残クレの満期が近づいたとき、「買った店が遠いから近所の同じメーカー店へ返したい」と考えることがあります。
ただし、残クレは同じメーカーの正規店ならどこへでも自由に返せるとは限りません。
基本として最初に確認するのは、車を購入し、残クレを契約した販売店・販売会社です。
そのうえで、引っ越しなどで購入店への返却が難しい場合に、別店舗へ引き継げるか確認します。
ホンダや日産のように、転居後は別の正規店で対応できると公式に案内しているメーカーもあります。
つまり「返却場所」はメーカー名だけでは決まらず、自分の契約先とメーカーの他店対応ルールで決まります。
まず契約書に書かれた販売店・販売会社を確認する
返却先を探す前に、残クレの契約書や最終回に関する案内を確認します。
見るのは、
購入した店舗名
販売会社名
クレジット会社名
です。
ここで販売会社名まで見るのがポイントです。
同じメーカーの看板を掲げていても、店舗によって運営する販売会社が異なることがあります。
そのため、
「トヨタ車だから近所のトヨタ店」
「ホンダ車だから近所のHonda Cars」
とメーカー名だけで判断しません。
契約上の返却手続きをどこが担当するのかを先に確認します。
トヨタは購入した販売店・販売会社が基本
トヨタの残価設定型プランでは、公式に「ご購入いただいた販売店に車両をご返却」とされています。
トヨタファイナンスのFAQでも、車両返却手続きは「契約いただいた販売店・販売会社」で受け付けると案内されています。
したがって、
購入した店舗とは違うが同じトヨタ販売会社の別店舗
という場合でも、その別店舗へ直接持ち込んでよいとは限りません。
まず契約販売会社へ連絡し、どの店舗へ返却するかを決めてもらうのが確実です。
まして別の販売会社が運営するトヨタ店へ、連絡なしで持ち込むことは避けたほうがよいでしょう。
ホンダは通常は購入店、引っ越しなら最寄りのHonda Carsでも対応
ホンダでは通常、購入販売店と日程を調整して車両を返却します。
公式FAQでは、返却期限についても「購入販売店と日程調整の上」と案内されています。
ただし、引っ越した場合には例外があります。
転勤や引っ越しで転居した場合、車検や点検だけでなく、契約終了時の車両返却、買い取り、再クレジットについても、最寄りのHonda Carsで対応できると公式に案内されています。
つまりホンダでは、
近所だから自由に別店へ返す
のではなく、
転居などで購入店を利用しにくくなったため、最寄りのHonda Carsへ引き継いでもらう
という考え方です。
引っ越した人は、いきなり車を持ち込むのではなく、返却前に最寄りのHonda Carsへ連絡して契約情報を確認してもらうとよいでしょう。
日産は引っ越し後も全国の日産店で対応
日産の残価設定型クレジットでは、公式Q&Aで引っ越しについて明確に回答しています。
転居しても「全国すべての日産のお店」で対応するとしています。
ただし、一部取り扱いのない店舗があります。
このため、日産では購入した地域から遠くへ転居した場合でも、購入店まで車を戻さなければならないとは限りません。
それでも、
近所の日産店を見つける
その店舗へ残価設定型クレジットの返却対応が可能か確認する
契約情報を確認してもらう
返却日を決める
という順番にしたほうが確実です。
スバルは「取扱SUBARU販売店」が引き取る
スバルでは、残価設定型クレジットの引取条件に、
「取扱SUBARU販売店が最終回支払金額でお引き取り」
と明記されています。
ここで重要なのは「全国どこのSUBARU店でも」とは書かれていないことです。
したがって、購入店以外のスバル販売店へ返したい場合は、取扱販売店またはスバルファイナンスへ確認してから動きます。
同じスバルの看板だからという理由だけで、別販売会社へ直接返却できるとは判断しません。
スズキも「取扱販売会社」が残価保証で引き取る
スズキの「かえるプラン」でも、車両状態が条件内なら「取扱販売会社」が最終回支払金額で車両を引き取る仕組みです。
つまり、スズキ車だから全国のスズキ店すべてが同じ返却窓口になるとは読み取れません。
購入店舗が遠い場合は、
契約した取扱販売会社の別店舗で対応できるか
別のスズキ販売会社へ引き継げるか
を先に確認します。
同じメーカーでも販売会社が違えば、契約上の残価保証手続きをそのまま処理できるとは限りません。
マツダでは「購入販売会社以外だと残価保証なし」の商品もある
「同じメーカーならどこでも大丈夫」と考えないほうがよいことが、マツダの中古車向け残価設定型クレジットでは特にはっきりしています。
中古車マツダスカイプランでは、購入した販売会社へ車を返すことを前提とし、購入販売会社以外へ返却した場合は残価保証されないと明記されています。
これは中古車向けマツダスカイプランの条件なので、すべてのマツダ残クレへそのまま当てはめることはできません。
ただし、
同じメーカーの正規店=同じ残価保証契約
ではないことを示す分かりやすい例です。
自分の契約でも返却先が指定されていないか、最終回特約を確認してください。
「同じ販売会社の別店舗」なら必ず返せるとも限らない
たとえばA店で車を買ったあと、同じ販売会社が運営するB店のほうが自宅から近くなったとします。
この場合、別会社のディーラーよりは手続きを引き継ぎやすい可能性があります。
しかし、
同じ販売会社だから予約なしでB店へ持っていけばよい
