残クレが満期になると、「返却する」「次の車へ乗り換える」「残価を払って買い取る」という選択肢が出てきます。
ただし、最初からこの3つを横並びで比べると判断しにくくなります。
先に決めるのは、今の車にこれからも乗りたいか、手放したいかです。
乗り続けたいなら買取を検討します。
手放すなら、残価保証を使って返した場合の金額と、現在の車の査定額を比べます。
そのうえで、車を持たなくなるなら返却、次の車を買うなら乗り換えへ進むと整理しやすくなります。
「乗り換え」は今の車の精算方法とは限らない
残クレでは「返却・乗り換え・買取」の3択と説明されることがあります。
しかし、現在の車だけを見ると、返却と乗り換えの処理が同じ場合があります。
たとえば、今の車を残価保証の条件に沿って返却し、そのまま契約を終えれば「返却」です。
同じように今の車を返却し、その販売店で次の車を購入すれば「乗り換え」になります。
つまり違うのは、その後に新しい車を買うかどうかです。
現在の車については、どちらも残価保証を使った返却になっていることがあります。
このため「次の車が欲しいから乗り換えを選ぶ」と決める前に、今の車を残価で返すのが本当に適しているかを確認します。
最初に「残価」と「現在の査定額」を比べる
満期前に確認したい金額は、契約書に書かれている最終回支払額だけではありません。
現在の車を査定した場合にいくらになるかも確認します。
ここでは分かりやすく、最終回支払額である残価が150万円だったとします。
現在の査定額が120万円なら、車の市場価値は残価より30万円低い状態です。
反対に査定額が180万円なら、残価より30万円高く評価されていることになります。
同じ残クレ満期でも、この違いで判断は大きく変わります。
査定額が残価より低いなら残価保証を使う意味が大きい
残価150万円に対して、現在の査定額が120万円だったとします。
返却条件を満たしていて、150万円の残価が保証される契約なら、中古車相場が120万円まで下がっていても、その値下がり分を自分で負担せずに済む可能性があります。
これが残価保証を使う大きな意味です。
この状態で「査定額が低いから自分で買い取って売ったほうがいい」と考えると、逆になることがあります。
残価150万円を支払って車を買い取り、120万円で売れば、単純計算では30万円足りません。
今の車へ特に乗り続けたい理由がなく、返却条件も満たしているなら、残価保証を使った返却をまず比較対象にします。
次の車を買う場合も同じです。
現在の車を残価保証で返却したうえで次の車を購入できるなら、「査定相場が残価より低い」というリスクを残価保証で切り離せる可能性があります。
査定額が残価より高いならそのまま返す前に確認する
反対に、残価150万円に対して査定額が180万円だったらどうでしょうか。
この場合、そのまま150万円相当で返却すると、30万円分高く評価されている車の価値を生かせない可能性があります。
メーカーや販売会社によっては、残価を超えた査定分を次の車の頭金として使える場合があります。
また、最終回支払額を精算してから車を売却する方法が取れる場合もあります。
ただし、残クレでは車の所有者が販売会社や金融会社になっていることがあるため、自分の判断だけでそのまま他社へ売却できるとは限りません。
「査定額が残価より高い」と分かったら、
残価保証を使って返却した場合
今の販売店で下取りして乗り換えた場合
最終回を精算してから売却した場合
の金額を確認します。
査定額が高い車ほど、「満期だからそのまま返す」と決める前の比較が重要です。
返却条件を外れているなら残価と査定額だけでは決められない
査定額が残価より低いからといって、必ず返却がよいわけではありません。
残価保証には条件があります。
走行距離が契約基準を超えている、内外装の傷やへこみが基準を超えている、事故による修復歴がある、違法改造などがある場合は、追加精算が発生したり、残価保証の扱いが変わったりすることがあります。
たとえば、
残価 150万円
現在の査定額 140万円
返却時の追加精算 25万円
だったとします。
単に「査定額140万円は残価150万円より低いから返却」とは決められません。
返却すれば25万円の追加負担になる一方、残価を精算したうえで140万円で売却できるなら、単純な車両価格差は10万円です。
実際には所有権解除などの手続きや売却条件もあるため、この数字だけで最終判断はできませんが、少なくとも「返却の追加精算額」と「買い取り後に売った場合の差額」を比較する必要があります。
