残クレ中の車を家族名義に変えたい|残債があっても変更できる?

残価設定型クレジット(残クレ)の支払い途中で、車を妻・夫・親・子などの家族名義へ変更したい場合、まず「何の名義を変えたいのか」を分ける必要があります。

車には、残クレを返している「契約者」、車検証上の「所有者」、車検証上の「使用者」があります。

残クレで所有者が販売店や信販会社になっている車なら、残債があるまま所有者を家族へ変えることは基本的にできません。

使用者だけ家族へ変える場合も自由とは限らず、契約先によって変更不可だったり、契約者・連帯保証人だけに限定されたりします。

「家族だから名義だけ簡単に変更できる」と考えず、最初に現在の車検証と残クレ契約を確認してください。

「家族名義にしたい」は3つに分けて考える

車の名義変更という言葉は、複数の意味で使われています。

残クレ中は、この違いを分けないと判断を間違えやすくなります。

変えたいもの何を意味する?
クレジット契約者残クレの返済義務を負っている人
車検証の所有者車の所有権を持つ人・会社
車検証の使用者車を使用・管理する人

たとえば、

「離婚するので妻へ車も残クレも渡したい」

という場合は、車検証の使用者だけでなく、残クレ契約自体も変えたいという話になります。

一方、

「自分が支払いを続けるが、今後は子どもが主に使うので車検証も子ども名義にしたい」

という場合は、使用者変更を希望していることになります。

この2つは同じ手続きではありません。

所有者を家族へ変えたいなら残債がある間は難しい

残クレでは、車代を完済するまで販売店や信販会社が所有権を持つ「所有権留保」が使われることがあります。

たとえば車検証が、

所有者:販売店・信販会社
使用者:自分

となっているケースです。

この状態では、自分は車の使用者ではあっても、車検証上の所有者ではありません。

そのため、自分の判断だけで、

所有者:販売店
↓
所有者:妻

のように変更することはできません。

トヨタファイナンスでは、クレジットを完済するまで販売店・販売会社が所有権を留保するとしています。

日産も、契約中に所有者名義を自分へ変更することはできず、完済が必要と案内しています。

三菱も、クレジット代金を完済した後に所有権を契約者へ移す仕組みです。

家族へ所有権を渡したい場合も、まず残クレを精算できる状態にすることが基本になります。

「使用者だけ家族へ変更」も自由ではない

所有者は販売店・信販会社のままにして、車検証の使用者だけ家族へ変えたいケースもあります。

これも「所有権は変わらないのだから自由にできる」とは限りません。

ホンダでは、クレジット契約中の車検証の使用者を、契約外の人へ変更することはできません。

公式案内では、変更できない第三者に「家族」も含まれることが明記されています。

三菱も、クレジット契約中に使用者を第三者へ変更できないとしています。

つまり、

「妻だから第三者ではない」

「親子なら変更できる」

という考え方ではありません。

残クレ契約上の本人とは別人なら、家族でも変更できない商品があります。

日産は契約者または連帯保証人なら使用者変更の対象

一方、すべてのメーカーで条件が完全に同じではありません。

日産フィナンシャルサービスでは、クレジット契約中の車検証の使用者変更は、クレジットの契約者または連帯保証人に限られています。

たとえば妻が単なる家族で、残クレ契約には何も関係していなければ対象外です。

しかし妻がもともと連帯保証人になっていれば、条件が変わります。

ここが「家族かどうか」だけでは判断できない理由です。

変更したい家族が、

契約者なのか
連帯保証人なのか
契約とは無関係の家族なのか

を確認します。

ローンの契約者そのものを家族へ移すのは別問題

「自分名義の残クレを妻名義にして、今後は妻が払う」という場合は、車検証の変更だけでは済みません。

残クレの契約者そのものを変更する必要があります。

少なくともトヨタファイナンスでは、契約者の変更や連帯保証人の解除・変更はできないと明記されています。

つまり、

自分が契約
↓
途中から妻のローンへ変更

といった単純な名義変更にはなりません。

家族が毎月の支払資金を出したとしても、それだけでクレジット契約上の債務者が家族へ変わるわけではありません。

残クレ契約そのものを家族へ引き継がせたい場合は、契約先に承継制度があるかを確認する必要があります。

一般的な残クレについて「家族なら引継ぎ可能」とは言えません。

家族名義へ完全に移したいなら早期完済が基本になる

車そのものを家族へ譲りたいのであれば、分かりやすい方法は残クレを途中で一括精算することです。

流れは、

残クレの早期一括返済額を確認
↓
残債を完済
↓
販売店・信販会社の所有権を解除
↓
家族名義への登録方法を販売店へ確認

となります。

ホンダファイナンスでは、クレジット契約中でも早期一括返済と名義変更を続けて行う手続きが用意されています。

トヨタファイナンスでも途中の一括返済が可能で、完済後に販売店で所有権解除を行います。

重要なのは、「現在の残債」と、今後支払う予定の月額を単純に足して一括返済額を決めないことです。

早期完済額は契約先に正式に照会してください。

残クレの「残債」には最終回の残価も含めて考える

残価設定型クレジットでは、通常の月々の支払いとは別に、最終回に大きな残価が設定されています。

