「加算額」だけ払うわけではない
見積書に「ボーナス月加算額5万円」と書かれていたら、ボーナス月の支払いが5万円になるとは限りません。
多くの支払例では、通常月の支払いにボーナス分が上乗せされます。
通常月が2万5,000円、ボーナス月加算額が5万円なら、ボーナス月には7万5,000円を支払う形です。
メーカー公式の支払例でも、「月々のお支払額」と「ボーナス月加算額」が分けて表示されています。
契約前には「ボーナス加算額」ではなく、ボーナス月に口座から実際にいくら引き落とされるのかまで確認しておきましょう。
ボーナスを何に使っているかで判断が変わる
毎年ボーナスが支給されているからといって、そのまま車のボーナス払いを組んでもよいとは限りません。
見るべきなのは、ボーナスのうち車に使える金額です。
たとえばボーナスから、
住宅ローンのボーナス返済
固定資産税や自動車税などの支払い
旅行や帰省
家電の買い替え
教育費
貯蓄
などを出している家庭では、車にもボーナス払いを設定すると同じ時期に支出が集中します。
一方、ボーナスの大部分を毎年貯蓄しており、その一部を車の支払いへ回しても生活費や予備資金に影響しないのであれば、ボーナス払いを使う余地があります。
「ボーナスが出る会社だから使える」ではなく、ボーナスを受け取ったあとに自由に使える金額がどれだけ残るかで判断します。
ボーナスが減った年にも払える金額か
残クレは3年や5年など、複数年にわたる契約です。
契約時には十分なボーナスがあっても、その状態が契約終了まで続くとは限りません。
会社の業績によってボーナス額が変わる人もいれば、転職によって賞与制度そのものが変わることもあります。
そのためボーナス払いを設定するときは、「今年のボーナスなら払える金額」ではなく、「ボーナスが少なかった年でも対応できる金額」にしておくほうが安全です。
一つの考え方は、ボーナスを使わなくても貯蓄や通常の収入から支払える範囲だけをボーナス加算にする方法です。
逆に、ボーナスが予定どおり入らなければ支払いそのものが難しくなる金額まで設定すると、月額を下げられた代わりに年2回の支払いリスクが大きくなります。
「苦しくなったら後から変更」は前提にしない
ここは契約前に確認しておきたいところです。
ボーナス払いを設定したあと、金額や支払月を自由に変更できるとは限りません。
実際、Hondaファイナンスでは、新車クレジットのボーナス支払月は契約後に変更できないと案内しています。
さらに、転職などで収入が変化した場合についても、残価設定型クレジットでは毎月の支払金額を変更できないとしています。
一方、トヨタファイナンスでは、契約内容によってはボーナス月、毎月の金額、支払回数などを変更できる仕組みがあります。
つまり、メーカーや金融会社によって扱いが違います。
「あとから均等払いに戻せばいい」と考えて契約するのではなく、契約する残クレについて、
ボーナス金額を減らせるか
ボーナス払いをなくせるか
ボーナス月を変更できるか
毎月払いへ組み替えられるか
を先に確認しておきます。
変更できない契約なら、その条件のまま契約終了まで払える金額に抑える必要があります。
ボーナス払いを使うなら「毎月積み立てる」と見え方が変わる
ボーナス払いを使うか迷ったときは、ボーナス加算額を6か月で割ってみる方法があります。
たとえば半年ごとに9万円を加算するなら、
9万円÷6か月=1万5,000円
です。
通常月が2万円なら、家計上は毎月3万5,000円を車代として確保できるか考えます。
毎月1万5,000円を別に積み立てておけば、半年後には9万円になります。
この方法なら、ボーナスが予定より少なくても支払いに充てられます。
逆に「毎月3万5,000円を車に回すのは厳しい」と感じるなら、ボーナス払いによって月額表示だけを2万円に下げている可能性があります。
その場合は、ボーナス払いを増やすより車両価格やグレードを見直したほうが、家計に合うこともあります。
ボーナス払いなしの見積もりも必ず出してもらう
販売店では、ボーナス払いありとなしの両方を同じ条件で見積もってもらうと比較しやすくなります。
比べる条件は、
車
グレード
頭金
契約期間
走行距離条件
最終回の残価
をそろえます。
そのうえで、
通常月はいくら変わるのか
ボーナス月はいくら払うのか
年間ではいくら払うのか
分割払い手数料を含む支払総額はどう変わるのか
を比較します。
金利や支払時期によって計算方法が異なるため、「ボーナス払いにしても総額は絶対に同じ」とは限りません。
実際の契約では、販売店が作成した2つの見積書の支払総額を確認してください。
ボーナス払いを使わないと月額が高すぎるなら車自体も見直す
残クレは、残価を据え置くことで既に通常月の負担を抑える仕組みです。
そこからさらに大きなボーナス払いを設定しなければ希望する月額にならない場合は、一度車両価格とのバランスを確認したほうがよいでしょう。
ボーナスを使わない見積もりでは月5万円だが、ボーナスを大きく入れることで「月2万円台」にできたとしても、年間の負担そのものが月2万円台になったわけではありません。
その月額でなければ購入が難しいのであれば、
グレードを下げる
オプションを減らす
頭金を増やす
車種そのものを見直す
という方法も比較対象になります。
ボーナス払いは「買えない車を買えるようにする仕組み」ではなく、支払う時期を調整する方法として使ったほうが判断しやすくなります。
ボーナス払いが合うのはどんな人?
残クレでボーナス払いを使いやすいのは、通常月とボーナス月の差がある支払い方を自分で管理できる人です。
毎年のボーナスから一定額を車に回しても他の支出に影響せず、万一ボーナスが減っても貯蓄などから補えるのであれば、通常月を抑える方法として使えます。
反対に、ボーナスを生活費の補填や他の大きな支払いにも使っている場合は、均等払いのほうが家計を管理しやすくなります。
特に「ボーナスが入ったら払える」という状態と、「ボーナスがなくても払えるが、支払時期をボーナス月にまとめる」という状態は同じではありません。
後者のほうが、数年間続く契約には対応しやすくなります。
契約前は月額ではなく3つの金額を見る
残クレでボーナス払いを提案されたら、最後に3つの数字を並べてください。
「通常月に払う金額」
「ボーナス月に実際に払う金額」
「1年間に払う合計額」
です。
さらに契約終了後も車に乗り続ける可能性があるなら、最終回の残価も別に確認します。
月額を低く見せること自体には意味がありません。
自分の収入の入り方と支出の時期に合うのであればボーナス払いを使い、年2回の支払い増が負担になるのであれば均等払いを選ぶ。
残クレのボーナス払いは、その基準で判断すると「月々○円」という表示だけに引っ張られにくくなります。
地域・販売会社による違い
残クレのボーナス払いについて、全国一律の変更ルールや金額が決まっているわけではありません。
支払回数、ボーナス加算額、支払月、分割払い手数料、途中変更の可否などは、メーカー、金融会社、販売会社、契約内容によって異なります。
ネット上の別地域の販売店に掲載された支払例ではなく、実際に購入する販売店で「ボーナス払いあり」と「なし」の両方の見積もりを作成して確認してください。
出典
Hondaファイナンス|クレジット(新車)についてボーナス支払月を変更できますか?
Hondaファイナンス|転職等により収入が増減したが、毎月の支払額を変更することができますか?
