残クレで別メーカーへ乗り換えたい|購入店へ返却しなくてもいい?

残クレを利用していても、次の車を別メーカーから選ぶことはできます。

ただし、「別メーカーへ乗り換えられる」ことと、「今の車を購入店へ返さなくてもよい」ことは別です。

今の残クレを終わらせる方法は、大きく分けると、

満期に残価保証を使って車を返却する

または、

残債を精算して車を他社へ売却する

の2つです。

残価保証を使う返却なら、元の残クレ契約で指定された販売店などへ返却します。

一方、残債を完済して売却する方法なら、新しく購入するメーカーの販売店や買取店へ今の車を売れる場合があります。

別メーカーへ乗り換えるからといって、必ずどちらか一方になるわけではありません。

別メーカーの車を買っても問題ない

たとえば現在はトヨタ車の残クレに乗っていて、次はホンダ車にしたいとします。

今の残クレ契約があること自体は、次の車をホンダから買うことを禁止するものではありません。

考えるべきなのは、

今のトヨタ車をどう処理するか

次のホンダ車をどう購入するか

の2つです。

この2つを一緒に考えると、

「トヨタへ返却するなら次もトヨタでなければならないのでは?」

と迷いやすくなります。

しかし、今の残クレを「車両返却」で終了させ、その後に別メーカーの車を購入する方法もあります。

残価保証を使うなら元の契約先へ返却する

満期になり、残価保証を使って最終回の支払いを車両返却で精算したい場合は、元の契約条件に従います。

トヨタの残価設定型プランでは、残価保証を使って最終回の支払いを不要にする条件として、購入した販売店への車両返却を明記しています。

ホンダも、最終回に車両を返却して精算する場合は、購入したホンダ販売店で車両チェックと返却日の相談をするよう案内しています。

つまり、

今度は別メーカーを買うから、新しいメーカーの販売店へ今の車をそのまま渡せば残価保証で終わる

とは限りません。

残価保証は元の残クレ契約に付いている仕組みだからです。

「返却して終了」なら次の車を同じ店で買う必要はない場合がある

ここで分けたいのが、

返却して今の残クレを終了する

ことと、

同じ販売店で次の車へ乗り換える

ことです。

たとえばトヨタの残価設定型プランでも、

同じ販売店で新しい車へ乗り換える

車を返却する

車を買い取る

という選択肢が分かれています。

したがって、元の販売店へ車を返却して残クレを終了し、次の車は別メーカーで購入するという形も考えられます。

「返却先」と「次の車の購入先」は必ずしも同じである必要はありません。

ただし、実際の返却先や手続き方法はメーカー・金融会社・契約によって異なるため、契約先へ確認します。

購入店へ車を戻したくないなら「返却」ではなく「売却」を考える

今の車を新しく購入するメーカーへそのまま下取りに出したい場合は、考え方が変わります。

この場合は残価保証による「返却」ではなく、現在の残クレを精算したうえでの「売却」です。

まず金融会社などに、

現在の一括精算額

を確認します。

次に、新しいメーカーの販売店で現在の車を査定してもらいます。

たとえば、

現在の一括精算額 180万円

新しいメーカーの下取り額 210万円

なら、下取り額で残債を精算しても30万円残ります。

対応できる販売店であれば、残債精算と所有権解除に必要な手続きを進めたうえで、車を下取りしてもらえる場合があります。

この場合、車そのものを元の購入店へ返却する必要はありません。

ただし、所有権解除に必要な書類を元の販売会社から出してもらうなど、元の販売店・金融会社が手続きに関係することはあります。

下取り額より残債が多いなら不足分が必要

反対に、

一括精算額 220万円

新しいメーカーの下取り額 180万円

なら40万円不足します。

車検証の所有者が元の販売会社などになっている場合、通常はローンを完済しなければ売却に必要な所有権解除ができません。

そのため、不足する40万円を用意して残債を完済する必要があります。

次の車のローンへ不足分をまとめられるような提案を受ける場合もありますが、全国共通で必ず利用できる仕組みではありません。

新しいローンの商品内容や審査によって変わります。

車検証の「所有者」を確認する

別メーカーへ下取りに出したいなら、現在の車検証情報も確認します。

残クレなど販売店系のクレジットでは、

所有者 販売会社など

使用者 自分

となっていることがあります。

これを「所有権留保」といいます。

車を使用しているのは自分でも、完済するまでは自由に名義変更して第三者へ売却できない状態です。

そのため、新しいメーカーの販売店へ、

「残クレが残っていますが下取りできますか」

と伝えます。

残債照会、残債精算、所有権解除まで扱える販売店・買取店なら、その流れを含めて案内してもらえる場合があります。

購入店へ返却する方が有利な場合もある

別メーカーへ乗り換えるからといって、最初から他社下取りだけに決めないほうがよいケースがあります。

特に、

設定残価 200万円

他社の査定額 170万円

だった場合です。

車が残価保証条件を満たしており、元の販売店への返却によって200万円相当の最終回を精算できるなら、市場査定170万円で売却するより返却が有利になる可能性があります。

