残価設定型クレジット(残クレ)の満期で、「残価の全部を再ローンにするのではなく、一部を現金で払い、残りだけ分割したい」と考える人もいるでしょう。
ただし、残価の一部を「頭金」として入れられるとは限りません。
実際、ホンダと日産は、満期時に組む再クレジットには頭金を入れられないと明記しています。
一方で、ホンダの一部契約では、いったん再クレジットを組んだ後に「一部繰上返済」ができます。
つまり確認するのは、「頭金を入れられるか」だけではありません。
「再クレジット時に残価の一部を先払いできるか」と「再クレジット開始後に一部繰上返済できるか」を分けて確認する必要があります。
残価150万円のうち50万円だけ先に払えるとは限らない
たとえば、残クレ最終回の残価が150万円あるとします。
手元に50万円あるので、
50万円を現金で支払う
残り100万円だけ再ローンにする
という形にしたい人もいるでしょう。
通常のローンを組む感覚なら自然に見えます。
しかし、メーカーの再クレジットでは、このように自由に頭金を設定できるとは限りません。
ホンダの残価設定型クレジットでは、再クレジットに頭金を入れることはできません。
日産の残価設定型クレジットも同じです。
したがって少なくともこの2社では、残価150万円に対して50万円を先払いし、100万円だけを再クレジットするという組み方はできません。
乗り続けるなら、残価を一括で支払うか、残価を再クレジットするという選択になります。
「頭金」と「一部繰上返済」は別の手続き
ここは混同しやすいところです。
頭金とは、ローン契約を結ぶ時点で現金を入れ、最初から借りる金額を減らす方法です。
一部繰上返済とは、ローン契約が始まった後で、通常の支払いとは別にまとまった金額を前倒しで返す方法です。
たとえば残価150万円で再クレジットを組む場合、
「50万円を頭金にして100万円だけ借りる」
のと、
「150万円で再クレジットを組み、開始後に一部を前倒しで返す」
のは違う手続きです。
この違いを理解していないと、販売店で「頭金は入れられません」と言われた時点で、手元の現金を使う方法がまったくないと思ってしまいます。
実際には、契約先によっては再クレジット開始後の一部繰上返済という方法があります。
ホンダは頭金不可でも再クレジット後に一部繰上返済できる場合がある
ホンダは、残クレの再クレジット契約時には頭金を入れられません。
しかし、元の契約がホンダ四輪新車クレジットだった場合、再クレジット契約にも元の約款が引き継がれるため、再クレジット開始後に一部繰上返済を利用できます。
一部繰上返済をすると、その後の月々の支払額を減らすか、返済期間を短くできます。
ただし、再クレジットを申し込むときに先払いするわけではありません。
ホンダの一部繰上返済は、初回の口座引き落とし後、入金が確認されてから利用できます。
また、すべてのホンダのクレジットが対象ではありません。
ホンダ四輪新車クレジットが対象で、バリュー保証プランなど対象外となる契約があります。
したがってホンダの場合は、
「再クレジットに頭金を入れたい」
ではなく、
「自分の再クレジットは、開始後に一部繰上返済できる契約か」
を確認した方が目的に近づきます。
日産は頭金も途中の一部繰上返済もできない
日産の残価設定型クレジットでは、再クレジットに頭金を入れることはできません。
さらに日産フィナンシャルサービスでは、オートクレジットについて一部だけの繰上返済もできないとしています。
途中で早く返す場合は、残っている金額をまとめて一括精算する方法になります。
つまり日産では、
「満期時に50万円を入れて再ローン額を減らす」
という方法も、
「いったん再クレジットして、後から50万円だけ返す」
という方法も使えません。
手元に現金があっても、その金額だけ再クレジット元金を減らせるとは限らないということです。
トヨタは自分の契約条件を確認する
トヨタでは、残クレ満期時に車を買い上げる場合、一括精算だけでなく再クレジットを選択できます。
ただし、再クレジットが利用できるかどうかや条件については、契約した販売店・販売会社へ確認する仕組みです。
トヨタファイナンスでは、自動車クレジットの一部繰上返済についても、契約内容によって利用可否が異なるとしています。
契約者向けサイト「MY TS CUBIC」に「支払プラン変更」が表示される契約であれば手続きできますが、すべての契約が対象ではありません。
そのため、
「トヨタなら残価の一部を頭金にできる」
「トヨタなら再クレジット後に必ず一部繰上返済できる」
とは決めつけられません。
販売店へ「再クレジットの借入額を残価より少なくできますか」「契約後の一部繰上返済はできますか」と分けて確認します。
