残クレで返却予定の車を見たら、ホイールに縁石でこすったような傷がある。
この場合、すぐ新品ホイールへ交換する必要があるとは限りません。
残クレの返却では、ホイールだけを見て「傷があるから交換」と決めるのではなく、車両全体の状態を査定し、契約で定めた基準を超えた分を精算する仕組みが一般的です。
そのため、返却前に先に交換するより、
「この状態で返したら精算はいくらになるか」
を販売店へ確認するほうが先です。
精算額が0円または修理・交換費より安いなら、そのまま返したほうが負担を抑えられます。
ホイール傷があっても追加料金0円になる場合がある
残クレでは、傷が1つあっただけで必ず追加料金になるわけではありません。
たとえばホンダの残価設定型クレジットでは、返却時に日本自動車査定協会の基準による内外装の減点が100点以内なら残価保証の条件内です。
100点を超えた場合に、超えた1点につき1,000円を負担します。
つまりホイールの傷を含めた車両全体の減点が基準内なら、ホイール傷があったとしても追加精算が発生しない可能性があります。
スズキも考え方は似ています。
返却時の査定減点が50点、5万円相当以内なら条件内です。
50点を超えた場合も、車そのものを返せなくなるのではなく、超えた部分を支払えば引き取る仕組みです。
スバルでは、内外装の損傷による査定減価額について、普通・小型乗用車なら10万円以内、軽乗用車なら5万円以内を引取条件としています。
ここから分かるのは、「ホイールに傷があるから新品交換」という判断では早すぎるということです。
ホイールだけでなく車全体の減点を見る
ホイールに目立つ傷があると、そこだけが気になります。
しかし残クレの返却査定では、ホイールだけで基準内・基準外を判断するとは限りません。
たとえば、
ホイールの傷
バンパーの擦り傷
ドアのへこみ
内装の傷や汚れ
などを合わせて車両状態を査定します。
その合計が契約上の免責範囲に収まるかを見る商品があります。
したがって、ホイール傷だけを直しても、ほかの傷を含めれば精算額が発生する可能性があります。
逆に、ホイールだけに傷があり、ほかがきれいなら、契約上の免責範囲に収まる可能性もあります。
返却前にホイールだけ交換するより、車全体の事前査定を受けたほうが判断しやすくなります。
「ガリ傷」と変形・亀裂は分けて考える
縁石でホイール表面をこすり、塗装や金属表面に傷が付いただけなら、主に外観上の損傷として査定されます。
一方、
ホイールが曲がっている
亀裂が入っている
空気が漏れる
走行時に振動が出る
という状態なら話は別です。
これは見た目の傷だけでなく、安全性や機能にも関係します。
残価設定型クレジットの返却条件には、機能損傷がないことを条件にしている商品もあります。
この状態なら「返却査定でいくら取られるか」以前に、走行を続けて問題がないか整備工場や販売店で確認してください。
単なる擦り傷と、交換が必要になる可能性のある損傷を同じ扱いにしないことが重要です。
返却前に新品ホイールへ交換すると損することがある
仮に純正ホイール1本を交換するのに数万円かかるとします。
一方、そのまま返却した場合の査定減点が契約の免責内なら、追加負担は0円です。
この場合、交換代を払った分だけ負担が増えます。
仮に免責を超えていたとしても、超過精算が2万円で済むのに5万円かけて新品へ交換したら、3万円余計に支払うことになります。
残クレ返却前の修理では、
「きれいにして返したほうがよい」
ではなく、
「そのまま返す費用と直す費用のどちらが小さいか」
で考えます。
ホンダなら「100点を超えるか」が一つの境界
ホンダでは、通常の残価設定型クレジットなら内外装の査定減点100点以内が条件です。
100点を超えた場合は、超過した部分について1点1,000円を支払います。
たとえば車全体で80点なら、契約上の基準内です。
120点なら、基準を20点超えているため、内外装については2万円が精算額の考え方になります。
重要なのは、ホイール傷だけの修理見積もりと比べることです。
販売店から「この傷を含めても100点以内の見込み」と説明されたなら、返却のためだけにホイールを交換する必要性は低くなります。
逆に車全体の減点が大きく、ホイール部分を直すことで基準内へ戻せるのであれば、修理費との比較に意味が出てきます。
スズキなら50点を超えた部分を見る
スズキの「かえるプラン」では、走行距離を除く査定減点50点、5万円相当以内が車両引取条件です。
50点を超えても、その超過分を支払えば車両を引き取る仕組みがあります。
たとえば車全体の査定が70点なら、超過は20点です。
この場合、ホイール交換に何万円もかける前に、超過部分の精算と修理費を比較したほうがよいでしょう。
ホイールだけ新品にすれば必ず得になる仕組みではありません。
スバルは「修理代」ではなく査定減価額との比較になる
スバルでは、普通・小型乗用車の場合、内外装の損傷による査定減価額が10万円以内なら引取条件内です。