そのため、

「あと月3万円を10回だから30万円払えば終わる」

とは限りません。

満期時に100万円などの残価が残る契約なら、それも契約上の未精算部分です。

途中で完済して家族へ名義変更したい場合は、クレジット会社が計算した早期一括返済額を確認します。

「残価だけを残したまま所有権を家族へ移す」という考え方ではありません。

家族が主に乗るだけなら名義変更が目的なのか確認する

「家族名義にしたい」という理由が、

妻が通勤で使うようになった
子どもが毎日乗るようになった
親に車を使わせたい

というだけなら、車そのものの所有権まで家族へ移したいのかを一度分けて考えます。

家族が運転するようになることと、残クレ契約を家族へ変更することは別問題です。

特に残クレ中に名義変更が認められない商品では、単に利用する人が変わったことだけを理由に契約名義まで変更することはできません。

その場合は、販売店へ車検証上の変更が必要かを確認するとともに、自動車保険についても実際に運転する家族が補償対象になっているか確認します。

「家族が乗る」ことと「家族へ車を譲る」ことを分けると、必要な手続きが見えやすくなります。

離婚で配偶者へ車を渡したい場合も勝手に変更しない

離婚に伴い、

「車は妻が使い続けるので、残クレも車も妻名義へ変えたい」

というケースもあります。

しかし夫婦間の合意だけで、販売店・信販会社の所有権やクレジット契約まで変更することはできません。

残クレ契約者を変更できない商品なら、

現在の契約をどう精算するか
車を返却するか
早期完済するか
完済後に相手へ譲渡するか

を検討することになります。

「離婚協議書で妻が車を取得すると決めたから、残クレ会社への手続きも自動的に済む」というものではありません。

契約上の処理と、夫婦間の財産分与は分けて確認します。

契約者が亡くなった場合は通常の家族名義変更とは別

残クレの契約者が亡くなり、配偶者や子が車を引き継ぎたい場合もあります。

これは通常の「途中で家族名義にしたい」という変更とは別の手続きです。

契約者死亡時には、相続と残クレ契約の処理を含めて販売店・信販会社へ連絡します。

家族だからといって、車検証だけ先に変更しないようにしてください。

契約残高、車の所有者、相続人、今後の支払い方法によって対応が変わります。

一括返済できないなら完済まで待つ選択もある

家族へ車を渡したいものの、残クレを今すぐ一括返済する資金がない場合もあります。

その場合、契約途中で無理に名義を変えるのではなく、現在の契約を続けて完済後に変更する方法があります。

完済すれば、販売店・信販会社の所有権留保を解除できるようになります。

その時点で、

自分名義にする
家族への譲渡を相談する
売却する

といった選択がしやすくなります。

「家族が使うことになったから、とにかく今すぐ名義を変えなければ」と考えるのではなく、変更する目的と残クレの残高を比べて判断します。

自分の場合はこの順番で確認する

まず電子車検証の車検証閲覧アプリや自動車検査証記録事項で、現在の所有者と使用者を確認します。

次に残クレの契約書で、

契約者
連帯保証人
現在の残債

を確認します。

そのうえで、家族へ変えたいのが、

所有者なのか
使用者なのか
残クレ契約者そのものなのか

を決めます。

所有者を家族へ変えたいなら、残債を一括精算した場合の金額を販売店・クレジット会社へ確認します。

使用者だけ変えたいなら、「この家族は使用者変更の対象になりますか」と販売店へ確認します。

特に連帯保証人になっている家族なら、契約先によって扱いが変わるため、そのことも伝えてください。

この順番なら、「名義変更できますか」とだけ聞いて所有者と使用者の話が混ざるのを避けられます。

まとめ

残クレ中の車を家族名義へ変更できるかは、「何の名義を変えたいか」で答えが変わります。

所有者を家族へ変えたい場合、販売店や信販会社が所有権を留保している残クレでは、残債を完済して所有権解除することが基本です。

使用者だけ家族へ変える場合も自由ではありません。

ホンダや三菱では契約外の第三者への変更はできず、ホンダでは家族も第三者に含まれます。

日産では契約者または連帯保証人への使用者変更に限定されています。

また、残クレの契約者そのものを家族へ変更するのは、車検証の名義変更とは別の問題です。

まず、

「所有者を変えたい」
「使用者を変えたい」
「残クレそのものを家族へ引き継がせたい」

のどれなのかを明確にしてください。

そのうえで、残債、家族の契約上の立場、契約先の変更条件を確認するのが最短です。

出典

ホンダファイナンス|車検証の使用者を第三者に変更したい。

ホンダファイナンス|普通車の早期一括返済+名義変更のお手続き

トヨタファイナンス|所有権留保とはなんですか?

トヨタファイナンス|契約者の変更

トヨタファイナンス|自動車クレジット(ローン)の支払中にクルマを第三者へ譲りたいです。

トヨタファイナンス|一括返済(早期完済)のお手続き

日産フィナンシャルサービス|車検証上の使用者の住所・氏名の変更について

日産フィナンシャルサービス|クルマの所有者を自分名義に変更する手続きについて

三菱自動車ファイナンス|よくあるご質問(クレジット)

三菱自動車ファイナンス|ご契約にあたって