残価設定型クレジット(残クレ)の最終回で残価を再ローンにした場合、元の残クレは満期を迎えていても、車を自由に家族名義へ変更できるとは限りません。
ホンダと日産では、残クレから再クレジットへ移る場合について、再クレジットを完済するまで車両の名義変更はできないと公式に案内しています。
つまり、「5年の残クレが終わったから所有権を家族へ移し、残価だけ自分が再ローンで払う」という形にはできない商品があります。
満期時点で妻・夫・親・子などへ車を移したいなら、再ローンを組んでから考えるのではなく、再ローン契約前に販売店へ相談することが重要です。
再ローンを組むと「完済した車」にはならない
残クレの最終回には、残価と呼ばれる大きな支払額が残っています。
その残価を一括で払えば、クレジット代金を完済する方向へ進めます。
一方、再ローンを選ぶ場合は、残価を新しい分割払いで支払います。
たとえば残価が150万円あり、それを再クレジットで24回に分けるなら、150万円を完済したことにはなりません。
再クレジットの支払いが続きます。
そのため、
「元の5年契約は終了した」
ことと、
「車の代金をすべて完済した」
ことは分けて考えます。
家族名義へ変更したい場合は、後者の完済が重要になります。
ホンダと日産は再ローン完済前の名義変更を不可としている
再ローンと名義変更の関係について、ホンダは公式FAQで直接回答しています。
残クレの最終回を再クレジットにして、その契約時に車両名義を変更したい場合について、「完済されるまでは車両の名義の変更はできません」としています。
日産も同様です。
残価設定型クレジットの最終回を再クレジットにする際の車両名義変更について、完済までは所有者名義の変更はできないと案内しています。
つまり少なくともこの2社では、
残クレ満期
↓
残価を再ローン
↓
同時に妻や子を所有者に変更
という流れにはできません。
家族を所有者にしたいなら、再ローン完済後に名義変更するか、再ローンを組む前に別の精算方法を検討します。
「家族名義」が何を意味するのか先に分ける
名義変更という言葉には、少なくとも3つの意味があります。
| 変えたいもの | 内容 |
|---|---|
| 所有者 | 車そのものの所有権を持つ人 |
| 使用者 | 車検証上で車を使用・管理する人 |
| 再ローン契約者 | 残価の再ローンを返済する人 |
たとえば、
「車そのものを妻へ譲りたい」
なら所有者変更の問題です。
「自分が支払い続けるが、今後は子どもが使うので車検証も子どもにしたい」
なら使用者変更です。
「残価の再ローンそのものを夫から妻へ変更したい」
ならクレジット契約者変更です。
この3つは同じ手続きではありません。
所有者を家族へ変えたいなら再ローン完済が基本
車検証上の所有者が販売店・信販会社になっている場合、再ローン中も自分だけの判断で所有者を家族へ変更することはできません。
所有権留保とは、クレジットの代金をすべて支払い終えるまで、販売店や信販会社が車の所有権を担保として持っている仕組みです。
再ローンに残高があるなら、その担保となっている車だけ先に家族へ譲ることはできない商品があります。
そのため家族を所有者にしたい場合は、
再ローンを完済
↓
所有権解除
↓
家族への名義変更
という順番が基本になります。
実際の所有権解除手続きは、車検証上の所有者が販売店なのか信販会社なのかによって異なります。
使用者だけ家族へ変える場合も自由とは限らない
「所有者は販売店のままでよいので、車検証の使用者だけ妻や子へ変更したい」という場合もあります。
これも再ローン中なら自由にできるとは限りません。
ホンダでは、クレジット契約中の使用者を、契約外の人へ変更することはできません。
公式案内では「家族」も変更できない第三者に含まれています。
つまり、
「同居している妻だから大丈夫」
「自分の子どもだから第三者ではない」
とは考えません。
