残クレの契約走行距離を超えていても、契約満了時に残価を支払って車を買い取る選択ができる商品があります。
今回確認したホンダ・日産・三菱・スバル・トヨタの公開条件では、走行距離を超えたときの追加精算は、主に車を「返却する場合」の条件として設定されています。
そのため、残価を払ってそのまま乗り続ける場合は、返却時の走行距離超過精算とは分けて考えます。
ただし、
「10万円の超過料金を払いたくないから、150万円の残価を払って買い取る」
のが得とは限りません。
走行距離を超えたときは、返却時の追加精算額と、買い取りに必要な最終回残価を比べて決めます。
なお、この記事でいう「買い取り」は、販売店に車を買い取ってもらう意味ではありません。
残クレを利用している本人が、最終回残価を支払ってその車へ乗り続けることを指します。
走行距離の条件は「返却するとき」の残価保証に関係する
残クレでは、契約時に3年後や5年後の車の価値を「残価」として設定します。
契約満了時に車を返却し、所定の条件を満たしていれば、その残価を現金で支払わずに車を返すことで精算できます。
このとき条件の一つになるのが走行距離です。
例えば契約時に月1,000kmを選び、5年契約なら、メーカーによっては60,000km程度が一つの基準になります。
この距離を超えて返却すると、超過した距離に応じて追加精算が発生する商品があります。
つまり走行距離制限は、「その車にそれ以上乗ってはいけない」という使用禁止の距離ではありません。
契約時に設定した残価で車を返却するための条件です。
買い取るなら車を返却しない
契約満了時に車が気に入っていて、そのまま乗り続けたいなら、最終回の残価を支払って買い取る方法があります。
一括で支払うほか、商品によっては残価をもう一度分割する再クレジットも選択できます。
この場合、車は販売店へ返却しません。
そのため、返却時の残価保証を利用して車を引き取ってもらうための走行距離条件とは考え方が変わります。
今回確認した主要メーカーの公開条件では、
返却する場合
→ 走行距離や傷などの条件を確認し、基準超過なら精算
買い取る場合
→ 最終回残価を一括または再クレジットで支払う
という扱いに分かれています。
ホンダは超過精算金を「返却を選んだ人の費用」としている
ホンダでは、残クレの走行距離を月1,000kmまたは1,500kmから選べます。
返却時に契約走行距離を超えている場合、車種によって1kmにつき5~10円の負担が発生します。
一方、ホンダファイナンスはこの「精算金」について、車両返却を選択した人が走行距離や内外装の基準を超えた場合に発生する費用と明記しています。
満了後も乗り続ける場合は、最終回残価を一括で支払うか、再クレジットを利用します。
そのため、走行距離を超えたからといって、買い取り時の残価そのものへ「超過○km×単価」を加算する仕組みとしては案内されていません。
日産も走行距離の精算は返却時
日産の残価設定型クレジットでも、
新しい車へ乗り換える
車を返却する
車を自分で買い取る
という選択肢があります。
買い取る場合は、最終回残価を現金または再クレジットで支払います。
一方、走行距離が契約基準を超えた場合の追加精算は、車両返却時の条件として案内されています。
さらに日産では、「追加精算なしで返却できる距離」と「追加精算すれば返却できる上限」が別です。
例えば一般的な5年契約では、月1,000kmコースなら60,000kmまでが免責基準、90,000kmまでが精算可能上限となっています。
かなり走行距離が増えている人ほど、この違いは重要です。
三菱・スバルも返却と買い取りを分けている
三菱の残価設定型クレジットでも、最終回は、
三菱車への乗り換え・返却
再クレジット
一括払い
から選べます。
走行距離を超えた場合の負担は、乗り換え・返却時の条件として設定されています。
買い取りなら、最終回の残価を再クレジットまたは一括払いで支払います。
スバルでも、
返却して乗り換え
返却して終了
残価を再分割して乗り続ける
残価を一括で支払う
を分けています。
走行距離超過による精算金については、車両の返却と同時に支払うものとされています。
こうして見ると、走行距離の追加精算は「車を自分のものにするための追加料金」というより、「契約時に決めた条件から外れた車を返却するときの精算」と考えるほうが分かりやすくなります。
トヨタも返却時の走行距離条件としている
トヨタの残価設定型プランも、走行距離の条件は残価保証条件の一つです。
契約時に定めた走行距離を超えて車を返却した場合は、走行距離の程度に応じて精算金が必要になる場合があります。
ただし、トヨタでは具体的な走行距離や精算条件を各販売店が定めています。
全国共通で「1km○円」とは決められていません。
一方、買い上げを選択した場合は、最終回残価を支払います。
トヨタ車で走行距離を超えていて買い取りを考えているなら、契約した販売店に「買い上げの場合にも走行距離精算がある契約か」を確認すると確実です。
走行距離超過を避けるためだけに買い取ると損することがある
例えば契約走行距離を10,000km超えていたとします。
返却時の超過単価が10円/kmなら、走行距離だけの追加精算は10万円です。
一方、最終回残価が150万円なら、買い取るには150万円を支払う必要があります。
