残クレ中に病気で運転できない|途中解約・売却はできる?

残クレの途中で病気になり、今後車を運転できなくなった場合でも、車を手放すことはできます。

ただし、「病気だから車を返せば残りの支払いがなくなる」とは限りません。

最初に確認するのは、自分の残クレに病気やけがを対象とした途中解約特約が付いているかです。

特約がなければ、通常は残価を含む現在の残債を基準に精算します。

販売店へ途中返却する方法と、買取店へ売却する方法があるため、それぞれで最終的に自分がいくら払う・受け取ることになるのかを比べます。

病気になっただけで残クレが自動解約されるわけではない

残クレは、一定期間クレジットを支払い、満期に返却・買い取りなどを選ぶ契約です。

契約者が病気になって運転しなくなったからといって、通常の残クレ契約が自動的に終了するわけではありません。

また、車を販売店へ持っていけば、それだけで残りの支払いがなくなるとも限りません。

まず契約書や販売店で、

「病気による途中解約時の残債免除特約がありますか」

と確認します。

ここで特約があるかどうかによって、その後の判断が大きく変わります。

病気対応の途中解約特約がある契約なら先に確認する

一部の残価設定型クレジットには、病気やけがで運転できなくなった場合に利用できる特約があります。

たとえばスズキの「安心60プラン」では、契約期間中に所定の病気やけがによって契約者が運転困難になった場合、車を返却することで残りのクレジット支払いが不要になる途中解約特約があります。

ただし、「病気になった」というだけで自動適用されるものではありません。

対象となる病気・状態や必要書類などの条件があります。

スズキでは、病気やけがの結果、

・障害者手帳が交付される障がいを負った
・公的介護保険制度による要介護認定を受けた
・医師から全治見込み90日以上と診断された

などの条件が示されています。

慢性疾患でも自動車の運転に支障がない場合などは対象外です。

さらに、車両状態によっては走行距離や査定減点について精算金が必要になる場合があります。

「病気=無料で返却」ではなく、自分が特約の適用条件に該当するかを確認します。

トヨタにも病気・けがを対象とするシニア向け特約がある

トヨタファイナンスにも、残価設定型クレジットを利用するシニア向けの商品として、病気・けがなどで運転できなくなった場合に車を返却して契約を終了できる「シニア向け安心特約」があります。

ただし、すべてのトヨタの残クレ契約に自動的に付いているわけではありません。

販売店や契約商品によって扱いが異なります。

そのため、自分が通常の残価設定型クレジットなのか、途中解約に対応した特約付き契約なのかを最初に確認します。

同じシニア向け商品でも「病気」の扱いは同じではない

特約付き残クレでも、メーカーによって対象条件は違います。

たとえば日産の「ほっとプラス」は、運転能力の低下などによる免許の自主返納・取消し・停止などを対象とした残債免除特約です。

病気になったこと自体を理由として、そのまま残債が免除される商品とは条件が異なります。

病気によって運転できなくなった場合でも、

「病気なら特約対象」

と考えるのではなく、自分の契約の免除事由を確認する必要があります。

特約がなければ「通常の途中解約」として精算する

病気を対象とする特約が付いていなければ、通常の残クレとして車を手放します。

このとき大きく分けると、

販売店へ途中返却する

または、

残債を精算して買取業者へ売却する

という方法があります。

ただし、満期での返却とは扱いが違う点に注意してください。

途中返却では契約時の残価保証がそのまま使えるとは限らない

残クレでは、満期に一定の条件を満たして車を返却すれば、契約時に設定された残価で精算できる商品があります。

しかし、その残価保証は契約満了を前提としている場合があります。

途中で車を返却する場合は、販売店がその時点の車を査定し、現在の査定額と残価を含む残債を比較して精算する方法があります。

たとえば、

残価を含む残債:180万円
途中返却時の査定額:150万円

なら、単純な差額は30万円です。

実際の精算額は契約条件や手数料などによって変わりますが、「車を返したから残債180万円が全部なくなる」とは限りません。

途中返却を検討するときは、販売店へ、

「今日の時点で返却すると、最終的な精算金はいくらになりますか」

と確認します。

メーカーによって途中返却の扱いが違う

途中返却を全国共通の仕組みとして考えない方がよいでしょう。

日産フィナンシャルサービスでは、残価設定型クレジットを契約途中で一括精算することはできますが、その時点で最終回支払額を「車の返却」で支払うことはできないと明記しています。