家族関係ではなく、その人がクレジット契約上どの立場なのかが重要です。
日産は連帯保証人なら使用者変更の余地がある
使用者変更の条件はメーカーによって同じではありません。
日産では、クレジット契約中の車検証上の使用者変更を「クレジット契約者または連帯保証人」に限っています。
たとえば妻へ使用者を変更したい場合でも、
妻が契約とは無関係の家族
なのか、
妻が現在の契約の連帯保証人
なのかで扱いが変わります。
したがって「家族へ使用者変更できるか」を確認するときは、家族関係だけでなく、現在の残クレ・再クレジット契約でその人が連帯保証人になっているかも確認します。
再ローンそのものを家族名義へ変更する話は別
「再ローンは自分名義で申し込んだが、今後は妻に払ってもらいたいので契約も妻名義にしたい」というケースがあります。
これは車検証の名義変更ではありません。
クレジット契約者そのものを変更する話です。
少なくともトヨタファイナンスでは、自動車クレジットの契約者変更や連帯保証人の解除・変更はできないと明記されています。
家族が毎月のお金を出すようになったとしても、それだけでクレジット契約上の返済義務が家族へ移るわけではありません。
「車もローンも全部妻へ渡す」という変更を考えているなら、単なる車検証の名義変更では解決しないことを理解しておく必要があります。
満期時点で家族名義にしたいなら再ローン契約前に相談する
今回の検索意図で最も重要なのはここです。
まだ元の残クレが満期を迎える前で、
「残価は再ローンにしようと思っている。でも同時に車は子ども名義へ変えたい」
と考えているなら、先に再ローンを契約しない方が状況を整理しやすくなります。
再ローンへ移れば、再びクレジット残高がある状態になります。
ホンダ・日産のように完済まで車両名義を変更できない商品では、そこからさらに再ローン完済まで待つことになります。
販売店には再ローンの申込み前に、
「満期後は車を家族へ譲りたい」
と伝えてください。
そして、
残価を一括精算した場合はいくらか
完済後に家族へ直接名義変更できるか
一度自分名義への所有権解除が必要か
を確認します。
具体的な登録方法は、車検証上の現在の所有者と販売会社の手続きによって異なります。
一括で残価を払えるなら選択肢が変わる
残クレ満期の残価を一括で精算できる場合は、再ローンを組む場合とは状況が変わります。
完済すれば、所有権留保を解除するための手続きへ進めます。
その後、家族への譲渡・名義変更を検討できます。
たとえば、
残価120万円
手元資金で120万円を精算
所有権解除
家族へ譲渡
という方法です。
一方、
残価120万円
自分名義で再ローン
残高あり
なら、再ローン完済まで名義変更できない商品があります。
「月々払えるか」だけでなく、「今すぐ家族へ所有権を移したいか」も、一括か再ローンかを決める条件になります。
再ローン中でも早期一括返済できる場合がある
すでに再ローンを契約してしまった後に家族名義へ変えたくなる場合もあります。
その場合は、再クレジットを最後まで月々払うしかないとは限りません。
契約先によっては途中で早期一括返済ができます。
ホンダでは、元契約が対象となる四輪新車クレジットなら、再クレジットでも元契約の約款が引き継がれ、一部繰上返済を利用できる契約があります。
完全に家族へ名義変更することが目的なら、「一部返済」ではなく、再クレジット残高を全額精算した場合の金額を確認します。
全額完済できれば、次に所有権解除の手続きを確認します。
一部だけ返して再ローン残高が残る状態では、名義変更できるとは限りません。
家族へ譲るためだけに再ローン契約者を変えようとしない
家族へ車を渡したいとき、
「自分の再ローンを妻名義へ変更すれば、車も妻名義になるのでは」
と考えるかもしれません。
しかし、クレジット契約者変更と車両の所有者変更は別です。
さらに契約者変更そのものを認めていないクレジット会社もあります。
そのため、目的が「車を完全に家族へ譲ること」なら、
