残クレを満期前に返却したい|途中でも車を返せる?

残クレは、満期前でも車を手放せる場合があります。

ただし、「5年契約だけれど2年で車を返す」といった場合、満期時と同じ条件で返却して、その日から残りの支払いが全部なくなるとは限りません。

満期前に手放す場合は、基本的に中途解約・早期精算として扱われます。

確認するのは、

「今日残クレを終わらせるにはいくら必要か」

「今日この車はいくらで査定されるか」

の2つです。

車を返すかどうかを決めるのは、その差額を確認してからです。

満期の「返却」と途中の「返却」は同じではない

残クレでは、契約時に3年後や5年後の車の価値を「残価」として決めています。

契約満了時まで支払いを続け、所定の条件を満たした車を返却するなら、最後に据え置いた残価を払わず終了できる商品があります。

これが残クレでよく言われる「返却すれば最終回0円」です。

しかし、たとえば5年契約を2年で終了する場合は違います。

契約時に決めた残価は「5年後の価値」です。

2年後に返すのであれば、その時点で残っている分割払いと最終回の残価などを含め、契約を終了するための精算額を改めて計算します。

つまり、

満期返却=契約どおり最後まで進んだあとの精算

途中返却=契約を予定より早く終えるための精算

です。

「車を返す」という行動は同じでも、お金の計算は別物と考えたほうが分かりやすいでしょう。

途中で返すなら「残りの月額」だけを足さない

たとえば月3万円で、あと30回残っているとします。

3万円×30回=90万円だから、残債は90万円だと思うかもしれません。

しかし残クレには、このほかに最終回へ据え置いた残価があります。

満期前に契約を終了するときは、この残価を含めた精算額を確認する必要があります。

一方、予定より早く完済することで、まだ発生していない分割払い手数料の一部が差し引かれる契約もあります。

そのため、

残りの月額
+残価

を自分で計算しても、正確な中途精算額にはならないことがあります。

契約している金融会社または販売店へ、

「○月○日時点で残クレを終了する場合の一括精算額を知りたい」

と確認するのが確実です。

車を返せば精算額が全部消えるわけではない

ここが途中返却で最も重要なところです。

仮に現在の一括精算額が250万円だったとします。

販売店で車を査定した結果が220万円なら、

250万円-220万円=30万円

が不足します。

この30万円を別に支払わなければ、残クレを終了できない可能性があります。

反対に、

一括精算額 250万円
査定額 270万円

なら、査定額のほうが20万円高くなります。

契約や販売店の処理方法によりますが、精算後に差額が残る可能性があります。

つまり、「途中で返せるか?」の本当の判断材料は、返却自体が可能かどうかだけではありません。

返したあとにいくら不足するのか、あるいはいくら残るのかです。

満期時の残価保証を途中でも使えるとは限らない

「残価が150万円保証されているから、途中で返しても150万円で引き取ってもらえるのでは?」

と考えるかもしれません。

しかし、残価保証は通常、契約した3年や5年を満了することを前提としています。

満期前に中途解約する場合は、その保証された残価をそのまま使って精算できるとは限りません。

途中で車を手放すときは、現在の車両価値を査定して精算する契約があります。

特に購入してから短期間で手放す場合は、ローンの精算額がまだ大きい一方、車の査定価格は新車価格より下がっていることがあります。

そのため、契約から1年や2年程度で返却すると、査定額より精算額のほうが高くなる可能性があります。

満期時の「残価保証があるから安心」と、途中返却時の金額は切り離して考えたほうがよいでしょう。

メーカーによって途中返却の扱いは同じではない

残クレには全国共通の中途解約ルールがあるわけではありません。

たとえば日産フィナンシャルサービスでは、契約途中で残額を一括精算することはできます。

ただし、途中で一括精算するときに、最終回の支払い方法として「車を返却する」を選ぶことはできないと案内しています。

SUBARUの残価設定型クレジットも、中途解約・早期完済では残期間分の精算が必要です。

ホンダでは、満期なら車両返却で終了できますが、最終回前に乗り換える場合は、下取りに出す方法や残金を全額返済する方法が案内されています。

つまり、

「残クレなら途中でもディーラーに返せば終了」

という共通ルールはありません。

実際の契約先へ、満期前に車を手放す場合の処理方法を確認する必要があります。

販売店へ返す方法と買取店へ売る方法がある

満期前に車を手放す場合、必ず購入した販売店へ返すしかないとは限りません。

販売店で査定して中途精算する方法のほか、買取店へ売却する方法もあります。

ただし、残クレでは車検証上の所有者が販売店や金融会社になっていることがあります。

この場合、利用者の判断だけで車を売却することはできません。

残価を含めた残債を完済し、所有権を解除できる状態にする必要があります。

買取店によっては、売却代金から残クレの精算金を支払い、所有権解除まで手続きを進めてくれる場合があります。

その場合でも、まず正確な精算額を確認してから査定額と比べることが重要です。

買取額が高ければ販売店返却より有利になる場合もある

満期前の手放しでは、契約上の残価保証が使えない場合があります。

そうなると、「どこへ返すか」より、「今この車はいくらで売れるか」が重要になります。

販売店の査定が220万円、買取店の査定が245万円で、一括精算額が230万円なら、

販売店査定では10万円不足

買取店査定なら15万円残る

