残クレ返却でタイヤは純正じゃないとダメ?|社外品や冬タイヤはどうなる?

残クレの返却が近づいたとき、タイヤを途中で交換していると、

「新車のときと同じ純正タイヤに戻さないと返せない?」

と心配になることがあります。

主要メーカーの公開されている残価保証条件を確認した範囲では、新車装着時と同じメーカー・同じ銘柄のタイヤでなければ返却できない、という全国共通の条件は確認できません。

タイヤは使用中に摩耗し、パンクなどで交換することもある部品です。

ただし、タイヤだけを交換した場合と、ホイールまで社外品へ変更した場合では話が違います。

返却前は「純正タイヤか」だけではなく、タイヤのサイズや状態、ホイール、車両が契約時の状態から大きく変更されていないかを確認します。

「純正タイヤ」と「純正ホイール」は分けて考える

まず言葉を分けて考えたほうが分かりやすくなります。

新車には、自動車メーカーが選定したタイヤメーカーのタイヤが装着されています。

しかしタイヤは摩耗するため、使用中にブリヂストンから別メーカーへ替えるなど、新車時とは違う製品へ交換することがあります。

これに対してホイールは車両の装備品として扱われます。

そのため、

純正ホイールに別メーカーのタイヤを装着している

のと、

純正ホイールそのものを外して社外ホイールへ替えている

のでは、返却時の意味が違います。

特に残価保証では違法改造や原状変更を条件にしているメーカーがあります。

「社外品だから全部ダメ」と考えるのではなく、タイヤとホイールを別々に確認してください。

タイヤの銘柄が新車時と違うだけなら直ちに返却不可とは確認できない

今回確認したホンダ、トヨタ、日産、スズキなどの公開されている残価保証条件には、

「新車装着時と同一銘柄のタイヤであること」

という全国共通条件は確認できませんでした。

返却条件として示されているのは、主に、

走行距離
内外装の状態
事故による修復歴
違法改造
車両全体の査定状態

などです。

したがって、途中でタイヤが摩耗して別メーカー品へ交換したことだけで、

「もう残価保証で返せない」

と決めつける必要はありません。

ただし、自分の契約書や販売会社独自の返却条件が優先されます。

返却前に販売店へ現在のタイヤで問題ないか確認してください。

同じサイズなら何でもよいとも限らない

新車時とは違うタイヤでもよい可能性があるからといって、適当なタイヤを付ければよいわけではありません。

タイヤには、

幅
扁平率
ホイール径
荷重指数

などの仕様があります。

荷重指数とは、そのタイヤが支えられる重さを示す数字です。

ブリヂストンでは、新車装着タイヤと商品やブランドが変わっても、タイヤサイズや荷重指数が同じ場合の交換例を公式に案内しています。

逆にサイズを変えている場合は、タイヤ販売店への相談を案内しています。

残クレ返却でも、別メーカー品だから問題というより、車に適合しないサイズや仕様へ変更していることのほうが確認事項になります。

インチアップしているならタイヤだけの問題ではない

新車時が17インチだったのに、社外ホイールへ交換して18インチにしている。

この場合は、「社外タイヤを履いている」というだけではありません。

ホイールとタイヤサイズを含めて車両を変更しています。

スバルでは残価保証の引取条件として、「スバル純正部品以外の取付による自動車の原状変更」がないことを明記しています。

ほかのメーカーでも違法改造を残価保証条件から除外しています。

そのため、サイズ変更や社外ホイールを装着しているなら、

返却時に純正へ戻す必要があるか

を必ず販売店へ確認してください。

純正ホイールを保管しているなら、売ったり処分したりせず返却まで残しておいたほうが判断しやすくなります。

冬タイヤのまま返せるかは契約先に確認する

返却時期が冬なら、スタッドレスタイヤを装着していることがあります。

冬タイヤそのものは自動車に通常装着するタイヤであり、ブリヂストンも純正装着サイズと同じサイズ・荷重指数の冬タイヤへの交換例を公式に示しています。

したがって、

「スタッドレスだから違法改造になる」

ということではありません。

ただし、残クレでそのまま返却できるかは別です。

返却販売店が夏タイヤも含めて引き取るのか、純正ホイールへ戻す必要があるのかなどは、契約・販売会社によって確認が必要です。

冬タイヤを外すためにお金を払う前に、

「今はスタッドレスタイヤですが、このまま返却できますか?」

と販売店に確認してください。

冬タイヤ+社外ホイールならホイール側を確認する

冬用としてタイヤとホイールをセット購入する人も多いでしょう。

たとえば、

夏 純正ホイール+夏タイヤ
冬 社外ホイール+スタッドレスタイヤ

という使い方です。

この場合、返却時に問題になりやすいのはスタッドレスタイヤそのものより、社外ホイールを装着した状態で返してよいかです。

純正ホイール一式を保管しているなら、販売店から純正へ戻すよう求められても対応できます。

反対に純正ホイールをすでに売却していると、新たに用意する必要が出る可能性があります。

社外ホイールを使う予定がある残クレ車なら、純正ホイールは返却まで保管しておくほうが無難です。

