残クレの車で事故・水没した|修理・全損・残債・返却はどうなる?

残クレで乗っている車が事故に遭ったり、大雨で水没したりすると、「まず何をすればいい?」「修理しても返却できる?」「全損なら残クレは終わる?」「売った方がいい?」と一気に判断することが増えます。

ただし、事故・水没が起きたからといって、すぐに返却方法を決める必要はありません。

最初に確認するのは、車が修理できる状態なのか、全損なのか、水没しているのかという現在の状態です。そのあとに保険、残債、返却条件、売却時の査定額を順番に確認すると整理しやすくなります。

この記事では、残クレの車で事故や水没が起きたときに、どの記事を確認すればいいのかまで含めて順番に整理します。

まず確認するのは「車が今どうなっているか」

残クレの事故・水没は、次のように分けて考えると分かりやすくなります。

今の状態最初に確認すること
事故を起こしたが修理できそう修理後の返却条件
修復歴がついた返却時の査定・精算
事故車を手放したい返却と買取の比較
全損になった保険金と残債
大雨などで水没した始動せず車両状態を確認
水没車を修理した満期返却への影響
保険金だけでは残債を払えない不足分の精算方法

重要なのは、「事故に遭った=返却」「全損=残クレ終了」と一括りにしないことです。

事故でも修理して乗り続けられる場合があります。一方、全損や水没では車両保険の金額と残債の関係まで確認する必要があります。

事故を起こしたら、まず安全確保と保険会社への連絡

通常の交通事故であれば、最初にすることは残クレの確認ではありません。

けが人がいる場合の救護、警察への届出など事故現場で必要な対応を行い、その後に加入している保険会社や代理店へ事故を連絡します。日本損害保険協会も、事故発生後は事故現場での対応をしたうえで、速やかに保険会社または代理店へ連絡するよう案内しています。

そのあとで、

事故車を修理できるのか
↓
修復歴がつくのか
↓
残クレ満期まで乗るのか
↓
返却するのか、途中で手放すのか

を考えます。

修理できる事故なら

残クレだから事故車を修理できないわけではありません。

たとえばHonda Financeでは、残クレ契約中の車を事故後に修理する際、顧客とHonda Financeとの間で特別な手続きは必要ないと案内しています。

ただし、満期時に車両返却を選ぶ場合は、修復歴によって精算金が発生する場合があります。

事故後に修理して乗り続ける場合は、こちらで詳しく確認します。

→残クレの車で事故を起こした|修理すると返却時どうなる?

修復歴がつくと「返せば終わり」とは限らない

事故を修理できても、その修理内容によっては修復歴がつくことがあります。

残クレでは、満期時に車を返却する場合の条件が設定されていることがあります。

Honda Financeでは、返却時の査定減点や走行距離について条件を設けており、事故による修復歴がある場合は残価保証の条件から外れると案内しています。また、返却条件を超えた場合には精算金が発生する場合があります。

ただし、返却条件や精算方法はメーカー・契約によって同じとは限りません。

「事故歴があるから追加精算になるはず」と先に決めず、自分の契約条件を確認することが必要です。

修復歴がついた場合はこちらです。

→残クレの車に修復歴がついた|返却時の精算はどうなる?

事故車はディーラーへ返却するしかない?

事故車になったからといって、考える選択肢が「残クレ満期まで乗る」か「ディーラーへ返却する」だけとは限りません。

途中で車を手放したい場合には、

返却した場合にいくら精算するのか

と

買取店へ売った場合にいくらで査定されるのか

を分けて確認します。

事故や修復歴によって返却時の精算金が大きくなる可能性があるなら、売却時の査定額も確認してから決めた方が判断材料を増やせます。

事故車を手放したい場合はこちらです。

→ 残クレの事故車を売りたい|返却と買取どっちを選ぶ?

全損になったら残クレはどうなる?

事故によって車が全損した場合は、修理できる事故とは考え方が変わります。

ここで確認するのは主に、

残クレの残債
車両保険などから支払われる保険金
契約しているクレジット会社の精算方法

です。

「車がなくなったからローンの支払いもなくなる」と考えない方が安全です。

たとえばトヨタファイナンスでは、契約中の車が事故で全損した場合や盗難された場合、一括返済が必要になると案内しています。保険会社からの保険金で精算する方法と、契約者自身で精算する方法が案内されています。

実際の扱いは契約しているクレジット会社や契約内容を確認してください。

全損した場合はこちらです。

→ 残クレの車が全損した|車がなくても残債は残る?

