残クレの返却査定で「100点までなら大丈夫」と聞くことがあります。
しかし、100点は残クレ共通の基準ではありません。
ホンダは100点以内、スズキは50点以内。トヨタ系でも販売会社によって異なり、新車で150点以内としている販売会社があります。
さらに日産やスバルのように、「何点まで」というより査定による金額を基準にしている商品もあります。
そのため、返却前に確認するのは「残クレは何点まで?」ではなく、
自分の契約では何点・何円まで免責か
基準を超えた場合は超過分だけ払うのか
事故修復歴など別精算になる項目がないか
です。
査定減点は「傷の数」ではない
最初に誤解しやすいのが「点」の意味です。
100点以内と聞くと、
「傷が100個までなら大丈夫」
という意味にも見えますが、そうではありません。
残クレでは、日本自動車査定協会などの査定基準に基づき、傷やへこみ、内装状態などを評価して減点します。
そのため、
小さな傷1個=1点
とは限りません。
同じ傷でも、大きさ、場所、損傷の程度などによって査定結果が変わります。
自分で車を見て「傷が3つだから3点」と計算することはできません。
ホンダは100点以内が返却条件
ホンダの残価設定型クレジットでは、車両返却時の内外装に関する査定減点が100点以内であることが条件です。
100点なら基準内です。
101点以上になると基準を超えます。
ここまでは公式情報で確認できます。
注意したいのは、その後の精算方法です。
ホンダ公式では、
「この条件を超えた場合、内外装に関する減点1点につき1,000円」
と案内しています。
しかし、現在公開されている公式ページだけでは、
101点なら100点を超えた1点だけを精算する
のか、
査定された101点について計算する
のかまでは読み切れません。
ほかのメーカーのように「超過した部分」と明記されていないためです。
したがってホンダで100点を超えそうな場合は、自分で「101点だから1,000円」と計算せず、販売会社に正式な精算額を確認してください。
スズキは50点を超えた部分を精算する
スズキの残価設定クレジット「かえるプラン」では、走行距離を除く査定減点が50点、5万円相当以内なら基準内です。
50点なら追加精算はありません。
51点以上になると基準を超えます。
スズキはこの点について明確で、50点を超えた「超えた部分」を利用者が支払うとしています。
たとえば査定が70点なら、
70点-50点=20点
が超過部分です。
1点1,000円相当なので、走行距離や別の条件を除けば、この超過部分は2万円相当となります。
ここでは「70点だから7万円全部」という計算ではありません。
トヨタは販売会社によって点数が違う
トヨタ車では「トヨタの残クレは全国○点」と一律には言えません。
販売会社の契約条件を確認する必要があります。
たとえばトヨタモビリティ東京では、新車の残価設定型プランについて査定減点150点以内を基準としています。
150点を超えた場合は、超過部分1点につき1,000円です。
つまり151点なら、点数については基準を1点超えた状態です。
一方、中古車の残価設定型プランでは、車種によって100~150点以内と幅があります。
愛知トヨタの残価設定型でも、内装および事故歴に関する減点150点以内が返却条件で、超過した1点につき1,000円としています。
同じトヨタ車だからといって、ネットで見た150点を自分の契約へそのまま当てはめないでください。
日産は「何点まで」より免責金額を見る
日産の残価設定型クレジットでは、現在の公式案内は点数だけでなく金額で示されています。
内外装の免責基準は車種によって、
10万円以内
15万円以内
20万円以内
です。
さらに免責基準より5万円高い「精算可能上限額」が設定されています。
たとえば免責基準10万円の車なら、15万円までが精算可能上限です。
日産では免責基準を超えて精算可能上限までなら、査定減点1点につき1,000円で精算すれば返却できます。
つまり日産では、
「101点になったら追加精算」
という一つの境界ではありません。
車種によって免責額そのものが違います。
さらに精算可能上限を超えると通常の追加精算で返却できる範囲を超えるため、販売会社への確認が必要です。
スバルは点数ではなく査定減価額で見る
スバルも「100点まで」のような点数基準ではありません。
返却条件は、内外装の損傷による査定減価額が、
普通・小型乗用車 10万円以内
軽乗用車 5万円以内
です。
この金額を超えた場合は、超過した金額を精算します。
たとえば普通乗用車で内外装の査定減価額が12万円なら、
12万円-10万円=2万円
が車体損傷についての超過額です。
この方式では、何点だったかよりも最終的な査定減価額が境界になります。
メーカーごとの境界を一度整理する
現在確認できる主な例を整理すると、次のようになります。
| 契約先の例 | 基準 | 基準を超えた場合 |
|---|---|---|
| ホンダ | 内外装100点以内 | 公式は「減点1点につき1,000円」と記載。超過分のみかは公開説明だけでは確定できない |
| スズキ | 50点以内 | 50点を超えた部分を精算 |
| トヨタモビリティ東京・新車 | 150点以内 | 150点を超えた部分を1点1,000円 |
| 愛知トヨタ | 150点以内 | 150点を超えた部分を1点1,000円 |
| 日産 | 車種別10万・15万・20万円以内 | 精算可能上限まで別途精算 |
| スバル | 普通・小型10万円、軽5万円以内 | 超過した金額を精算 |
この表で重要なのは、数字の大小を比較することではありません。
100点のホンダより150点のトヨタのほうが傷に寛容、と単純比較するための数字ではないからです。
