残クレ返却でタイヤが減っている|交換してから返す?

残クレの返却前にタイヤが減っていても、返却のためだけに4本を新品へ交換する必要があるとは限りません。

まず販売店にタイヤを見てもらい、「このまま返却した場合、タイヤによる追加精算はいくらになるか」を確認します。

その金額がタイヤ交換費より小さいなら、返却費用を減らす目的だけで新品へ交換すると、かえって支出が増える可能性があります。

ただし、スリップサインが出ているなど安全上の使用限度に達しているタイヤは別です。返却査定とは関係なく、そのまま公道を走り続ける前提にはできません。

タイヤが減っているだけで新品交換が必要とは限らない

残クレは数年間使った車を返却する仕組みなので、タイヤも当然ある程度は摩耗します。

「新車時と同じタイヤ状態に戻さないと返せない」という仕組みではありません。

問題になるのは、返却時の車両査定で、自分の契約が定める基準からどれだけ外れているかです。

例えばホンダでは、日本自動車査定協会の基準に基づいて車両を確認し、内外装の減点が100点以内などを返却条件としています。

タイヤだけを見て新品か中古かで判断するのではなく、返却時の車両状態として査定されます。

まずタイヤの残り溝を確認する

最初に現在のタイヤがどの程度減っているか確認します。

タイヤには「スリップサイン」と呼ばれる摩耗限度を示す部分があります。

乗用車用タイヤでは、残り溝が1.6mmになるとスリップサインが現れます。

この状態まで減ったタイヤは、安全上の使用限度に達しています。

一方、

「新品よりかなり減っている」

という見た目だけでは、交換が必要な状態かどうか判断できません。

分からなければガソリンスタンドやタイヤ店ではなく、まず返却する販売店で残り溝を測ってもらってもよいでしょう。

1.6mmは「残クレなら追加料金なし」という数字ではない

ここは特に注意が必要です。

残り溝1.6mmは、タイヤを公道で使用するうえでの安全・保安上の限界です。

「1.6mm以上なら、どの残クレでも追加精算なしで返却できる」

という全国共通の残クレ基準ではありません。

メーカーや販売会社によって返却査定の方法は異なります。

トヨタでは車両状態が契約時に定めた規定外であれば別途精算が必要になりますが、具体的な条件は販売店によって異なります。

ホンダでも、具体的な返却査定や精算については販売会社へ確認するよう案内しています。

したがって、自分で残り溝を測って「2mmあるから絶対大丈夫」と判断するのではなく、返却する販売店に確認します。

交換する前に「このまま返すといくら?」を聞く

返却が近いなら、タイヤ店へ先に行くより販売店へ車を見せるほうが判断しやすくなります。

聞きたいのは、

「タイヤ交換したほうがいいですか」

だけではありません。

「このタイヤの状態で返却した場合、追加精算はいくらになりそうですか」

と確認します。

ここが分からなければ、新品交換するほうが得なのか判断できません。

タイヤ交換費と返却精算額を比べる

例えば4本交換すると8万円かかるとします。

一方、そのまま返した場合のタイヤによる精算が2万円程度なら、返却のためだけに8万円払って新品へ交換すると、6万円余計に使うことになります。

逆に、タイヤの状態が悪く精算額が大きく、安く適切なタイヤへ交換することでその負担を大きく減らせると販売店から確認できたなら、交換を検討できます。

つまり比較するのは、

新品タイヤにしたらきれいになるか

ではありません。

「交換によって返却時の精算額が、交換費以上に減るか」です。

新品タイヤにすれば交換代がそのまま査定へ戻るわけではない

返却直前に高いタイヤを新品へ交換しても、その購入価格がそのまま査定へ加算されるわけではありません。

一般的な中古車査定ではタイヤも評価されますが、査定前に新品へ交換しても、タイヤ代と交換工賃を回収できない場合があります。

返却まであと数週間しかないのに、10万円以上かけて新品タイヤへ交換し、そのまま販売店へ車を返すのは典型的な費用倒れになり得ます。

まず現状査定を受けてから決めます。

スリップサインが出ているなら返却査定とは別問題

残り溝が1.6mmまで減ってスリップサインが現れている場合は、「返却時の追加精算と交換費のどちらが安いか」だけでは判断できません。

国土交通省は、スリップサインが現れたタイヤは交換するよう案内しています。

溝が減ったタイヤは雨天時の排水性能が低下し、スリップしやすくなります。

したがって返却までまだ車を使うのであれば、安全面から交換が必要になります。

「来月返すからあと少しだけ乗る」という理由で、安全基準を下回ったタイヤのまま走り続けないでください。

返却日が目前なら、販売店に車両の持ち込み方法を相談します。

溝が残っていてもひび・偏摩耗なら別

タイヤは残り溝だけを見ればよいわけではありません。

例えば、

外側だけ極端に減っている

内側だけ減っている

側面に大きなひびがある

コードが見えている

膨らみがある

といった状態なら注意が必要です。

日本自動車タイヤ協会も、残り溝が基準以上でも極端な偏摩耗やコード層が露出したタイヤは使用できないとしています。