つまり、満期で使える「返却」という選択肢を、そのまま途中解約時にも使えるとは限りません。

販売店へ車を手放したい場合でも、

途中返却として精算するのか
販売店に下取り・買い取りしてもらって早期完済するのか

など、処理方法を確認する必要があります。

売却するなら残価を含む一括精算額を確認する

販売店への途中返却とは別に、買取業者へ売却する方法があります。

ただし、残クレ中の車は販売店や信販会社が車検証上の所有者になっていることが多く、自分の判断だけで売却することはできません。

まず残価を含めた現在の一括精算額を確認します。

ホンダ、トヨタ、日産、スバル、スズキ、マツダはいずれも、契約途中で残債を一括返済する仕組みを用意しています。

ここで見る数字は、契約書にある「残価」だけではありません。

残っている月々の支払いと最終回残価などを含めた、現在の正確な早期一括精算額を確認します。

売却できるかは「査定額-一括精算額」で判断する

一括精算額が分かったら、買取業者で査定します。

たとえば、

一括精算額:180万円
買取査定額:200万円

なら、売却代金でクレジットを精算した後に20万円が残る可能性があります。

反対に、

一括精算額:180万円
買取査定額:150万円

なら、30万円が不足します。

不足分を別に用意しなければ所有権を解除できず、売却を完了できないのが一般的です。

病気で運転できなくなった場合でも、売却価格が残債を上回るかどうかによって現金負担が大きく変わります。

買取店が残債精算と所有権解除を代行できる場合もある

売却するからといって、先に自分で残クレを完済し、自分名義へ変更してから買取店へ行かなければならないとは限りません。

買取業者によっては、契約者の同意を得てクレジット会社へ一括精算額を確認し、売却代金から残債を精算して所有権解除まで手続きを代行できます。

ホンダファイナンスも、車買取会社向けに契約者の同意を得て早期一括返済額を確認できる仕組みを設けています。

病気で自分自身が販売店や運輸支局を何度も回ることが難しい場合は、

「残クレの精算と所有権解除をまとめて代行できますか」

と査定先へ確認する方法があります。

ただし、売買契約を結ぶ前に正確な一括精算額を確認しておくことが重要です。

残債を知らずに先に売買契約しない

残クレ途中の売却で注意したいのが、残債を概算だけで考えることです。

「月々3万円があと20回だから60万円くらい残っている」

という計算では足りません。

残クレには最終回に据え置かれた残価があります。

そのため、画面に表示された通常の支払残高や残りの月数だけを見ていると、実際の一括精算額より少なく見えることがあります。

まずクレジット会社や販売店から正式な一括精算額を取り、そのあと査定額と比較します。

買取契約後に「残価を計算に入れていなかった」と分かっても、売買契約を簡単に取り消せるとは限りません。

病気で一時的に運転できないなら急いで解約する必要があるとは限らない

病気で現在は運転できなくても、残クレ契約そのものを直ちに終了しなければならないとは限りません。

治療後に再び運転する予定がある、家族が引き続き車を使用するなど、車を残す選択肢もあります。

ただし、実際に主に運転する人が変わる場合は任意保険の条件を確認する必要があります。

「今は乗れない」のか、「今後この車を使わない」のかで判断は変わります。

今後使わないのであれば、毎月の残クレ支払い、自動車税、任意保険、駐車場代などを払いながら満期を待つ場合と、今手放す場合を比べます。

病気で支払い自体が難しくなった場合は放置しない

病気によって収入が減り、車に乗れないだけでなく月々の残クレ支払いも難しくなる場合があります。

この場合、車に乗っていないからといって支払いを止めることはできません。

返済を止める前に、契約した販売店やクレジット会社へ連絡して、現在の一括精算額と手放す方法を確認します。

病気対応の特約が付いていれば、その利用条件も同時に確認してください。

特約がなければ、途中返却時の精算額と売却時の不足額を比べます。

自分の場合は3つの金額を出せば判断しやすい

病気で車を手放す場合、最初から「返却か売却か」を決める必要はありません。

まず3つの金額を出します。

1つ目は、現在の早期一括精算額です。

2つ目は、販売店へ途中で車を手放した場合の最終的な精算額です。

3つ目は、買取業者の査定額です。

病気対応の特約が付いている場合は、その特約を使った場合に必要な精算金も加えます。

この数字がそろえば、

特約を使って返却する
販売店へ途中返却する
買取業者へ売却する
契約を継続して満期まで待つ

のどれが現実的なのかを判断できます。

まとめ

残クレ中に病気で運転できなくなっても、途中で車を手放すことはできます。

ただし、病気だから無条件で残クレを解約でき、残りの支払いもなくなるわけではありません。

最初に確認するのは、病気・けがなどを対象とした途中解約特約の有無です。

特約が付いていれば、その適用条件を確認します。

通常の残クレなら、次に現在の早期一括精算額を確認してください。

販売店への途中返却では「残債-査定額」、買取業者への売却では「査定額-一括精算額」を確認すると、自分が追加で払うのか、差額が残るのかが見えてきます。

販売店には、

「病気で今後運転できないため車を手放したいです。病気による途中解約特約はありますか。なければ、今日返却する場合の精算額と早期一括返済額を教えてください」

と確認すると、次の判断に必要な数字をそろえられます。

出典

一般社団法人日本自動車購入協会|ローンや残価設定型クレジット返済中の車を手放すことはできるの?

一般社団法人日本自動車購入協会|残価設定型クレジットの返済中に契約者である夫が亡くなった。車を手放したいと考えていますが、残債はどうなるのでしょうか。

ホンダファイナンス|一部繰上返済・早期一括返済について

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トヨタファイナンス|一括返済(早期完済)する場合の金額・方法を教えてください

日産フィナンシャルサービス|残価設定型クレジット 契約途中でクレジット残金をまとめて精算できますか

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