残クレ返却で内装の汚れやシミ|クリーニングしてから返す?

残クレで車を返却する前に、シートの飲みこぼしやフロアの汚れを見つけると、「業者にクリーニングしてから返したほうがいい?」と迷います。

結論からいうと、最初から高額な車内クリーニングへ出す必要はありません。

まず自分で落とせる汚れを掃除し、それでも残るシミについて、販売店に「この状態で返した場合の査定・精算見込み」を確認します。

その金額よりクリーニング代のほうが安く、清掃によって査定状態が改善すると確認できた場合にクリーニングを検討するのが順番です。

内装に汚れがあってもすぐ追加料金になるとは限らない

残クレの返却では、内装に汚れが一つあっただけで追加料金が発生するとは限りません。

メーカーや契約によって、内外装の傷や汚れについて一定の免責範囲があります。

たとえばホンダでは、返却時の内外装に関する査定減点が100点以内なら残価保証の条件内です。

100点を超えた場合に、超過した1点につき1,000円を負担します。

スズキでは、走行距離を除いた査定減点50点、5万円相当以内が基準です。

スバルでは、内外装の損傷による査定減価額が普通・小型乗用車10万円以内、軽乗用車5万円以内なら引取条件内です。

つまりシートに小さなシミがあっても、それを含めた車両全体の評価が免責範囲内なら、返却前に有料クリーニングをしても追加負担が変わらない可能性があります。

まず自分で落とせる汚れだけ掃除する

返却前には、通常の車内清掃で落とせるものから対応します。

たとえば、

車内のゴミ
フロアの砂や泥
シート上の食べかす
ドリンクホルダーなどの汚れ
簡単に拭き取れる表面汚れ

です。

掃除機や通常の拭き掃除で取れるものまで残したまま査定してもらう必要はありません。

一方、強くこすったり特殊な薬剤を使ったりしなければ取れない状態なら、自分で無理に処置するより販売店に見てもらうほうがよいでしょう。

返却前の目的は「新車のように戻すこと」ではありません。

契約上の精算額を増やす状態が残っているかを確認することです。

シートのシミは「あるか」より「査定でいくらになるか」

コーヒーやジュースをこぼしてシートにシミが残っている場合、気になるのは大きさです。

しかし、残クレではシミの大きさだけを見て自分で追加料金を確定することはできません。

ホンダなら日本自動車査定協会の基準による車両全体の減点、スバルなら内外装の査定減価額という形で判断されます。

日産では、内外装損傷の免責額自体が車種によって異なります。

つまり、

「このシミなら1万円」

とネットの情報だけで判断するのではなく、

「このシミを含めて、返却時の精算はいくらになる見込みか」

を販売店に確認したほうが正確です。

日産は車種によって内外装の免責額が違う

日産の残価設定型クレジットでは、内外装の損傷について車種別の免責基準があります。

現在の条件では、大きく分けて10万円、15万円、20万円以内です。

さらに免責額を超えても、車種別に定められた精算可能上限までは追加精算して返却できます。

そのため日産車でも、

「シートにシミがあるからクリーニング必須」

とは言えません。

車両全体の査定結果が免責基準内なら、そのシミを消すためにお金をかけても返却時の負担額が変わらない可能性があります。

業者クリーニングをしても必ず査定上きれいになるとは限らない

業者へ依頼すれば、掃除機や拭き掃除では落ちない汚れまで改善できることがあります。

しかし、クリーニングしたという事実だけで査定上の減点がなくなるわけではありません。

トヨタ認定中古車では、専門的な車内洗浄を実施して販売していますが、実際の車両状態表示には、クリーニング実施後でも「シート汚れあり」などと記載されている車があります。