とは決めつけないほうがよいでしょう。
返却には、
契約内容の確認
車両査定
最終回の精算
所有権に関する処理
返却日の登録
などが関係します。
まず購入店または販売会社へ、
「同じ会社の○○店へ返却したい」
と伝え、返却店舗を指定してもらいます。
別メーカー店や買取店へ持っていくのは「返却」とは違う
ここは特に区別が必要です。
残クレの車を、
契約販売店へ返す
ことと、
中古車買取店へ売る
ことは同じではありません。
満期時に残価保証を使って車を返す場合は、契約上の販売会社が車を残価で引き取り、最終回支払いに充てる仕組みです。
一方、別の買取店へ売るなら、通常は残価保証を利用した返却ではありません。
残クレ車では、車検証上の所有者が販売店やクレジット会社になっていることがあります。
その場合、残債と残価を含めて契約を精算し、所有権を解除できる状態にしてから売却する必要があります。
「購入店まで遠いから近所の買取店へ返す」という置き換えはできません。
返却と売却は別の出口です。
他店のほうが査定が高い場合も「残価保証返却」とは別
満期時に購入店で査定してもらったところ、中古車買取店のほうが高い価格を提示することもあります。
この場合、
残価保証を使って契約販売会社へ返す
買取価格で売却し、残クレを精算する
のどちらを選ぶか比較することはできます。
ただし高い査定を出した買取店へそのまま車を渡せば、残クレの最終回も自動的に終了するわけではありません。
売却代金で最終回を含む必要額を精算できるのか、所有権解除をどのように行うのかを先に確認します。
返却場所の問題と、どこへ売ると高いかという問題は分けて考えます。
引っ越したら満期直前まで放置しない
購入店から遠方へ引っ越している人は、満期直前になってから返却場所を探すと手続きが詰まりやすくなります。
特にメーカーによって、
最寄り正規店へ引き継げる
契約販売会社での手続きが基本
購入販売会社以外では残価保証を利用できない商品がある
など扱いが違います。
最終回の案内が届いた段階で、
購入販売店
現在住んでいる地域
希望する返却店舗
を伝えて確認しておくとよいでしょう。
ホンダのように返却期間そのものが決められている商品もあります。
返却場所が決まらないまま期限を迎えないよう、早めに連絡します。
購入店が閉店・統合していたら販売会社か金融会社へ確認する
契約から3年、5年たつと、購入した店舗が閉店・移転・統合されていることもあります。
この場合、自分で同じメーカーの別店舗を返却先に決めるのではなく、まず販売会社へ確認します。
販売会社自体の状況が分からない場合は、契約書に記載されたクレジット会社へ連絡します。
どの店舗が契約を引き継いでいるかを確認してから返却します。
重要なのは、残価保証の手続きを扱う窓口を確定させることです。
返却場所を確認するときは「残クレの満期返却」と伝える
販売店へ問い合わせるときは、
「車を売りたい」
だけではなく、
「○年に○○店で残価設定型クレジットを契約していて、満期の車両返却を希望しています」
と伝えます。
さらに、
契約者名
車種
登録番号
購入販売店
満期時期
が分かると契約を確認しやすくなります。
そのうえで、
この店舗で返却手続きできるか
購入店への連絡が必要か
査定はどの店舗で受けるか
実際に車を持ち込む場所はどこか
を確認します。
「査定を受ける店」と「最終的に車を渡す場所」が必ず同じとも限らないため、持ち込み先まで確認しておくと安心です。
基本は購入先確認、例外として他店対応を確認する
残クレの返却場所に全国共通のルールはありません。
トヨタでは購入した販売店・契約販売会社での返却が明確に基本です。
ホンダも通常は購入販売店ですが、引っ越し後は最寄りのHonda Carsで対応できます。
日産では転居後も全国の日産店で対応するとしていますが、一部取り扱いのない店舗があります。
スバルやスズキでは取扱販売店・販売会社が引取主体です。
そのため、
「同じメーカーならどこでも返せる?」
への答えは、
メーカーと契約によって違う。まず購入販売店・販売会社を確認し、別店舗で返したい場合は事前に引き継ぎ可能か確認する
となります。
購入店が遠いからといって、先に近所の店へ車を持ち込む必要はありません。
まず電話などで契約を確認し、正式な返却先が決まってから車を持ち込みましょう。
地域・販売会社による違い
返却場所について、都道府県ごとの行政制度があるわけではありません。
違いが出るのは、メーカー、金融会社、販売会社、契約商品、契約時期です。
特にトヨタのように販売会社ごとに残価設定型プランの条件が異なるメーカーもあります。
現在のメーカーサイトだけでなく、自分が契約した際の最終回特約や契約書を優先してください。
出典
ホンダファイナンス|残価設定型クレジットの車両返却期限
ホンダファイナンス|残価設定型クレジットは途中で引っ越した場合でも継続できますか
トヨタファイナンス|残価設定型クレジットの車両返却の手続きについて
トヨタ自動車|選べる新車の支払いプラン
日産自動車|残価設定型クレジット
スバル|残価設定型クレジット 安心プロテクト3
スズキファイナンス|残価設定クレジット「かえるプラン」
マツダ|残価設定型クレジット 中古車マツダスカイプラン
一般社団法人日本自動車購入協会|ローンや残価設定型クレジット返済中の車を手放すことはできるの?