返却を選びやすいのはどんな状態か
今の車を今後使わず、次の車もまだ決めていないなら、返却は分かりやすい選択です。
特に、
残価保証条件を満たしている
市場の査定額が残価以下
返却時の追加精算がない、または小さい
という状態なら、残価保証をそのまま利用する意味があります。
中古車相場が下落していても、契約時に設定した残価で返却できることが残クレの特徴だからです。
ただし、査定額を確認せずに返却すると、実際には残価以上の価値が付いていたことに気付かないまま車を手放す可能性があります。
返却を決める前でも、一度現在の査定額を把握しておく意味はあります。
乗り換えを選ぶ前に今の車と次の車を分けて考える
次の車へ乗り換える予定でも、「残クレの乗り換えプランだからそのままお願いする」と一括で考えないほうが分かりやすくなります。
現在の車については、
残価で返却するのか
査定額で下取りするのか
残価を精算して別の方法で売るのか
を確認します。
その後に、新しい車をどの方法で買うかを考えます。
現在の車の精算と、新しい車の購入は分けて比較したほうが、数字が見えやすくなります。
たとえば新しい残クレの「月々○万円」だけを見ると、現在の車の高い査定額がどこへ充当されたのか分かりにくくなることがあります。
見積書では、
現在の車の査定額
現在の残価または残債の精算額
現在の車から次の車へ充当される金額
次の車の車両価格
次の車の頭金
を分けて確認します。
今の車に乗り続けたいなら買取を検討する
車を気に入っていて、これからも乗り続けたいなら、残価を支払って買い取る方法があります。
一括で最終回支払額を払う方法のほか、商品によっては残価部分を再び分割する再クレジットを選べます。
再クレジットには審査があります。
また、「月々いくらになるか」だけでなく、残価をすべて払い終えるまでの総支払額を確認します。
ここでも現在の車の市場価格を見る意味があります。
残価150万円に対して同程度の中古車が200万円で取引されているなら、150万円で自分の車を残すことには価格面で意味があるかもしれません。
反対に現在の査定額が100万円程度しかなく、残価が150万円なら、50万円高い金額を支払って車を手元に残すことになります。
もちろん、自分が乗ってきた履歴の分かる車をそのまま所有したいという判断もあります。
その場合でも、「現在いくらの車を、最終回いくらで買うのか」を知ったうえで決めたほうが判断しやすくなります。
走行距離や傷が多いから必ず買取とは限らない
返却時の追加精算が心配だから、「距離を超えたら買い取るしかない」と考える必要もありません。
返却条件を超えた場合にいくら精算が必要なのかを先に確認します。
追加精算が数万円なら、残価を全額支払って買い取るより返却したほうが負担が小さい場合があります。
反対に精算額が大きく、現在の市場査定も高いなら、買い取りや下取りを含めて比較する意味が出てきます。
「走行距離を超えた」「傷がある」という事実だけで選択を決めるのではなく、実際の精算額を出してから比較します。
買取後すぐ売るなら先に手順を確認する
「残価より市場価格が高いなら、一度買い取ってすぐ売ればよい」と考えることもできます。
ただし、残クレでは所有者が自分以外になっていることがあります。
最終回を精算すれば自動的にその日のうちに自由に売却できるとは限りません。
所有権解除や売却代金による精算など、手続きは金融会社、販売会社、買取店によって異なります。
そのため満期前に、
最終回支払額はいくらか
他社への売却が可能か
誰が残価を精算するのか
所有権解除を誰が行うのか
を確認しておきます。
査定額だけを比較して、手続きができない状態で返却期限を迎えないようにします。
再クレジットは「今の車をもう一度買うローン」と考える
買取を希望していて残価を一括で用意できない場合、再クレジットを利用できる商品があります。
ここで注意したいのは、最初の残クレがそのまま延長されるわけではないことです。
再クレジットには別途審査があり、契約条件も確認する必要があります。
たとえば残価150万円を再クレジットにするなら、「150万円の車をこれから分割で買う」と考えると判断しやすくなります。
現在の車の相場が150万円前後なのか、それとも100万円まで下がっているのかでも意味は違います。