つまり、素材まで染み込んだシミや変色は、清掃しても完全には消えない場合があります。

返却のためだけに業者へ依頼するなら、

クリーニング代

と、

クリーニング後に査定がどこまで改善する見込みか

を確認してから決めたほうがよいでしょう。

「クリーニング代」と「超過精算額」を比べる

返却前の判断は、数字にすると分かりやすくなります。

たとえば車両全体を査定してもらい、内外装について契約上の免責を2万円超える見込みだったとします。

このうちシートのシミを業者で清掃すれば基準内になる可能性があり、クリーニング代が8,000円なら、清掃する意味があります。

反対に、そのまま返した場合の超過精算が5,000円なのに、クリーニングが2万円なら、返却のためだけならそのまま精算したほうが安くなります。

比べるのは、

「汚れているか、きれいか」

ではありません。

「直す費用と、直さない場合の精算額」です。

他にも傷があるならシミだけ直しても意味がない場合がある

残クレの内外装査定では、シートのシミだけを単独で見るとは限りません。

たとえば、

シートのシミ
ドア内張りの傷
ホイールの傷
バンパーの擦り傷

などが同時にあれば、合計の査定減点や査定減価額が基準を超える可能性があります。

シートクリーニングに1万円かけても、ほかの傷によって結局同じ精算額になるのであれば、返却費用を減らす効果が小さいことがあります。

返却前は一か所ずつ直すのではなく、販売店に車全体を見てもらってから、どこを直すと精算額が変わるのかを確認してください。

シミと破れ・焦げは同じではない

内装の問題でも、清掃で対応できるものとできないものがあります。

飲み物や泥による汚れなら、クリーニングによって改善する可能性があります。

一方、

シートの破れ
タバコなどによる焦げ穴
内張りの大きな傷
部品そのものの破損

は、汚れを落とすクリーニングでは元に戻りません。

中古車の車両状態評価でも、内装は「軽い汚れや使用感」と「部品交換を必要とする傷み」を分けて評価しています。

この状態ならクリーニング業者へ出す前に、販売店へ修理・交換が必要な損傷として扱われるか確認します。

タバコやペットの臭いも「見えない汚れ」として確認する

内装は目に見えるシミだけではありません。

タバコやペットなどの臭いが残っている場合も、中古車の車両状態を判断する要素になります。

表面を拭くだけでは臭いが残る場合があるため、シートのシミが取れたから内装状態に問題がないとは限りません。

特に強い臭いがある車では、

簡単な消臭で改善する状態なのか

専門的な車内清掃が必要なのか

査定上どの程度影響するのか

を販売店へ確認してから費用をかけたほうがよいでしょう。

高額なクリーニングは事前査定のあとに決める

満期まであと少しなら、最も避けたいのは、査定前に数万円かけて車内を徹底クリーニングしてしまうことです。

もし現状でも契約の免責範囲内なら、その費用をかけなくても追加精算なしで返せた可能性があります。

逆に免責をかなり超えていて、シートをきれいにすれば精算額が大きく下がるのであれば、クリーニングを検討する価値があります。

そのため販売店には、

「クリーニングしたほうがいいですか?」

だけではなく、

「この状態のまま返却すると、内外装の精算はいくらになりそうですか?」

と聞くのがポイントです。

その数字を取ってからクリーニング費と比べます。

自分で落とせるものは査定前に落としておく

高額な業者クリーニングを先に頼む必要はありませんが、だからといって汚れたまま持っていく必要もありません。

ゴミを捨てる。

掃除機をかける。

簡単に拭き取れる汚れを落とす。

フロアマットを清掃する。

この程度の通常清掃をしたうえで、残ったシミや汚れを査定してもらえば、「本当に問題になる汚れ」が分かりやすくなります。

それでも残るものだけを、業者へ依頼するか検討すれば十分です。

返却前は「掃除→査定→必要ならクリーニング」の順番

残クレ返却で内装の汚れやシミを見つけても、最初から業者クリーニングへ出す必要はありません。

まず自分で落とせる汚れを清掃します。

その状態で販売店に見てもらい、車両全体で契約上の免責基準を超えるか確認します。

基準内なら、そのまま返却できる可能性があります。

基準を超えるなら、

そのまま返した場合の超過精算額

と、

クリーニングして基準内へ戻すための費用

を比べます。

そして、破れ・焦げ・強い臭いなどクリーニングだけでは解決しにくい状態なら、修理や精算を含めて販売店へ確認します。

「汚れているからクリーニング」ではなく、「清掃すると返却時の支払額が本当に下がるか」で判断する。

これが残クレ返却前の内装清掃で見るべき境界です。

地域・販売会社による違い

残価保証の免責基準や査定方法は、メーカー、金融会社、販売会社、契約時期によって異なります。

トヨタ系のように販売会社ごとに返却条件が設定されている例もあります。

また、現在のメーカーサイトの条件と、自分が数年前に契約した条件が一致するとは限りません。

最終的には自分の契約書・最終回特約と、返却を受ける販売会社の実際の査定を基準にしてください。

出典

ホンダファイナンス|残価設定型クレジットの車両返却時の支払い条件

日産自動車|残価設定型クレジット・残価保証の条件

スバル|スバルの残価設定型クレジット・自動車の引き取り条件

スズキファイナンス|車両お引取りの条件と注意事項

愛知トヨタ|残価設定型

トヨタ自動車|トヨタ認定中古車 車両検査証明書

トヨタ自動車|中古車購入ガイド・内装の汚れやニオイ

自動車公正取引協議会|中古車の車両状態評価監修制度