残クレは、契約の途中でも一括返済できる商品があります。
ただし、途中で完済するなら、通常月の残りだけを払えば終わるわけではありません。
最終回に据え置いてある「残価」も含めて精算するのが基本です。
一方で、
「残りの月々の支払いを全部足して、最後の残価を加えれば一括返済額になる」
とも限りません。
早く返済することで、まだ支払時期が来ていない分割払いの手数料の一部が差し引かれる契約があるためです。
そのため途中一括返済で確認する数字は、画面に表示された残高ではなく、信販会社が指定した日付で計算する「早期完済額」です。
途中で一括返済するなら残価も支払う
残クレは、車両価格の一部を契約終了時の「残価」として最後まで残すことで、それまでの月々の支払いを小さくする仕組みです。
例えば5年契約なら、最終回まで数百万円の残価が残っていることもあります。
5年後まで契約を続けて車を返却するなら、所定の条件を満たすことで車を返して残価を精算する選択ができます。
しかし、3年目など契約途中で一括完済する場合は話が違います。
三菱自動車ファイナンスやスズキファイナンスは、途中で一括完済する場合について「最終回支払額である残価を含めた残金」を支払うと明記しています。
日産も途中一括精算は可能ですが、その時点では最終回支払額を車の返却によって支払うことはできないと案内しています。
つまり、
「途中で一括返済するから残価は払わなくてよい」
とは考えないほうがよいでしょう。
画面に出ている「残高」に残価が入っていないことがある
ここが特に間違えやすいところです。
残クレの契約者ページに、
「支払残高 180万円」
などと表示されていたら、「180万円払えば完済できる」と考えてしまうかもしれません。
しかし、表示方法は信販会社によって異なります。
例えばトヨタファイナンスでは、残価型クレジットの場合、契約者向け画面の「お支払い残高」に最終回の支払額が含まれていないと案内しています。
そのため、
画面上の支払残高
+
最終回支払額である残価
まで確認する必要があります。
ただし、この2つを単純に足した数字がそのまま早期完済額になるとも限りません。
次に、分割払いの手数料の調整があるからです。
一括返済額は「残り全部+残価」より安くなる場合がある
残クレには、車両価格だけでなく分割払いの手数料が含まれています。
契約を最後まで続ければ、予定された支払日に沿ってその手数料を支払います。
途中で一括返済すると、その先の期間に対応する手数料の一部が差し引かれる場合があります。
トヨタファイナンスでは、一括返済すると月々の支払いをそのまま続ける場合より安くなり、まだ支払っていない分割払いの手数料を一定の方法で差し引いて一括返済額を算出すると案内しています。
ただし、未経過分がすべてなくなるとは限りません。
契約内容によって、まだ支払っていない手数料のうち一定割合だけが差し引かれることがあります。
日産フィナンシャルサービスでは、契約途中の一括精算について、所定の計算方法で算出した期限前の分割払い手数料のうち70%相当額を払い戻すとしています。
つまり「早く返せば今後の金利は全部ゼロ」と決めつけることもできません。
契約先ごとの計算方法を確認します。
一括返済額はこの考え方で見る
途中一括返済の金額は、概念的には次のように考えると分かりやすくなります。
残っている通常支払分
+ 最終回の残価
- 早期完済によって差し引かれる未経過の手数料
+ 契約上必要となる費用
= 早期完済額
ただし、これは自分で正確な金額を計算するための公式ではありません。
未経過の分割払い手数料をどの方法で計算するか、どれだけ差し引くかは契約によって異なるからです。
したがって、契約書から概算することはできても、実際に振り込む金額は信販会社が発行する早期完済額を使います。
仮に残価150万円でも一括返済額が「残高+150万円」とは限らない
例えば、契約者向け画面の残高が120万円、最終回の残価が150万円だったとします。
単純に足せば270万円です。
しかし、120万円の中にまだ支払時期が来ていない分割払いの手数料が含まれていて、その一部が早期完済によって差し引かれる契約なら、実際の一括返済額は270万円とは一致しません。
逆に、画面上の残高表示の定義が別の会社なら、同じ計算もできません。
だからこそ、
「今の残高はいくらですか」
ではなく、
「○月○日に一括完済する場合の早期完済額はいくらですか」
と確認する必要があります。
返済する日によって金額が変わることもある
一括返済を考えているなら、「今の金額」を聞くだけではなく、実際に払う予定日を決めて照会したほうが確実です。
信販会社によっては、精算日によって一括返済額が変わります。
日産フィナンシャルサービスは、振込日である精算日によって金額が異なるため、返済予定日が決まってから問い合わせるよう案内しています。
トヨタファイナンスでも、一括返済額が変わるタイミングは契約内容や販売会社によって異なります。
例えば今月中に払う場合と、次回の口座引き落としが終わってから払う場合では、残っている支払回数が変わります。
一括返済の見積もりを取ったら、指定された支払期限も確認してください。
早く返すほど必ず大幅に安くなるわけではない
一括返済には、将来の分割払いの手数料を減らせる可能性があります。
ただし、契約終了が近い場合は効果が小さくなることがあります。
すでに大部分の支払いを終えていれば、これから支払う予定だった手数料そのものが少ないからです。
トヨタファイナンスでは、最終回分だけを一括返済する場合について、当初の残高と同じ金額での精算となり、安くならないと案内しています。
「残クレは金利がかかるから、あと半年でも一括返済すればかなり得になる」とは限りません。
一括返済する前に、
現在の早期完済額
このまま満了まで支払う総額
の差を確認します。