新車時の夏タイヤを5年間保管しておく必要があるとは確認できない

「返却時に新車時のタイヤへ戻さなければならないなら、5年間ずっと最初の夏タイヤを保管しないといけないのか?」

という疑問も出ます。

今回確認した主要メーカーの公開された残価保証条件では、新車時に装着されていた同一のタイヤを契約満了まで保管するよう求める全国共通条件は確認できませんでした。

タイヤは走れば摩耗しますし、途中でパンクして交換することもあります。

むしろ返却時には、現在装着しているタイヤが安全に使用できる状態か、車両へ適合しているか、車全体の査定が契約基準内かを見る必要があります。

ただし、自分の販売会社が独自条件を定めている可能性はあるため、処分前に確認してください。

タイヤの溝が減っているなら「純正か」より状態を見る

返却時には、タイヤメーカーの名前だけでなくタイヤ自体の状態も重要です。

日本自動車タイヤ協会によると、乗用車用タイヤは残り溝1.6mm未満になると使用できません。

スリップサインが現れているタイヤは使用限度です。

つまり、新車時と同じ銘柄の純正装着タイヤだったとしても、溝がなく安全に使用できない状態なら「純正だから問題ない」とはいえません。

反対に別メーカー品でも、適合するサイズで正常な状態なら、少なくとも「別メーカーだから法律上使用できない」ということではありません。

残クレ上の具体的な査定額は販売店に確認してください。

夏タイヤと冬タイヤの両方があるなら査定前に伝える

現在は冬タイヤを装着しているが、自宅には純正ホイール付きの夏タイヤも残っている。

この場合、何も言わず冬タイヤだけで査定を受けるより、

「純正ホイールと夏タイヤも保管しています」

と伝えたほうがよいでしょう。

JPUCも車の売却時には、取り外した純正パーツやタイヤを準備し、スタッドレスタイヤを装着している場合はどのタイヤを引き渡すのか事前に確認するよう案内しています。

残クレ返却でも考え方は同じです。

どのセットを装着して返すのか、どのセットを一緒に渡すのかを返却先と決めます。

純正タイヤを新品で買い直してから返すのは先走らない

返却前に現在のタイヤが社外品だと気付き、

「念のため新車時と同じタイヤを4本買おう」

と考える必要はありません。

タイヤ4本を交換すれば、車種によっては大きな費用になります。

ところが、そのまま返しても残価保証条件内なら、交換費用がそのまま余計な出費になります。

返却直前なら、

現在のタイヤで返却可能か
夏タイヤへ戻す必要があるか
純正ホイールが必要か
現在のタイヤ状態による査定減点があるか

を販売店へ先に確認します。

その回答を受けて初めて交換費用をかけるか判断すれば十分です。

社外タイヤと社外ホイールを一緒にしない

返却前の確認を整理すると、判断しやすくなります。

新車時とは別メーカーのタイヤだが、純正ホイールでサイズも同等。

この場合は、タイヤ銘柄だけを理由に新車時のタイヤへ戻す必要があるとは、今回確認した公開条件からは言えません。

純正ホイールを外して社外ホイールへ交換している。

こちらは車両の原状変更に関係するため、純正へ戻す必要がないか確認します。

スタッドレスタイヤを履いている。

冬タイヤそのものが問題というより、どのホイールとの組み合わせか、夏タイヤも一緒に返す必要があるかを確認します。

インチアップや特殊なサイズへ変更している。

タイヤだけでなく車両全体の適合・原状変更として確認が必要です。

同じ「純正じゃない」でも、この4つは別の話です。

返却前はタイヤを買う前に販売店へ聞く

残クレ返却でタイヤが新車時と違っていても、すぐに純正装着タイヤへ買い直す必要があるとは限りません。

最初に、

現在のタイヤメーカーとサイズ
現在のホイールが純正か社外品か
純正ホイール・夏タイヤを保管しているか
現在が夏タイヤか冬タイヤか

を整理します。

そのうえで返却販売店へ、

「この状態で返却できますか。戻す必要があるものは何ですか?」

と確認します。

必要と言われたものだけ戻せば、不要なタイヤ交換を避けられます。

残クレ返却では「純正タイヤかどうか」だけで判断せず、「タイヤの適合と状態」「ホイール」「契約時からの原状変更」を分けて確認することが重要です。

地域・販売会社による違い

残価保証条件は、メーカー、金融会社、販売会社、契約時期によって異なります。

トヨタの残価設定型プランでは、残価や走行距離などの条件が販売店によって異なることも公式に案内されています。

タイヤ・ホイールの具体的な返却方法についても、全国一律の公開基準がない部分があります。

現在のウェブサイトだけではなく、自分が契約した際の最終回特約と返却先販売店の判断を優先してください。

出典

ホンダファイナンス|残価設定型クレジット(残クレ)の車両返却条件

日産自動車|残価設定型クレジット

スバル|スバルの残価設定型クレジット

スズキファイナンス|残価設定クレジット「かえるプラン」

トヨタ自動車|残価設定型プラン

愛知トヨタ|残価設定型

一般社団法人日本自動車購入協会|安心して車を売却するために 車と必要書類を引き渡す

一般社団法人日本自動車タイヤ協会|タイヤのおはなし 乗用車用タイヤ編

ブリヂストン|タイヤを交換したが、適正空気圧はいくらに設定すればいいの?