残クレで車を買ったあとに、「銀行のマイカーローンのほうが金利が低かった」と気付くことがあります。
納車後でも、銀行ローンへ借り換えできる場合があります。
ただし、残クレの契約内容をそのまま銀行ローンへ変更するわけではありません。
基本的には、銀行から新しく借りたお金で現在の残クレを一括返済し、残クレを終了させます。
そのため確認する順番は、
「残クレを今一括返済するといくら必要か」
「その金額を銀行が借り換え資金として貸してくれるか」
の2つです。
納車後は「支払方法の変更」ではなく「借り換え」になる
まだ車を注文しただけで、クレジット自体が始まっていない段階なら、販売店との契約内容を変更できる可能性があります。
しかし納車され、残クレの契約が始まっているなら話は別です。
すでにある残クレを銀行ローンへ書き換えるのではなく、新しいローンを組んで古いローンを完済します。
住宅ローンの借り換えと考えると分かりやすいでしょう。
残クレ会社には一括返済し、その後は銀行へ返済していきます。
そのため、「納車後だから絶対に変更できない」というわけではありません。
残クレでも借り換え対象にする銀行はある
銀行のマイカーローンなら、どこでも残クレを借り換えられるわけではありません。
一方、残価設定型ローンを明確に借り換え対象としている銀行もあります。
三菱UFJ銀行は、メーカー系クレジット会社などの自動車ローンからの借り換えに対応し、残価設定型クレジットについても申し込み可能としています。
りそな銀行も、残価据え置き型ローンを借り換え対象として明記しています。
横浜銀行や京葉銀行にも、残価設定型ローンを借り換えられる商品があります。
したがって銀行を探すときは、単に「マイカーローンがある銀行」を探すのではありません。
商品説明の資金使途に、
「他社自動車ローンの借り換え」
「残価設定ローンの借り換え」
が含まれているかを確認します。
最初に残クレの「一括返済額」を確認する
借り換えを考えたら、銀行へ申し込む前に現在の残クレ会社へ一括返済額を確認します。
ここで見るのは、
月々の支払い残高
ではありません。
「○月○日に全額返済する場合、いくら振り込めば契約が終了するのか」という一括精算額です。
残クレには最後に残価があるため、画面上の通常の支払い残高だけを見ると、必要額を少なく見積もる可能性があります。
契約会社へ「銀行ローンへの借り換えを考えているので、○日時点の早期一括返済額を知りたい」と確認すると分かりやすいでしょう。
銀行側からも、残高一括支払明細や残債照会回答書などを求められる場合があります。
残っている月々の支払いを全部足した金額とは限らない
早期一括返済額は、
残りの月払い
+最終回の残価
を単純に足した金額と必ず一致するわけではありません。
契約を予定より早く終えることで、まだ発生していない分割払い手数料の一部が差し引かれる商品があるためです。
逆に、契約時期や契約内容によって精算方法が異なる場合もあります。
そのため自分で計算せず、金融会社が出した正式な一括返済額を使います。
ここを間違えると、銀行から借りる金額そのものが変わってしまいます。
銀行から借りられるのは一括返済額の範囲とは限らないので確認する
借り換えローンでは、好きな金額を借りられるとは限りません。
たとえば三菱UFJ銀行では、借り換える現在のローン残高が借入額の上限です。
りそな銀行でも、現在利用中の他社自動車ローン残高の範囲内という条件があります。
つまり、
「残クレ残高が200万円だから250万円借りて、余った50万円を別の用途に使う」
といった使い方はできない商品があります。
一括返済に必要な金額と、銀行が融資対象とする金額が一致するかを確認してください。
所有者がディーラーやローン会社でも借り換えできる場合がある
残クレでは、車検証上の所有者が自分ではなく、販売会社やクレジット会社になっていることがあります。
このため、
「自分名義の車ではないから銀行ローンには変えられないのでは?」
と考えるかもしれません。
しかし、これも銀行によります。
りそな銀行では、現在の自動車ローン会社や販売会社が所有者になっていても、車検証上の使用者が本人なら借り換え可能としています。
残クレを完済した後は、必要に応じて所有権解除の手続きを行います。
Hondaファイナンスでも、同社が車両所有者として登録されている場合、支払い完了後に名義変更、つまり所有権解除の手続きができると案内しています。
したがって、
「今の所有者が自分ではない」
だけで借り換えを諦める必要はありません。
銀行側と現在の金融会社の両方に確認します。
借り換え後もその車に乗ることが条件になる銀行がある
銀行ローンへ借り換えた直後に車を売却する予定なら注意が必要です。
三菱UFJ銀行では、他社自動車ローンから借り換える場合、現在の車を手放さず自分で使用し続けることを条件としています。
りそな銀行でも、既存ローンの対象車を売却する場合には借り換えできないケースがあります。
つまり、
「残クレを銀行ローンで完済して、そのまま車を売る」
という使い方まで認められるとは限りません。
車を保有し続けたいから借り換えるのか、車そのものを手放したいのかで選ぶ手続きが変わります。
車を売る予定なら、銀行ローンへの借り換えではなく、買取代金を使った残債精算を検討することになります。
金利が下がっても借り換えたほうが得とは限らない
残クレが実質年率5%、銀行ローンが2%なら、銀行へ変えたほうが得に見えます。
しかし金利だけでは決められません。
まず残クレを今日完済した場合の金額を出します。
次に、その金額を銀行から借りた場合の総返済額を出します。
そして、
残クレをこのまま続けた場合に今後払う金額
と比較します。
借り換え後の銀行ローンを長期間にすると、毎月の返済額は下げられても、支払期間が延びるため利息差が小さくなる場合があります。