軽乗用車なら5万円以内です。
この金額を超えた場合は、超えた査定減価額を支払います。
ここでも、
新品ホイールの交換費用
と、
そのまま返した場合に基準を超える金額
の比較になります。
ホイールに傷があることそのものではなく、その傷によって車両価値がどれだけ下がると査定されるかを見る必要があります。
トヨタと日産は販売店に実際の精算額を確認する
トヨタでは、残価保証条件として車両損傷や事故修復歴などが設定されています。
条件から外れた場合は、車両状態や走行距離などに応じた精算金が発生します。
ただし全国一律で「ホイール傷なら○点」と判断できる公開条件ではありません。
日産も、内外装の損傷について販売会社による査定減点の免責基準を設けていますが、精算金は車種などによって異なります。
そのためトヨタや日産でホイール傷がある場合は、ネット上の一般的な査定表から自分で請求額を確定するのではなく、契約した販売店へ返却査定の見込みを確認したほうが確実です。
傷のあるホイールを中古品に交換すればよいとも限らない
交換費用を抑えるため、中古ホイールや社外ホイールへ交換しようと考えることもあります。
しかし、これは先に契約販売店へ確認したほうがよいでしょう。
残価は契約時の車両状態や装備を前提に設定されています。
メーカー・契約によっては、純正部品以外への変更や原状変更が返却条件に関係します。
傷のある純正ホイールよりも、違う仕様のホイールに替えたことで査定上不利になる可能性も否定できません。
交換するのであれば、「このホイールへ交換して返却して問題ないか」を確認してから購入します。
タイヤも傷んでいるならホイール傷とは分けて確認する
縁石へ強くぶつけた場合は、ホイールだけでなくタイヤ側面にも傷が付くことがあります。
この場合、見た目のホイール傷だけを修理して終わりではありません。
タイヤに膨らみ、亀裂、深い切り傷などがあるなら、安全面から点検が必要です。
返却査定のために交換するかどうかと、安全に走行できるかどうかは別問題です。
安全上交換が必要なら、残クレ査定とは関係なく対応する必要があります。
返却直前なら販売店に「このまま返した場合」を先に聞く
満期が近いなら、最も判断しやすい方法は販売店に車を見てもらうことです。
そのとき、
「ホイールを交換したほうがいいですか?」
だけを聞くのではなく、
「このまま返した場合、車両全体で精算金はいくらになりそうですか?」
と確認します。
その金額が分かったら、
そのまま返した場合の精算額
ホイール修理費
新品・中古ホイールへの交換費
を比較します。
たとえば精算見込みが1万円、修理が2万円なら、そのまま返したほうが金額だけでは有利です。
逆に精算見込みが5万円で、適切な修理が2万円で済み、修理後の査定上も問題ないことを販売店に確認できるなら、修理を検討する余地があります。
「直してから査定」ではなく「査定してから直すか決める」
ホイール傷を見つけたときに避けたいのは、不安だけで先に交換してしまうことです。
残クレには傷を一定範囲まで許容する商品があります。
さらに基準を超えたとしても、車両そのものを返却できなくなるのではなく、超えた分だけ精算する商品があります。
そのため、
傷を見つける
↓
交換する
ではなく、
傷を見つける
↓
契約の免責基準を確認する
↓
そのまま返した場合の査定・精算見込みを聞く
↓
修理・交換費と比較する
という順番で判断します。
ホイールの傷だけなら交換を前提にしない
残クレ返却時にホイールへ傷があっても、それだけで新品へ交換しなければ返却できないとは限りません。
表面の擦り傷なら、ほかの内外装損傷と合わせて査定され、契約の免責範囲内なら追加負担なしになる可能性があります。
免責を超えていても、交換代より精算額のほうが小さければ、そのまま返したほうが安くなります。
一方、変形や亀裂など機能に影響する損傷なら、見た目だけのガリ傷とは分けて確認する必要があります。
したがって返却前の判断は、
「傷があるから交換」ではなく、「そのまま返した場合の精算額は、修理・交換費より高いか」
です。
まず販売店に現状のまま見てもらい、その数字を確認してから直すかどうか決めてください。
地域・販売会社による違い
残価保証の免責点数、査定方法、超過時の精算条件はメーカー・金融会社・販売会社・契約時期によって異なります。
特にトヨタなどは販売会社ごとの契約条件確認が必要です。
また、現在のメーカーサイトの条件と数年前に契約した車の条件が同じとは限りません。
最終的には自分の「最終回支払いに関する特約」などの契約書類と、返却先販売店の査定結果を基準にしてください。
出典
ホンダ|残価設定型クレジット(残クレ)
ホンダファイナンス|残クレで車両返却を選択した場合の支払い条件
トヨタ自動車|選べる新車の支払いプラン
日産自動車|残価設定型クレジット
スバル|スバルの残価設定型クレジット
スズキファイナンス|車両お引取りの条件と注意事項