査定方法や対象項目、契約条件が同じとは限りません。
自分の車がどの基準に入るかを確認するための表として見てください。
100点なら「10万円まで修理していい」という意味でもない
もう一つ誤解しやすいのが、
1点=1,000円なら、100点=10万円
という考え方です。
精算時の換算で1点1,000円とする商品はありますが、それは「自分で10万円まで傷を付けても大丈夫」という意味ではありません。
何点になるかは査定で決まります。
またメーカーによっては、
事故による修復歴
違法改造
機能損傷
などを通常の内外装点数とは別に扱っています。
したがって、免責点数だけ見て「まだあと30点使える」という考え方はしないほうがよいでしょう。
事故修復歴は100点以内でも別扱いになる
ホンダでは違法改造や事故の修復歴があった場合、通常の内外装減点とは別に規定の精算金が発生します。
日産も残価保証条件として事故による修復歴がないことを別項目にしています。
スバルも、事故などによる修復歴や自動車の機能損傷を通常の内外装基準とは分けています。
つまり、
「事故を起こしたけれど査定は80点だから100点以内」
とは限りません。
内外装の免責基準と事故修復歴の条件は別に確認します。
違法改造も通常の減点とは分ける
社外部品を取り付けている車でも同じです。
残価保証では、違法改造などを通常の内外装減点と別条件にしているメーカーがあります。
スバルでは、純正部品以外の取り付けによる原状変更も引取条件に含まれています。
したがって、
「改造部分も減点に入れて100点以内ならよい」
と自己判断することはできません。
通常の傷やへこみの点数精算で処理できるものと、返却条件そのものから外れるものを分ける必要があります。
傷を直す前に査定点数を確認したほうがよい
返却が近づくと、
バンパーの傷
ホイールの傷
シートの汚れ
小さなへこみ
などを全部修理したくなるかもしれません。
しかし、まず現在の車両状態で何点になるのかを確認したほうがよいでしょう。
たとえばスズキで40点なら基準内です。
その状態で数万円かけて修理しても、返却時の追加精算額はもともと0円です。
逆に80点なら30点超過します。
そこで初めて、
超過精算額
と、
傷を修理して点数を減らす費用
を比較できます。
「傷があるから修理」ではなく、「直すことで精算額がどれだけ下がるか」を見ます。
査定前に自分で点数を予想しすぎない
インターネットには、
この大きさの傷なら○点
ホイール傷は○点
シート汚れは○点
といった情報があります。
しかし、自分の車の最終的な査定点数をネット情報だけで確定することはできません。
同じように見える傷でも、
大きさ
場所
修理方法
部品交換が必要か
車全体の状態
などによって査定は変わります。
満期が近いなら、返却販売店で事前に車を見てもらうほうが実際の負担額へ近づけます。
聞くべきなのは「何点?」だけではない
販売店へ車を見てもらうときは、
「何点ですか?」
だけでは不十分です。
確認したいのは、
今回の査定減点は何点・何円か
自分の契約の免責基準はいくつか
追加精算はいくらになる見込みか
事故・改造など別精算になる項目はあるか
です。
ホンダのように公式サイトだけでは超過時の計算方法を完全に読み切れない商品では、特に「この査定点数なら実際の支払額はいくらですか」と金額まで確認してください。
返却しないなら査定減点の意味も変わる
査定減点による追加精算が問題になるのは、主に残クレの最終回で車両返却や乗り換えを選ぶときです。
最終回の残価を支払って車を自分で買い取るのであれば、車を返却するための免責条件とは判断が変わります。
返却査定で大きな追加精算が出そうな場合は、
追加精算して返す
残価を支払って車を買い取る
現在の査定価格を確認して売却する
という選択肢の金額を比べる余地があります。
「点数が多いから必ず修理して返す」と決める必要はありません。
「何点から?」の答えは契約書にある
残クレ返却で追加精算が始まる点数は全国共通ではありません。
ホンダなら100点以内が基準。
スズキなら50点以内。
トヨタ系では販売会社によって異なり、150点以内とする例があります。
日産やスバルは金額による基準を使っています。
さらに、基準を超えたときの計算方法も同じではありません。
そのため返却前に確認する順番は、
自分の契約の免責基準
現在の査定点数・査定減価額
基準を超えた場合の実際の精算額
事故・改造など別精算項目
です。
「残クレは100点まで」と覚えるのではなく、「自分の契約では何点・何円までで、超えたらどの部分を払うのか」まで確認することが重要です。
地域・販売会社による違い
査定減点の免責基準や精算方法は、メーカー、金融会社、販売会社、車種、契約時期によって異なります。
特にトヨタ系では販売会社によって具体的な基準が異なることが確認できます。
また、この記事で示したのは2026年9月時点で公開されている条件です。
数年前に契約した残クレでは条件が異なる可能性があるため、最終的には契約時の「最終回支払いに関する特約」などを確認してください。
査定後の精算金が高かった場合の対応も確認します。
→ 返却の精算金が高いときは?
残価保証から外れるケースも確認しておきます。
→ 残価保証が外れたらどうなる?
出典
ホンダファイナンス|残価設定型クレジット(残クレ)の最終回支払方法で車両返却を選択した場合、お支払いの条件を教えて下さい
スズキ|中古車「かえるプラン」
トヨタモビリティ東京|いろいろな買い方
愛知トヨタ|残価設定型
日産自動車|残価設定型クレジット
日産フィナンシャルサービス|残価設定型クレジットとは
スバル|スバルの残価設定型クレジット
