残クレの支払いがきつくなってきたら、「まだ払えているから大丈夫」と先送りしないほうがよいでしょう。
まだ支払いに遅れていない段階なら、支払プランの変更、一部繰り上げ返済、銀行ローンへの借り換え、車の売却などを検討できる可能性があります。
一方、すでに支払いが遅れてからでは使いにくくなる方法もあります。
最初に考えたいのは、「今月だけ苦しい」のか、それとも「この先も毎月この金額を払い続けるのが難しい」のかです。
この2つを分けると、取るべき行動が見えやすくなります。
今月だけ苦しいのか、この先も毎月苦しいのか
たとえば今月だけ、
税金や保険の支払いが重なった
急な修理代が発生した
一時的に収入が少なかった
というのであれば、毎月の残クレそのものが家計に合っていないとは限りません。
一方、
残業が減って収入が下がった
転職して手取りが減った
住宅費や教育費が増えた
ボーナス払いが毎回苦しい
毎月残クレを払うと生活費が足りない
という状態なら、問題は一時的な資金不足ではありません。
契約終了まで同じ支払いを続けること自体が難しくなっています。
この場合、「来月になれば何とかなる」と毎月繰り返すより、月額そのものを下げるか、ローンを変えるか、車を手放すかを検討する段階です。
支払日を後ろへずらせば解決するとは限らない
給料日の数日前に残クレの引き落としがあると、
「引き落とし日を給料日の後に変えれば何とかなる」
と思うことがあります。
しかし、支払日は自由に変更できるとは限りません。
たとえばトヨタファイナンスでは、自動車クレジットの毎月の支払日は変更できないと案内しています。
そのため、支払日変更を前提に考えず、自分の金融会社へ実際に変更可能か確認する必要があります。
今月の支払いだけが間に合わない可能性があるなら、支払日を過ぎてから連絡するのではなく、分かった時点で契約金融会社へ相談したほうがよいでしょう。
月々の金額を途中で下げられる残クレもある
「今の車には乗り続けたいが、毎月4万円を3万円程度にできれば払える」というケースがあります。
この場合、まず契約中の残クレに支払プラン変更制度があるか確認します。
トヨタファイナンスでは、契約内容によっては毎月の支払金額やボーナス払いなどを変更できる場合があります。
一方、すべての残クレで変更できるわけではありません。
Hondaの残価設定型クレジットでは、転職などによって収入が変わったことを理由に、通常の方法で毎月の契約金額を変更することはできません。
スズキファイナンスも、契約期間中の月額、ボーナス加算額、支払期間の変更には対応していません。
つまり、
「苦しくなったら販売店で月額を下げてもらえばいい」
とは考えないほうがよいでしょう。
契約会社名と商品名を確認して、自分の契約で何が変更できるのかを見る必要があります。
手元にまとまったお金があるなら一部繰り上げ返済もある
毎月の支払いは重いものの、預貯金や臨時収入などで一定の資金を持っている場合は、一部繰り上げ返済で月額を下げられる残クレがあります。
Hondaでは、残価設定型クレジットでも一部繰り上げ返済を利用でき、前倒しして支払った分だけ最終回前月までの毎月の金額を軽くできます。
ただし、残クレでは返済期間を短くする方法は利用できません。
また、ボーナス払いを設定している場合は、まずボーナス加算部分から軽減されます。
ここで注意したいのは、支払いが苦しいからといって手元資金を全部ローンへ入れないことです。
50万円の貯金をすべて繰り上げ返済して月額が数千円下がっても、急な修理や生活費に使える現金がなくなれば、別の支払いで困る可能性があります。
実際に一部返済した場合に月額がいくらになるのか確認してから、投入する金額を決めるほうがよいでしょう。
一部返済ができない残クレもある
まとまったお金があっても、一部だけ返せない契約があります。
日産フィナンシャルサービスでは、契約途中の一括精算はできますが、一部だけの繰り上げ返済には対応していません。
スズキファイナンスも、一部繰り上げ返済には対応していません。
この場合、
一部を返して月額を下げる
という方法は使えません。
契約をそのまま続けるか、残っている金額を早期完済するか、それ以外の方法を考えることになります。
残クレの支払い対策をネットで調べるときは、別メーカーの方法を自分の契約でも使えると思わないようにしてください。
月額そのものが高すぎるなら銀行ローンへの借り換えを比較する
毎月の支払いを継続的に下げたい場合は、銀行のマイカーローンへ借り換えられる可能性があります。
残クレ契約を銀行ローンへ書き換えるのではありません。