この場合は、

今の車は元の販売店へ返却

次の車は別メーカーから購入

という分け方ができます。

別メーカーへ行くからといって、残価保証まで捨てる必要はありません。

他社下取りの方が有利な場合もある

反対に、

設定残価 180万円

他社の査定額 220万円

だったとします。

この場合、単純に残価保証で返却すると、220万円という現在の市場価値を十分に生かせない可能性があります。

そこで、

現在の一括精算額

他メーカーの下取り額

買取店の査定額

を確認します。

一括精算額が190万円で他社査定が220万円なら、精算後に30万円残る計算です。

この30万円を次の車の購入資金に回せる可能性があります。

残価保証は市場価値が下がったときに有効ですが、市場価値が高い車では売却価格も比較する意味があります。

「残価」と「現在の残債」を混同しない

他メーカーへ下取りに出すときに注意したいのが、契約書に記載された「残価」です。

たとえば設定残価が180万円でも、満期前なら現在の一括精算額が180万円とは限りません。

まだ通常月の支払いも残っているからです。

満期前に別メーカーへ乗り換えるなら、

設定残価

ではなく、

現在の正式な一括精算額

を金融会社へ確認します。

新しい販売店の査定額と比べるのも、この一括精算額です。

満期前なら「返却」と「途中売却」で金額を比較する

満期が近いなら、元の販売店に2つ確認すると判断しやすくなります。

1つは、

満期まで乗って残価保証で返却した場合、いくら精算が必要か。

もう1つは、

今すぐ残クレを一括精算した場合、いくら必要か。

さらに新しいメーカーの販売店で下取り査定を取ります。

たとえば、

満期返却 追加精算0円

現在の一括精算額 205万円

他社下取り 180万円

なら、25万円を追加して途中売却するより、満期まで乗って返却する方が手出しを抑えられる可能性があります。

反対に、

一括精算額 205万円

他社下取り 235万円

なら、途中売却も比較対象になります。

新しいメーカーの販売店へ先に相談してもいい

別メーカーへの乗り換えを決めているなら、新しく車を買う販売店にも今の残クレについて伝えて構いません。

伝える内容は、

残クレ契約中であること

満期時期

車検証上の所有者

現在分かっている残債

です。

販売店によっては残債照会から所有権解除まで含めた下取り手続きを扱えます。

ただし、販売店から提示された概算残債だけで売却を決めず、最終的には契約している金融会社の正式な精算額を確認します。

購入店へ一度も連絡せず終えられるとは限らない

「他メーカーへ売るなら、今の購入店とはもう連絡を取らなくてもよい」

とも言い切れません。

車検証上の所有者が販売会社なら、所有権解除書類をその販売会社が発行する場合があります。

つまり、

車そのものは新しいメーカーへ下取り

残債は下取り代金などで完済

所有権解除書類は元の販売会社から取得

という形もあります。

「どこへ車を持っていくか」と「誰が書類を出すか」は別です。

別メーカーへ乗り換えるなら3つの金額を出す

判断するときは、

元の残クレを返却で終了した場合の精算額

現在の正式な一括精算額

新しいメーカーまたは買取店の査定額

を並べます。

返却精算が0円で査定額が残債より低ければ、今の車は元の販売店へ返却し、次の車だけ別メーカーで購入する方法が候補になります。

査定額が残債より高ければ、残債を精算して新しいメーカーへ下取りに出す方法も候補になります。

別メーカーへ乗り換えるときに決めるべきなのは、

「購入店へ返却するかどうか」

だけではありません。

残価保証を使うのか、それとも現在の市場価格で売るのか

です。

ここが決まれば、今の車をどこへ渡すべきかも決まります。

地域・契約による違い

別メーカーへの乗り換えについて、地域ごとに異なる行政制度があるわけではありません。

一方で、車両返却先、残価保証条件、所有権解除の方法、途中一括精算の手続きは、メーカー、金融会社、販売会社、契約内容によって異なります。

トヨタでは残価保証を使う返却先として購入販売店が明記されています。

ホンダも原則として購入したホンダ販売店で最終回の返却手続きを案内していますが、転居した場合などには全国のホンダ販売店で最終回手続きができる仕組みがあります。

「残クレなら購入店へ必ず返す」「別メーカーならどこへでも自由に渡せる」と一律には考えず、自分の契約条件を確認してください。

次に読む記事


別メーカーへ乗り換えるなら、買取店への売却も比較します。
→ ディーラー返却と買取店売却、どっち?

出典

ホンダファイナンス|残価設定型クレジット・バリュー保証プランの最終回支払方法について

ホンダ|残価設定型クレジット(残クレ)

トヨタ自動車|残価設定型プラン

トヨタファイナンス|所有権留保とはなんですか?

トヨタファイナンス|一括返済後、車両買い取り店に「所有権解除承諾書」は発行されますか?

日産|残価設定型クレジット

スズキファイナンス|残価設定クレジットとリース何が違う?

スバル|残価設定型クレジット よくあるご質問

一般社団法人日本自動車購入協会|ローン返済中の車を売却することはできますか

三菱UFJ銀行|残価設定ローンとは?マイカーローンとの違いや仕組み