この状態では返却査定以前に、安全に走れるタイヤなのかを確認する必要があります。

1本だけ減っている場合も自己判断で4本交換しない

タイヤ4本が均等に減るとは限りません。

1本だけパンク後の損傷がある、左右で摩耗量が違う、前輪だけ大きく減っているということもあります。

この場合も、

「残クレだから4本全部新品にしなければ」

とは考えないほうがよいでしょう。

駆動方式、タイヤの状態、残り溝の差などによって必要な交換本数は変わります。

販売店で返却査定への影響と、安全上必要な交換方法を確認します。

パンクと普通の摩耗は分けて考える

タイヤが減ったという話と、パンクなどでタイヤを損傷した場合も別です。

残価設定型クレジットによっては、タイヤ損傷の修理補償が付いている場合があります。

例えば三菱のスーパーマイカープランには、条件を満たす契約について、突然のパンクなどタイヤの単独損害を1回1本、最大4万円まで補償するサービスがあります。

ただし、これは通常走行によってタイヤの溝が減った「摩耗」を補償するという意味ではありません。

タイヤが減っている理由が通常摩耗なのか、損傷なのかを分けます。

返却前に車検があるなら安全基準を優先する

返却まで半年あるものの、その前に車検を迎える場合もあります。

残クレの返却査定で追加精算を払えばよい状態でも、車検で必要な保安基準を満たさなければ、そのまま乗り続けることはできません。

タイヤの残り溝は車検でも確認されます。

そのため、

「どうせ半年後に返却するから新品はもったいない」

という理由だけで交換を避けることはできません。

返却時期と車検時期の両方を確認します。

冬タイヤを履いているなら返却するタイヤも確認する

返却時期が冬なら、冬用タイヤを装着している場合があります。

このとき、

購入時の純正タイヤを一緒に返す必要があるか

冬用タイヤを装着したままでよいか

純正ホイールが必要か

は販売店へ確認します。

返却条件は契約や販売会社によって異なります。

純正タイヤやホイールを保管しているなら、処分する前に返却時の扱いを確認しておくほうが安全です。

買い取るなら返却査定のための新品交換は不要

最終回に車を返却せず、残価を払って乗り続ける予定なら考え方は変わります。

返却査定を通すために新品タイヤへ交換する必要はありません。

ただし、自分がその車へ乗り続ける以上、安全なタイヤは必要です。

したがって買い取りなら、

「返却査定で減点されるから交換する」

ではなく、

「安全に今後も乗るためにいつ交換するか」

で考えます。

返却するか買い取るか迷っているなら、先にその出口を決めてからタイヤ交換を考えるほうが無駄がありません。

タイヤ以外にも減点があるなら車全体で見る

返却査定ではタイヤだけを見るわけではありません。

ボディの傷

内装の汚れ

フロントガラスの損傷

走行距離

事故修復歴

なども関係します。

ホンダのように車全体の内外装減点で返却条件を判断する商品では、タイヤだけ直しても全体の精算が大きく変わらない場合があります。

返却直前なら、

「タイヤだけ交換すれば精算なしになりますか」

ではなく、

「この車を現在の状態で返した場合、総額でどのくらい精算が発生しそうですか」

と確認したほうが判断しやすくなります。

販売店には返却前に3つ確認する

タイヤが減っているなら、販売店には次の3点を確認します。

「現在の残り溝とタイヤ状態で返却条件を満たしますか」

「このまま返した場合、タイヤによる精算はいくらになりますか」

「新品または別のタイヤへ交換した場合、その精算はいくら減りますか」

この金額が分かってからタイヤ交換の見積もりを取ります。

交換費が減らせる精算額を上回るなら、返却のためだけの交換は必要ありません。

まとめ|タイヤが減っていても、返却前に先に交換しない

残クレ返却前にタイヤが減っていても、すぐ4本新品へ交換する必要はありません。

まず残り溝とタイヤの状態を確認し、販売店で返却査定への影響を確認します。

まだ安全に使用できる状態なら、

このまま返した場合の精算額

タイヤ交換費

を比較します。

交換費のほうが高いなら、そのまま返却して精算したほうが支出を抑えられる可能性があります。

一方、残り溝が1.6mmに達してスリップサインが出ている、極端な偏摩耗や大きな損傷がある、といった場合は別です。

返却査定のためではなく、安全上の理由で交換判断が必要になります。

つまり、

「残クレだから新品タイヤにして返す」

でも、

「もう返すからタイヤは何もしなくてよい」

でもありません。

返却査定でいくら減るのかを先に確認し、安全上交換が必要かを分けて判断する。

これが、返却直前のタイヤ交換で余計なお金を使わないための基準です。

出典

ホンダファイナンス|残価設定型クレジットの車両返却条件

日産自動車|残価設定型クレジット

トヨタ自動車|選べる新車の支払いプラン

SUBARU|残価設定型クレジット よくあるご質問

三菱自動車ファイナンス|スーパーマイカープラン

国土交通省|安全な自動車に乗ろう! タイヤの溝の深さ

日本自動車タイヤ協会|タイヤのおはなし(乗用車用タイヤ編)