銀行から新しく借りたお金で残クレを一括精算し、その後は銀行へ返済していく方法です。
実際、りそな銀行や三菱UFJ銀行では、残価設定型ローンからの借り換えを対象にしています。
銀行ローンの金利が低かったり、返済期間を組み直したりすることで、毎月の返済額を下げられる可能性があります。
ただし、借り換えたら必ず得になるわけではありません。
返済期間を大きく延ばせば月額は小さくなりますが、長期間利息を払うことになります。
比較するときは、
現在の残クレを今日一括精算するといくらか
銀行ローンへ移した場合の月額
銀行ローンを最後まで払った場合の総額
を確認します。
借り換えは支払いが遅れる前に調べる意味がある
銀行ローンへの借り換えを考えるなら、支払いを延滞する前に動く意味があります。
銀行によって審査条件は違いますが、現在のローンを正常に返済していることを借り換え条件としている商品があります。
つまり、
「もう何回か払えなくなってから銀行に変えればいい」
とは限りません。
毎月ギリギリだが、今はまだ期日どおり払えているという段階のほうが、借り換えを比較しやすい場合があります。
まず現在の残クレ会社から早期一括返済額を確認し、その金額を借り換え対象にできる銀行を探します。
銀行の審査結果が出る前に残クレを自分のお金で完済する必要はありません。
車そのものを手放せるなら「残債と査定額」を比べる
借り換えてまで今の車を維持する必要がないのであれば、車を手放す方法もあります。
ただし残クレ途中の車は、
「販売店に返せば、その日から残クレの支払いもなくなる」
とは限りません。
契約途中で手放す場合は、まずその時点で残クレを終了するために必要な金額を確認します。
次に車を査定してもらいます。
たとえば、
早期精算額 200万円
車の買取額 230万円
なら、売却代金で残クレを精算できる可能性があります。
反対に、
早期精算額 200万円
車の買取額 170万円
なら、30万円の不足を別に準備しなければ完済できません。
残クレ返済中の車は販売会社や金融会社が所有者になっていることが多く、基本的には完済と所有権解除が必要です。
したがって、売却を考えるなら査定額だけを見るのではなく、必ず正確な早期精算額とセットで比べます。
「とりあえず返却」は支払い問題の解決策とは限らない
契約満了時なら、所定の条件を満たして車を返却することで最終回の残価を支払わず終了できる残クレがあります。
しかし、契約途中の返却は同じではありません。
途中で車を返したからといって、残っている支払いが自動的に消えるわけではありません。
車両査定、残債、残価、契約条件によっては精算金が必要になることがあります。
場合によっては中途解約に関する費用もあります。
「もう車はいらないから販売店へ返せばいい」と決める前に、契約会社へ、
今日終了するといくら必要か
車を売却・返却した場合にいくら精算が必要か
を確認してください。
ボーナス月だけ苦しいなら通常月とは分けて考える
普段の月額は払えるのに、年2回のボーナス加算月だけ支払いが苦しいケースもあります。
この場合、毎月の残クレ自体が払えない人とは対策が違います。
契約会社によってはボーナス払いの変更に対応できる場合があります。
また、一部繰り上げ返済を使うことでボーナス加算額から先に減る商品もあります。
反対に、契約途中のボーナス金額変更そのものができない金融会社もあります。
「毎月3万円が苦しい」のか、「年2回だけ10万円になることが苦しい」のかを分けて考えると、必要な変更が分かりやすくなります。
車以外の支払いまで苦しいなら残クレだけを直しても解決しない
住宅費、カード、カードローン、生活費なども含めて毎月不足しているのであれば、残クレだけ月5,000円下げても家計全体は立て直せない可能性があります。
この状態で、新しいカードローンや現金化サービスなどを使って車の支払いだけつなぐと、翌月以降の返済がさらに増えることがあります。
車のローンだけでなく複数の債務返済が難しくなっている場合は、金融庁が案内している財務局や自治体などの多重債務相談窓口を利用できます。
法テラスにも、一定の収入・資産要件を満たす人を対象とした借金・債務整理などの法律相談があります。
「まだ滞納していないから相談するほどではない」と考える必要はありません。
払えなくなる可能性が見えている段階で相談したほうが、取れる方法を比較しやすくなります。
「あと何か月なら払えるか」で考えると判断しやすい
支払いがきついと感じたら、「今月払えるか」だけを見ると判断を先送りしやすくなります。
今の収入と支出が続いた場合、
3か月後も払えているか