その差が、一括返済によって実際に減る金額です。
「一括返済手数料無料」と「今後の手数料が全部なくなる」は別
Hondaでは、四輪新車クレジットについて、早期一括返済そのものの手数料は無料と案内しています。
これは「早期完済という手続きをするための手数料を取らない」という意味です。
一方、早期完済額そのものがどのように計算されるかは、自分の契約について確認する必要があります。
Hondaでは契約者向けの「Honda Finance PORTAL」で早期一括返済額を確認できます。
「一括返済手数料0円」という表示だけを見て、自分で残価と残高を計算するのではなく、画面に表示される正式な早期一括返済額を確認します。
車を売りたいから一括返済する場合は査定額も同時に出す
途中一括返済を考える理由が、
「残クレの車を売りたい」
なのであれば、一括返済額だけを確認して終わりではありません。
同じ日に近い条件で、車の買取査定も確認します。
例えば、
早期完済額が300万円
買取査定額が340万円
なら、査定額で残債を精算したあとに差額が残る可能性があります。
反対に、
早期完済額が300万円
買取査定額が250万円
なら、売却だけでは50万円不足します。
実際の精算や所有権解除の方法は契約先と買取会社に確認する必要がありますが、途中売却では、
早期完済額-買取査定額
を見ることが重要です。
契約途中では「残価保証で返せばいい」とは限らない
満了時には残価保証を使って返却できる残クレでも、契約途中に同じ条件が使えるとは限りません。
例えば三菱自動車ファイナンスは、残価設定型プランの買取保証特約は最終回支払時点の特約であり、途中で乗り換える場合は通常の下取り価格によって残債を精算すると案内しています。
日産も途中一括精算時には、最終回支払額を車の返却で支払うことはできないとしています。
つまり契約時に、
「残価200万円保証」
となっていても、
3年目に車を返せば必ず200万円として精算してもらえる
という意味ではありません。
途中売却・途中乗り換えの場合は、その時点の査定価格と早期完済額を確認します。
一括返済後もその車に乗るなら所有権解除を確認する
残クレでは、車検証上の所有者が販売会社や信販会社になっている場合があります。
一括返済すればクレジットの支払いは終了しますが、車検証上の所有者が自動的にその場で自分へ変更されるとは限りません。
完済後に「所有権解除」と呼ばれる手続きを行い、名義変更に必要な書類を受け取る場合があります。
Hondaでは、早期一括返済と名義変更に必要な書類の手続きを同時に依頼できる仕組みがあります。
スズキファイナンスも、完済後に送付する契約終了の案内が、販売会社で所有権解除をするときに必要となる場合があると案内しています。
一括返済の目的が「車を自由に売れる状態にしたい」ということであれば、完済金額と同時に所有権解除の流れも確認しておきます。
現金をほとんど使い切ってまで一括返済する必要はない
途中一括返済によって、将来支払う分割払いの手数料を減らせる場合があります。
しかし、
「一括返済すれば総額が安くなる」
という理由だけで預貯金の大半を使う必要があるとは限りません。
例えば一括返済すると手元の生活資金がほとんどなくなる一方、減らせる手数料が数万円程度しかないのであれば、現金を残して毎月の支払いを続ける考え方もあります。
判断するときは、
一括返済に必要な金額
一括返済によって減る支払額
返済後に残る預貯金
を並べます。
「払えるか」だけでなく、「今払う意味がどれくらいあるか」まで確認します。
一括返済額を確認するなら「残高」ではなくこの言葉で聞く
販売店や信販会社へ問い合わせるときは、
「残クレの残高を教えてください」
だけではなく、
「○月○日に全額返済して契約を終了する場合の早期完済額を教えてください。最終回の残価を含めた金額で確認したいです」
と伝えると分かりやすくなります。
さらに、
「今後支払う予定だった分割払いの手数料はいくら減りますか」
「振込手数料や早期完済にかかる費用はありますか」
「完済後の所有権解除はどうすればよいですか」
まで確認します。
途中売却を予定しているなら、
「買取会社から直接精算できますか」
「所有権解除の書類はいつ出ますか」
も確認しておくと手続きを進めやすくなります。
まとめ|残価込みの「早期完済額」を出してもらう
残クレは、契約途中でも一括返済できる商品があります。
その場合、最終回に据え置いてある残価も含めて精算するのが基本です。
ただし、
現在表示されている残高
+
残価
が、そのまま一括返済額になるとは限りません。
早期完済によって、まだ支払時期が来ていない分割払いの手数料の一部が差し引かれる契約があるからです。
さらに、その計算方法や差し引かれる割合は信販会社や契約内容によって異なります。
そのため、自分で計算して振り込むのではなく、
「○月○日時点の、残価を含めた早期完済額」
を信販会社から取得します。
売却するための一括返済なら、同時に買取査定額も確認します。
一括返済額より査定額が高いのか、低いのかまで分かれば、「現金で完済して乗り続ける」「売却して精算する」「そのまま残クレを続ける」のどれを選ぶか判断できます。
出典
トヨタファイナンス|支払残高を知りたいです。どうすればよいですか?
トヨタファイナンス|一括返済する場合、毎月の支払いを続けるよりも安くなりますか?
トヨタファイナンス|一括返済(早期完済)する場合の金額・方法を教えてください。
Honda|一部繰上返済・早期一括返済について
日産フィナンシャルサービス|残価設定型クレジット 契約途中でクレジット残金を現金でまとめて精算できますか?
日産フィナンシャルサービス|早期一括精算(全額返済)する際の手続き方法
三菱自動車ファイナンス|スーパーマイカープラン よくあるお問い合わせ
スズキファイナンス|スズキクレジットに関するよくあるご質問