「10万円を払いたくない」という理由だけで150万円を払って買い取るのは、比較として意味が違います。
返却なら、
契約期間中の支払い
+ 走行距離などの追加精算
で車を手放します。
買い取りなら、
契約期間中の支払い
+ 最終回残価
を払って車が手元に残ります。
同じ「追加で払うお金」ではありません。
比較するなら返却精算額と残価を両方出す
走行距離を超えて満了を迎えるなら、販売店で2つの金額を確認します。
一つは、
「この走行距離で返却した場合の精算額」
です。
もう一つは、
「そのまま買い取る場合の最終回支払額」
です。
例えば、
返却時の走行距離精算 8万円
最終回残価 180万円
なら、8万円を払って返却するか、180万円を払って車を残すかを考えます。
車をあと5年乗りたいなら180万円を払う意味があるかもしれません。
もう車が不要なら、超過精算があるからという理由だけで買い取る必要はありません。
傷の精算も買い取りなら考え方は同じ
返却条件には走行距離だけでなく、内外装の傷や事故修復歴なども含まれることがあります。
例えばホンダでは、返却時の内外装に関する査定減点が基準を超えれば精算金が発生します。
これも走行距離と同じで、車両返却を選んだ場合の精算条件です。
走行距離も超えていて傷も多い場合は、
走行距離の精算
傷などの精算
を合わせると、返却時の追加負担が大きくなることがあります。
その段階では、買い取りとの比較価値が高くなります。
精算可能上限を超えているなら買い取りの意味が大きくなる
少し走行距離を超えただけなら、追加精算を払って返却できる商品があります。
しかし大幅に超えている場合は別です。
日産のように「精算可能上限」を設けている商品では、その上限までなら追加精算によって返却できます。
逆に言えば、上限をさらに超えるほど走っている場合は、通常の残価保証による返却の範囲から外れる可能性があります。
この場合、
残価を払って買い取る
実際の査定額を確認して売却方法を検討する
など、返却以外の出口を早めに確認する意味が大きくなります。
買い取ったあとに売るなら査定額も確認する
「走行距離を超えたから、一度買い取ってから売ればいいのでは」と考える人もいるでしょう。
この場合は、最終回残価と現在の査定額を比べます。
例えば、
最終回残価 150万円
買取査定額 180万円
なら、残価を精算したうえで外部売却を検討する余地があります。
反対に、
最終回残価 180万円
査定額 120万円
なら、買い取ってすぐ売ると差額が大きくなります。
走行距離が増えれば市場査定にも影響する可能性があるため、「走行距離超過精算がない」という一点だけで買い取らないことが重要です。
再クレジットなら走行距離ではなく新しい手数料を見る
最終回残価を一括で払えなくても、再クレジットを利用できる商品があります。
その場合、走行距離超過精算ではなく、新たな分割払いの負担を確認します。
再クレジットには審査があり、適用される金利も最初の残クレと同じとは限りません。
例えばホンダでは、再クレジット申し込み時の金利が適用されます。
そのため、
「走行距離を超えたから追加精算を避けるために再クレジットで買い取る」
と決める前に、
返却精算はいくらか
残価はいくらか
再クレジットすると総額はいくらか
を比較します。
契約満了前なら話は別
ここまで説明したのは、主に契約満了時の話です。
まだ残クレの途中で、
「すでに走行距離を大幅に超えたから今買い取りたい」
という場合は、最終回残価だけを払えばよいわけではありません。
途中で完済するなら、その時点の通常支払分と最終回残価を含む「早期完済額」を確認します。
途中売却をする場合も、その早期完済額と現在の査定額を比べます。
満了時の買い取りと途中完済は分けて考えてください。
販売店には「超過しても買えますか?」だけでなく3つ聞く
走行距離を超えて買い取りを検討しているなら、販売店では次の3つを確認すると判断しやすくなります。
「この走行距離で返却した場合、精算額はいくらですか」
「買い上げを選んだ場合、走行距離による追加精算はありますか」
「最終回残価を一括・再クレジットで支払う場合、それぞれ総額はいくらですか」
こう聞けば、
走行距離超過を精算して返す
残価を払って乗り続ける
という2つを同じ時点で比較できます。
まとめ|買い取りなら超過精算より残価を見る
残クレの走行距離を超えていても、契約満了時に残価を払って車を買い取る選択ができる商品があります。
今回確認した主要メーカーでは、走行距離超過による精算金は主として車両返却時の条件として設定されています。
つまり買い取りを選ぶなら、
「何km超えたから追加でいくら払うか」
より、
「最終回の残価をいくら払うか」
が中心になります。
ただし、それは「超過したら買い取りがお得」という意味ではありません。
返却時の超過精算が5万円なのか20万円なのか。
買い取る残価が100万円なのか200万円なのか。
さらにその車へ今後も乗りたいのか。
この3つで判断します。
走行距離を大幅に超えて返却条件から外れそうな場合は買い取りの意味が大きくなりますが、少額の超過なら追加精算を払って返却したほうが自分の希望に合うこともあります。
まず返却した場合の精算額と、買い取る場合の残価を両方出してもらってください。
出典
ホンダファイナンス|車両返却時に精算金が発生する場合について