スバルやスズキも再分割できることと頭金を入れられることは別
スバルでは、残価を一括で支払うほか、最長60回まで再分割して乗り続けることができます。
スズキの「かえるプラン」でも、満期時に残価を再分割できます。
しかし、「再分割できる」という説明だけを見て、「好きな金額を先に払い、残った分だけ再ローンにできる」と解釈してはいけません。
再分割の元金をどのように設定できるかは、契約条件を別に確認する必要があります。
再ローンの有無と、頭金の可否は同じ条件ではないからです。
手元のお金を入れたい理由によって確認する方法が変わる
なぜ残価の一部を先に払いたいのかによって、確認すべき内容も変わります。
目的が「再ローンの月額を下げたい」なら、
頭金を入れられるか
再クレジット後に一部繰上返済できるか
返済回数を長くできるか
を確認します。
目的が「利息をできるだけ減らしたい」なら、月額だけではなく支払総額を見る必要があります。
再クレジットする元金を減らせなくても、契約後すぐに一部繰上返済できる商品であれば、その後の分割払い手数料を減らせる可能性があります。
反対に一部繰上返済もできない契約なら、まとまった現金を使うには一括精算まで待つ必要がある場合があります。
「現金が50万円ある」という事実より、「その50万円を何のために使いたいのか」から確認方法を決めた方が分かりやすくなります。
再ローン額を減らせると思って審査額を自己判断しない
残価が150万円あり、50万円を用意できる場合、
「100万円だけローン審査を受ければいい」
と考えたくなります。
しかしホンダや日産のように再クレジットへ頭金を入れられない商品では、再クレジットする金額はその考え方になりません。
再クレジットには別途審査があります。
そのため「頭金を入れれば借入額が減るから審査にも通りやすいだろう」と、自分で前提を作らない方がよいでしょう。
まず再クレジットで頭金を設定できる契約なのかを確認します。
別のマイカーローンを使う場合も確認が必要
メーカーの再クレジットで頭金を入れられない場合、銀行など別のマイカーローンで残価を精算する方法を検討する人もいます。
この場合も、「自己資金50万円+銀行ローン100万円」という組み方が利用できるかは、借りる金融機関の商品条件によります。
残クレの最終回支払いに利用できるのか、必要な金額だけ借りられるのか、販売店やクレジット会社へ直接振り込むのかなど、手続き方法も確認が必要です。
メーカー再クレジットで頭金を入れられないことと、ほかの金融機関から必要額だけ借りられないことは同じではありません。
再クレジット以外も比較するなら、金利だけでなく、借入可能額と精算方法まで確認します。
満期前に販売店へ2つに分けて聞く
残価の一部を現金で払い、残りだけ分割したい場合は、販売店へ一つの質問だけするより、二つに分けて確認した方が確実です。
まず、
「残価の一部を先に支払い、残りだけ再クレジットできますか」
と確認します。
できない場合は、
「残価全額で再クレジットした後、一部繰上返済できますか」
と確認します。
この2つは別の手続きです。
さらに一部繰上返済ができるなら、
月々の支払額が下がるのか
返済期間が短くなるのか
いつから手続きできるのか
も確認します。
ここまで確認すれば、手元の現金をどう使えるのかが分かります。
まとめ
残クレ満期で再ローンを組むとき、残価の一部を頭金として先に払えるとは限りません。
ホンダと日産は、再クレジットに頭金を入れられないことを公式に明記しています。
ただしホンダでは、元契約が対象となる四輪新車クレジットなら、再クレジット開始後に一部繰上返済を利用できます。
一方、日産は途中の一部繰上返済もできず、早く返す場合は全額精算です。
つまり、
「再ローン契約時に50万円を入れられるか」
と、
「再ローンを組んだ後で50万円を前倒し返済できるか」
は別の問題です。
手元のお金を使って再ローン負担を減らしたい場合は、まず自分の契約について「頭金」と「一部繰上返済」の両方を分けて確認してください。
出典
ホンダファイナンス|残価設定型クレジット(残クレ)の再クレジットの条件を教えてください。
ホンダファイナンス|残価設定型クレジット契約終了後の再クレジット契約で一部繰上返済は利用可能ですか?
ホンダファイナンス|「一部繰上返済」とは、どのような仕組みか教えてください。
日産フィナンシャルサービス|残価設定型クレジット 再クレジットの条件を教えてください。
日産フィナンシャルサービス|早期一括精算する際の手続き方法を教えてほしい。
トヨタファイナンス|残価設定型クレジットを再クレジットしたいです。できますか?