逆に、残クレを契約したばかりで残高が大きく、銀行との金利差も大きい場合は、早い段階で借り換えることで利息負担を下げられる可能性があります。
重要なのは「5%から2%になる」という数字そのものではありません。
借り換え後の完済までに、実際にいくら払うかです。
残クレを契約したばかりでも、まず精算額を確認する
納車直後に、
「やっぱり銀行ローンにすればよかった」
と気付く場合もあります。
この場合も、残クレ会社が早期一括返済を受け付け、銀行が借り換えを認めれば手続きできる可能性があります。
ただし、一括返済をいつから受け付けるか、精算額をどう計算するかは契約会社によって異なります。
たとえばトヨタファイナンスも早期完済制度を設けていますが、契約した販売会社などによって手続きが異なります。
「納車した翌月なら必ず借り換えられる」といった一律の期間はありません。
契約した金融会社へ確認してください。
銀行の審査にはもう一度通る必要がある
残クレの契約時に審査へ通っていても、銀行ローンへ自動的に移れるわけではありません。
銀行では改めて審査があります。
借入残高
年収
勤務状況
他の借入
現在のローンの返済状況
などをもとに銀行側が判断します。
残クレを問題なく払っていることも確認資料になりますが、それだけで銀行ローンが承認されるわけではありません。
先に残クレを自分のお金で完済してから銀行へ申し込むのではなく、通常は銀行の借り換え審査を進め、融資可能か確認してから一括精算へ進むほうが安全です。
必要書類は通常の新車購入ローンと違う
すでに納車されているので、新しく車を買うための見積書だけでは手続きできません。
借り換えでは銀行から、
現在のローン契約書
返済予定表
返済実績が分かる資料
車検証
一括返済額が分かる書類
などを求められる場合があります。
三菱UFJ銀行では、借り換え時に契約書、返済予定表、直近3か月の返済実績資料、車検証などを必要書類として案内しています。
七十七銀行では、借り換え希望日時点の残高が分かる「残高一括お支払い明細書」「残債照会回答書」などを求めています。
そのため、借り換えを考えたら最初に現在の金融会社から残高関係の書類を取り寄せると、その後の銀行審査を進めやすくなります。
返済期間を伸ばせば月額は下がるが、それだけで成功とは限らない
残クレから銀行ローンへ変える理由が、
「月額を下げたい」
という場合もあります。
銀行ローンで返済期間を長くすれば、月々の返済額を小さくできる可能性があります。
ただし、銀行によって借り換え後の期間には上限があります。
りそな銀行では、残価据え置き型ローンの借り換えについて、すでに支払った期間と借り換え後の期間を合わせて10年以内という条件があります。
三菱UFJ銀行も、元のローン実行日から一定期間内という制限を設けています。
また、期間を長くすると毎月は安くなっても、その分長く利息を払います。
借り換えでは、
「月額がいくら下がるか」
と同時に、
「完済が何年先になるか」
も確認してください。
納車後に銀行ローンへ変えたいときの順番
まず現在の残クレ会社へ、早期一括返済が可能か確認します。
次に、希望する日付での一括返済額と必要書類を出してもらいます。
その金額をもとに、残価設定ローンの借り換えに対応している銀行へ申し込みます。
銀行の審査が通ったら、銀行と残クレ会社の指示に従って現在のローンを完済します。
完済後、車検証上の所有者が販売店や金融会社になっている場合は、必要に応じて所有権解除・名義変更を行います。
重要なのは、銀行の融資が確定する前に現在のローンを自分の判断だけで処理しないことです。
金融会社と銀行の手続き日を合わせる必要がある場合があります。
借り換えるかは「残クレをやめたい」ではなく数字で決める
残クレを契約したあとに銀行ローンを知ると、
「失敗したからすぐ変更したい」
と思うことがあります。
しかし、残クレを契約したこと自体が借り換える理由にはなりません。
比較するのは、
現在の残クレを今日完済する金額
銀行ローンへ借り換えた後の総返済額
残クレをそのまま続けた場合の今後の支払総額
です。
銀行ローンに変えることで総額が明確に下がり、今後もその車に乗り続ける予定なら、借り換えを検討する意味があります。
一方、近いうちに車を返却・売却する予定なら、銀行ローンへ借り換えることが必ずしも適切とは限りません。
納車後でも借り換えできるかという問いには、「できる銀行はある」が答えです。
その次に確認するべきなのは、自分の残クレを今日終わらせる金額と、銀行へ移した後の総額が本当に安くなるかです。
地域・金融機関による違い
銀行のマイカーローンは全国共通の商品ではありません。
借り換え対象、金利、借入上限、返済期間、居住地域や営業地域の条件、必要書類などが金融機関ごとに違います。
また、残クレ側の早期一括返済や所有権解除の方法も金融会社や販売会社によって異なります。
そのため、実際には「現在契約している残クレ会社」と「借り換え先候補の銀行」の両方の条件を確認して判断してください。
残クレから借り換えるなら、まず現在の残債と一括返済額を確認します。
→ 残クレを途中で一括返済するといくら?
出典
三菱UFJ銀行|ネットDEマイカーローン
三菱UFJ銀行|ネットDEマイカーローン 必要書類について
りそな銀行|マイカーローンの借換え
りそな銀行|他社のローンの借換に利用できますか?
りそな銀行|所有者がローン会社でも借換できますか?
横浜銀行|横浜銀行マイカーローン
千葉興業銀行|マイカーローン
七十七銀行|77マイカーローン
Hondaファイナンス|早期一括返済(全額返済)のお手続き
Hondaファイナンス|名義変更(所有権解除)のお手続き
トヨタファイナンス|一括返済する場合、毎月の支払いを続けるよりも安くなりますか?
トヨタファイナンス|支払残高を知りたいです。どうすればよいですか?