再ローン契約者をどう変更するか
から考えるのではなく、
現在の再ローンをどう完済するか
現在の所有者は誰か
完済後にどう家族へ譲渡するか
という順番で考えた方が分かりやすくなります。
家族が乗るだけなら、名義変更そのものが必要かも確認する
「家族名義にしたい」と考えた理由が、
子どもが毎日乗るようになった
妻が通勤に使うようになった
高齢の親へ車を貸したい
という事情なら、車そのものを譲渡したいのかを一度整理します。
家族が運転することと、所有者・再ローン契約者を家族へ移すことは別です。
残クレ・再クレジットの契約上、使用者変更ができない場合は販売店へ対応を確認します。
また実際に運転する人が変わるなら、自動車保険の運転者範囲や年齢条件などが合っているかも別途確認が必要です。
名義変更できないから家族が一切運転できない、という意味ではありません。
離婚で元配偶者へ渡したい場合も再ローン残高を確認する
離婚を機に、
「車は妻が使うので妻名義にしたい」
という場合もあります。
夫婦間で車を妻のものにすると決めても、再ローン会社との契約まで自動的に妻へ移るわけではありません。
車検証上の所有者が販売店・信販会社なら、その所有権も残っています。
そのため、
再ローン残高を誰が精算するか
完済後に車をどう譲渡するか
をクレジット会社・販売店へ確認します。
離婚時の財産分与と、自動車クレジット上の名義変更は別の手続きとして考えます。
自分の場合はこの順番で確認する
まず、まだ再ローンを申し込んでいないのか、すでに再ローン契約中なのかを確認します。
次に、家族へ変更したいものを明確にします。
所有者なのか、使用者なのか、再ローン契約者なのかです。
所有者を家族へ変えたい場合は、
「再ローンを組んだまま名義変更できますか」
ではなく、
「家族へ所有権を移したいので、完済するにはいくら必要ですか」
と確認した方が話が明確になります。
使用者だけ家族へ変えたいなら、
「家族は現在の契約の連帯保証人ですが、使用者変更できますか」
または、
「契約とは無関係の家族へ使用者変更できますか」
と確認します。
まだ再ローン前なら、家族への名義変更を希望していることを先に販売店へ伝え、一括精算を含めた方法を確認してください。
まとめ
残クレ満期で再ローンを組んだからといって、車を自由に家族名義へ変更できるようになるわけではありません。
ホンダと日産では、再クレジットを完済するまで車両の名義変更はできないと公式に案内しています。
つまり、元の残クレが満期になっていても、再ローン残高があれば「完済前」です。
所有者を家族へ変えたいなら、再ローン完済後に所有権解除して名義変更するのが基本です。
使用者だけ変更する場合も、ホンダでは家族を含む契約外の第三者への変更不可、日産では契約者・連帯保証人に限定されるなど条件が違います。
さらに再ローン契約者そのものを家族へ変更できるとは限りません。
満期時点で家族へ車を譲ることが決まっているなら、
「とりあえず自分名義で再ローンを組んで、後から名義を変える」
と考える前に、残価の一括精算と所有権解除の方法を販売店へ確認してください。
出典
ホンダファイナンス|残価設定型クレジットの最終回支払方法を再クレジットにする場合、再クレジットを契約する際に車両の名義を変更したいのですができますか?
ホンダファイナンス|車検証の使用者を第三者に変更したい。
ホンダファイナンス|残価設定型クレジットの再クレジットの条件を教えてください。
ホンダファイナンス|残価設定型クレジット終了後の再クレジット契約で一部繰上返済は利用可能ですか?
日産フィナンシャルサービス|残価設定型クレジットの再クレジット契約時に車両の名義を変更できますか?
日産フィナンシャルサービス|車検証上の使用者の住所・氏名の変更について
トヨタファイナンス|所有権留保とはなんですか?
トヨタファイナンス|契約者の変更
三菱自動車ファイナンス|よくあるご質問(クレジット)