という違いが出る可能性があります。

そのため、販売店へ返却する金額だけで即決せず、契約上ほかへの売却が可能なら買取査定も確認する意味があります。

ただし、買取契約を先に結ぶのは避けたほうがよいでしょう。

残クレの精算額を正確に確認せず車を売却し、あとから予想以上の不足額が判明するトラブルがあります。

先に精算額、その後に査定額です。

「残り30回×月額」ではなく正式な精算額を先に取る

途中で車を手放そうと思ったら、最初に査定店へ行きたくなるかもしれません。

しかし順番としては、残クレの契約先へ精算額を確認するほうが先です。

たとえば買取店から「250万円で買います」と言われても、残クレの精算額が270万円なら20万円不足します。

一方、精算額が230万円なら20万円残ります。

査定価格だけを聞いても、手放せるかどうかは判断できません。

確認する数字は「ローン残高」ではなく、希望する日に契約を終了するための正式な一括精算額です。

傷や事故があるなら査定額への影響も見る

満期時の返却では、走行距離や傷、事故による修復歴などについて残価保証条件があります。

途中で手放す場合も、車の状態は査定額に影響します。

事故で大きく損傷した車や修復歴が付いた車では査定価格が低くなり、その結果、一括精算額との差が大きくなる可能性があります。

「事故を起こしたので、この車はもう返したい」という場合こそ、

残価を含む精算額

事故後の車の査定額

車両保険から支払われる金額

を分けて確認する必要があります。

事故車だから車を返せばローンも終了する、とは考えないほうがよいでしょう。

支払いが苦しいなら返却前に不足額を確認する

残クレの支払いが苦しくなり、

「車を返せば月々の3万円がなくなる」

と考えている人は特に注意が必要です。

途中返却時に査定額より精算額のほうが高ければ、車を手放すためにまとまった不足額が必要になる可能性があります。

たとえば月3万円の支払いをなくすために、返却時に30万円を用意しなければならないなら、その30万円を準備できるかが新たな問題になります。

不足額が払えない場合は、

販売店への返却

買取店への売却

銀行ローンなどを使った借り換え・精算

など、ほかの方法と比較する必要があります。

支払いが厳しいからといって、まず車だけを返してしまうのではなく、精算額を出してから動くことが重要です。

満期まであと少しなら途中返却と比較する

満期まで数か月しか残っていない場合は、すぐ中途解約するのがよいとは限りません。

途中返却すると満期時の残価保証を利用できず、不足額が発生する一方、満期まで支払えば契約どおりの返却条件を利用できることがあります。

たとえば、

今すぐ終了した場合の不足額

満期までに支払う残りの月額

満期返却時に予想される精算金

を比べます。

満期が近いほど、「今すぐ返す」ことと「数か月待って満期返却する」ことの金額差を確認する意味が大きくなります。

ここは残り期間と精算額によって答えが変わります。

途中で返したいときはこの順番で確認する

まず、契約書や支払明細から残クレの金融会社を確認します。

次に、販売店または金融会社へ、希望日現在の中途解約・早期一括精算額を確認します。

そのうえで車を査定します。

販売店以外への売却が可能なら、買取店の査定も比較します。

最後に、

精算額-査定額

を計算します。

差額がプラスなら、自分で不足額を用意する必要があります。

査定額のほうが高ければ、精算後に差額が残る可能性があります。

この数字が出てから、満期前に手放すか、そのまま満期まで乗るかを決めるのが現実的です。

「返せるか」より「いくらで終われるか」を確認する

残クレは、契約途中でも車を手放せる場合があります。

ただし、満期時の返却と同じように、

「車を返す=残りの支払い0円」

になるわけではありません。

途中では、残価を含めた一括精算額と現在の車の査定額を精算するのが基本です。

査定額が足りなければ、その差額を支払う必要があります。

また、契約によっては途中返却そのものではなく、一度早期完済してから売却する形になります。

したがって、満期前に車を手放したいときの最初の質問は、

「途中でも返せますか?」

だけではありません。

「今日この契約を終了するといくら必要で、車はいくらで引き取ってもらえるか?」

ここまで確認すれば、今すぐ返すべきか、満期まで待つべきかを判断できます。

地域・契約による違い

残クレの中途解約、早期完済、車両返却の方法は全国一律ではありません。

メーカー系金融会社、販売会社、利用しているクレジット商品、契約時期によって条件が異なります。

満期時の残価保証や返却条件についても、現在ウェブ上で案内されている条件と、数年前に自分が契約した条件が同じとは限りません。

最終的には、自分の契約書・特約書と、契約している販売会社または金融会社から提示された中途精算額を確認してください。

出典

一般社団法人日本自動車購入協会|ローンや残価設定型クレジット返済中の車を手放すことはできるの?

一般社団法人日本自動車購入協会|残価設定型クレジット返済中の車の売買契約をし、車を引き渡したが、中途解約による追い金が発生するため、キャンセルをしたい

一般社団法人日本自動車購入協会|残価設定型クレジットの返済中に契約者である夫が亡くなった。車を手放したいと考えていますが、残債はどうなるのでしょうか

ホンダファイナンス|残価設定型クレジット(残クレ)の最終回の支払方法について教えてください

日産フィナンシャルサービス|残価設定型クレジット 契約途中の一括精算について

SUBARU|SUBARUの残価設定型クレジット

トヨタファイナンス|残価設定型クレジットの車両返却の手続きについて