月々の支払額だけを下げるのではなく、再クレジット終了までの支払総額を確認します。
満期前に確認する金額は4つ
残クレ満期が近づいたら、販売店で一つの見積もりだけを取って終わらせないほうが判断しやすくなります。
確認したいのは、
- 最終回支払額である残価
- 残価保証で返却した場合の追加精算見込み
- 現在の車の査定額
- 買取で再クレジットを使う場合の支払総額
です。
次の車へ乗り換えるなら、さらに現在の車から次の車へ実際にいくら充当されるのかを確認します。
この数字がそろえば、営業担当者から「返却がおすすめです」「乗り換えがお得です」と説明されても、自分で比較できます。
判断は4つのケースに分けると分かりやすい
残価保証条件を満たしていて、査定額が残価より低い。
この場合は、返却によって残価保証を利用する方法をまず比較します。
残価保証条件を満たしていて、査定額が残価より高い。
この場合は、そのまま返却する前に、下取りや買取後売却で残価を超えた価値を生かせないか確認します。
返却条件を外れていて追加精算が発生する。
この場合は、返却時の精算額と、買い取り・売却した場合の差額を比較します。
今の車へこれからも乗りたい。
この場合は、残価を一括または再クレジットで支払う方法を検討し、現在の市場価値と今後の維持費も含めて判断します。
この4つに分けると、「返却・乗り換え・買取のどれがお得か」という答えの出ない比較から抜け出せます。
最終回の直前まで決めずに待たない
満期の選択には期限があります。
たとえばトヨタ販売店で契約したトヨタファイナンスの残価設定型クレジットでは、原則として最終回支払日の2か月前までに申し込みが必要です。
ホンダも最終回の支払方法を決める期限を最終回の2か月前としています。
期限はメーカー、金融会社、販売会社、契約内容によって異なります。
そのため、満期案内が届いたら「まだ数か月ある」と置いておかず、残価、返却精算見込み、査定額を確認します。
査定額は時期によって変わるため、最終判断時には改めて金額を確認します。
地域よりメーカー・契約ごとの差が大きい
残クレ満期の返却・乗り換え・買取について、都道府県によって異なる行政制度があるわけではありません。
一方、残価保証の条件、走行距離、傷・事故歴の扱い、最終回の選択期限、再クレジットの条件などはメーカーや金融会社、販売会社、契約した商品によって違います。
同じ「残クレ」という名前でも、他メーカーの条件をそのまま自分の契約へ当てはめることはできません。
最終的には、自分の契約書と残価保証条件を確認します。
まとめ
残クレ満期では、「返却・乗り換え・買取」の3つから先に選ぶ必要はありません。
まず今の車を残したいか、手放したいかを決めます。
手放すなら、残価保証で返却した場合の精算額と現在の査定額を比較します。
査定額が残価より低く、返却条件を満たしているなら、残価保証を使う意味があります。
査定額が残価より高いなら、そのまま返却せず、下取りや買い取り後の売却で差額を生かせるか確認します。
返却条件を外れているなら、追加精算額を出してから買取と比較します。
そして今の車に乗り続けたいなら、残価を払って買い取り、必要なら再クレジットの支払総額を確認します。
残クレ満期で最初に聞くべきなのは、「どのプランがおすすめですか」ではありません。
「返却した場合はいくら、今売った場合はいくら、買い取るなら最終的にいくら払うのか」です。
この3つの金額が分かれば、自分の場合の選択肢を比べられるようになります。
返却を考えているなら、返却条件も確認します。
→ 残クレの返却条件を確認する
売却・乗り換えを考えているなら、買取店との比較へ進みます。
→ ディーラー返却と買取店売却、どっち?
出典
トヨタ自動車|残価設定型プランに関するFAQ
トヨタファイナンス|残価設定型クレジット最終回のお手続き
ホンダファイナンス|残価設定型クレジット(残クレ)
ホンダファイナンス|残価設定型クレジット(残クレ)の最終回の支払方法について教えてください
ホンダファイナンス|残価設定型クレジット(残クレ)の最終回の支払方法はいつまでに決めればいいですか
ホンダファイナンス|車両返却を選択した場合のお支払い条件
日産フィナンシャルサービス|残価設定型クレジットとは
スバルファイナンス|SUBARU残価設定型クレジット 安心プロテクト3 よくあるご質問
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