半年後も払えているか
次のボーナス月も払えるか
を考えてみます。
毎月数万円ずつ貯金を取り崩して残クレを払っているなら、支払日には間に合っていても状況は改善していません。
この場合は「まだ延滞していない」今のうちに、借り換えや売却の数字を出しておく段階です。
逆に、一時的な大きな支出が終われば家計が元へ戻ることが明確なら、車を手放すところまで進める必要はないかもしれません。
払えなくなる前なら、この3つの数字を出す
継続的に残クレが苦しいなら、感覚だけで「売るか、残すか」を決めず、次の数字をそろえると判断できます。
1つ目は、今の残クレをこのまま続けた場合の月々の支払額です。
2つ目は、今日残クレを終わらせる場合の早期一括精算額です。
3つ目は、現在の車の査定額です。
さらに車に乗り続けたいなら、銀行ローンへ借り換えた場合の月額と総返済額も加えます。
そうすると、
そのまま残クレを続ける
月額を変更する
一部繰り上げ返済する
銀行ローンへ借り換える
車を売却する
のどれが現実的なのか比較できます。
一度でも遅れたらすぐ「ブラック」になるわけではないが、遅れるまで待つ理由もない
信用情報機関のCICでは、「異動」と呼ばれる長期の延滞について、約定返済日から61日以上または3か月以上の延滞などと定義しています。
そのため、1回支払いが遅れただけで直ちにこの「異動」に該当するわけではありません。
ただし、短期間の支払い状況がどう登録されるかは契約会社の報告内容によります。
そしてもっと重要なのは、信用情報上の線引きぎりぎりまで待つことではありません。
借り換えや売却など、正常に支払えているうちのほうが検討しやすい方法があります。
「何日までなら遅れても大丈夫か」ではなく、「遅れる前に何を変えられるか」で考えたほうがよいでしょう。
最初に連絡するのは車メーカーではなく契約金融会社
残クレの支払条件を変えたい場合、最初に確認するのは車のメーカー名だけではありません。
契約書や支払明細に記載されている金融会社を確認します。
同じメーカーの車でも、販売会社独自のローンや別の信販会社を利用していれば条件が違う場合があります。
問い合わせるときは、
毎月の金額やボーナス払いを変更できるか
一部繰り上げ返済ができるか
早期一括返済すると現在いくらか
と聞けば、自分の契約で使える方法を絞れます。
そのうえで車を残したいなら借り換え、手放してよいなら査定額との比較へ進みます。
支払いがきつい段階は「まだ間に合う段階」
残クレの支払いがきついと感じた時点では、まだ引き落としには間に合っているかもしれません。
しかし、それは「何もしなくてよい」という意味ではありません。
今月だけの問題なら、契約会社へ支払い方法を確認する。
毎月の金額が問題なら、支払プラン変更や一部繰り上げ返済が使えるか確認する。
それでも高いなら、銀行ローンへの借り換えを比較する。
車自体を維持する必要がないなら、早期精算額と査定額を比べる。
車以外の返済まで難しいなら、残クレだけを何とかするのではなく、家計全体について公的な相談窓口も利用する。
支払えなくなってから「どうするか」を考えるのではなく、まだ正常に支払えている間に、自分の契約から出られる方法を数字で確認しておくことが重要です。
地域・契約による違い
残クレの支払変更、一部繰り上げ返済、早期完済の条件は金融会社や契約内容によって異なります。
銀行ローンへの借り換えも、金融機関によって対象地域、金利、返済期間、審査条件が異なります。
多重債務などの公的相談窓口についても、全国の財務局、都道府県、市区町村など地域別の窓口があります。
ネット上で別の契約者の事例をそのまま使わず、自分の契約金融会社と利用できる金融機関の条件を確認してください。
支払いが厳しいなら、契約を途中で終える方法を整理します。
→ 残クレを途中でやめるならどうする?
出典
Hondaファイナンス|転職等により収入が増減した場合の毎月の支払額変更
Honda|一部繰上返済・早期一括返済について
トヨタファイナンス|ボーナス月や毎月の支払金額、回数や期間は変更できますか?
トヨタファイナンス|自動車クレジットの支払日は変更できますか?
トヨタファイナンス|一括返済する場合、毎月の支払いを続けるよりも安くなりますか?
日産フィナンシャルサービス|早期一括精算の手続き
スズキファイナンス|スズキクレジットに関するよくあるご質問
りそな銀行|マイカーローンの借換え
三菱UFJ銀行|ネットDEマイカーローン
一般社団法人日本自動車購入協会|ローンや残価設定型クレジット返済中の車を手放すことはできるの?
CIC|割賦販売統計データ