保険金より残債の方が多いこともある

全損になったときは、「保険金が出るか」だけを確認して終わりではありません。

確認したいのは、

残債はいくらか
保険金はいくら支払われるのか
その差額はいくらか

です。

たとえば残債が180万円あり、受け取れる保険金が150万円なら、30万円の差があります。

実際に不足分をどう精算するかは契約先への確認が必要ですが、少なくとも「全損になれば保険金で残クレも全部なくなる」とは限りません。

保険金で残債を払い切れない場合はこちらです。

→ 残クレで保険金が残債より少ない|不足分はどう払う?

大雨で残クレの車が水没したらエンジンをかけない

水没の場合は、残クレや返却条件を確認する前に車の扱いに注意が必要です。

国土交通省は、浸水・冠水した車について、外観に問題がないように見えても感電や電気系統のショートによる火災のおそれがあるとして、自分でエンジンをかけないよう案内しています。

特にハイブリッド車やEVは高電圧バッテリーを搭載しているため、むやみに触れず、販売店や整備工場などへ相談する必要があります。

JAFも、冠水した車では電装系のショート、エンジン破損、ブレーキ機構の異常などのおそれがあるため、点検するまではエンジンを始動しないよう案内しています。

水没した車では、

エンジンをかけない
↓
ロードサービスや販売店へ相談する
↓
修理可能か全損かを確認する
↓
加入している保険を確認する
↓
残クレの残債・返却条件を確認する

という順で考えます。

水没した場合はこちらです。

→ 残クレの車が水没した|残債と返却はどうなる?

水没車を修理した場合も満期返却を確認する

水没しても、車の状態によっては修理して乗り続ける場合があります。

ただし、「修理できたから残クレにも影響しない」とは限りません。

水没によってどの部分まで損傷したか、修理後にどのような扱いになるか、満期返却時の査定に影響するかを確認しておく必要があります。

水没後に修理して乗り続ける場合はこちらです。

→ 残クレ水没車を修理した|満期でそのまま返却できる?

事故・水没後は「残債」と「車の価値」を別々に確認する

事故や水没が起きたときに迷いやすいのが、残クレの残債と車の査定額を一緒に考えてしまうことです。

残債は、クレジット契約上あといくら支払う必要があるかという金額です。

一方、査定額は、その車を現在売却した場合にいくらの価値があるかという金額です。

事故後でも、

残債がいくらあるか

と

今の車にいくらの査定がつくか

は別々に確認します。

たとえば事故車を途中で手放すのであれば、返却時の精算条件だけで判断するのではなく、買取価格も確認することで比較できるようになります。

事故・水没したときの判断順序

残クレの車で事故・水没が起きたら、次の順で整理すると判断しやすくなります。

  1. 人の安全と車の安全を確保する
  2. 事故なら警察・保険会社、水没ならロードサービスや販売店へ連絡する
  3. 修理できるのか、全損なのかを確認する
  4. 車両保険などから支払われる金額を確認する
  5. 残クレの残債を確認する
  6. 返却する場合の条件・精算額を確認する
  7. 手放すなら売却時の査定額も確認する

この段階まで確認してから、「修理して乗る」「返却する」「売却する」「次の車へ乗り換える」を選びます。

今の状態から次の記事を選ぶ

事故・水没といっても、次に確認する内容は車の状態によって違います。

事故を起こしたが修理できそう
→ 残クレの車で事故を起こした|修理すると返却時どうなる?

修復歴がついた
→ 残クレの車に修復歴がついた|返却時の精算はどうなる?

事故車を手放したい
→ 残クレの事故車を売りたい|返却と買取どっちを選ぶ?

全損になった
→ 残クレの車が全損した|車がなくても残債は残る?

水没した
→ 残クレの車が水没した|残債と返却はどうなる?

水没車を修理した
→ 残クレ水没車を修理した|満期でそのまま返却できる?

保険金より残債が多い
→ 残クレで保険金が残債より少ない|不足分はどう払う?

事故・水没が起きたときは、最初から返却か売却かを決めるのではなく、まず現在の車の状態を確認してください。

そのうえで保険金、残債、返却条件、査定額まで順番に確認すれば、次に取る行動を整理できます。

出典

Honda Finance|残価設定型クレジット契約車で事故を起こした場合の修理手続き

Honda Finance|残価設定型クレジットの買取額(残価)が変わる条件

Honda Finance|最終回支払方法で車両返却を選択した場合の条件

トヨタファイナンス|契約中の車が事故全損・盗難の場合の支払い

国土交通省|浸水・冠水被害を受けた車両のユーザーの方へ

JAF|車内まで冠水した自動車の扱いと対処方法

日本損害保険協会|自動車保険のご加入時に知っておきたいポイント