残クレで「契約者と使用者が違う」という場合は、最初に「使用者」が誰を指しているのかを確認する必要があります。
夫が残クレを契約して妻が毎日運転しているようなケースでも、車検証上の使用者まで妻になっているとは限りません。
残クレでは一般に、
契約者=クレジットを契約して支払義務を負う人
所有者=販売店・信販会社など
車検証上の使用者=契約者本人など、契約で認められた人
実際の主な運転者=妻・夫・子など
というように、役割が分かれることがあります。
そのため、「誰が運転しているか」だけで車検証の名義を判断しないことが重要です。
契約者と車検証の使用者は別の概念
残クレの「契約者」は、クレジット会社と契約を結び、月々の支払いや最終回の精算について責任を負う人です。
一方、車検証の「使用者」は、自動車登録上、その車を使用する人として記録されている人です。
国の自動車登録制度では、所有者と使用者を別人として登録する仕組みがあります。
しかし、
「登録制度上、別人にできる」
ことと、
「その残クレ契約で自由に別人へ設定できる」
ことは同じではありません。
残クレではクレジット会社側の契約条件も確認する必要があります。
残クレでは「所有者=販売店、使用者=契約者」が基本になる商品がある
残クレでは、ローンを払い終わるまで販売店や信販会社が車の所有権を持つ「所有権留保」という方法が使われることがあります。
この場合、
所有者=販売店・信販会社
使用者=契約者
という車検証になるのが基本的な形です。
ダイハツの残価設定型クレジットでも、分割払いの場合は販売会社または信販会社が所有者、契約者が使用者になると案内されています。
トヨタファイナンスも、自動車クレジットの契約満了まで販売店・販売会社が車の所有権を留保するとしています。
したがって、
「お金を払っている契約者なのに所有者欄が自分ではない」
こと自体は異常ではありません。
「妻が運転している」と「妻が車検証の使用者」は別
たとえば夫が残クレを契約し、妻が普段その車を使っているとします。
この場合、
残クレ契約者=夫
車検証の使用者=夫
主な運転者=妻
という形もあります。
家族が車を運転することと、車検証の使用者名義をその家族へ変更することは別の問題です。
そのため、「妻が毎日使っているから、車検証も妻名義に変えなければならない」と直ちに判断する必要はありません。
先に現在の車検証で誰が使用者になっているかを確認します。
車検証の使用者を家族へ自由に変更できるとは限らない
契約途中で、
「夫が契約者だが、妻を車検証の使用者にしたい」
と考える場合は注意が必要です。
ホンダファイナンスでは、クレジット契約中の車について、契約外の人へ車検証の使用者を変更することはできません。
これは家族も同じで、契約外なら第三者として扱われます。
日産フィナンシャルサービスも、契約外の人へ使用者を変更することはできません。
ただし日産では、
契約者
連帯保証人
など契約内の人への使用者変更については、クレジットセンターへ相談するよう案内しています。
つまり、「家族だから変更できる・できない」ではなく、その人が残クレ契約上どの立場なのかを見る必要があります。
契約者と使用者が最初から違うなら契約内容を確認する
現在すでに、
残クレ契約者=夫
車検証上の使用者=妻
というように違っている場合、それだけで登録ミスとは判断できません。
クレジット会社の承認のもと、連帯保証人など契約関係者を使用者として登録している可能性があるためです。
日産では、契約者または連帯保証人への使用者変更について相談できることが公式に示されています。
まず確認するのは、
「車検証の使用者になっている人が、この残クレ契約でどの立場になっているか」
です。
契約書や支払明細などで契約者・連帯保証人を確認し、分からなければ販売店へ確認します。
契約外の家族が使用者になっているなら販売店へ確認する
問題になりやすいのは、
契約者=夫
連帯保証人=なし
車検証上の使用者=契約と無関係な妻
など、使用者が契約上まったく登場しない人になっている場合です。
メーカーによって契約条件は違いますが、ホンダや日産のように契約外の第三者への使用者変更を認めていない例があります。
この場合は、
「家族だから問題ないだろう」
と自己判断せず、契約した販売店やクレジット会社へ現在の登録が契約上問題ないか確認します。
電子車検証では所有者と使用者の見え方が違う
現在の電子車検証では、使用者の氏名は券面に表示されます。
一方、所有者の氏名・住所はICタグに記録され、券面には表示されません。
そのため、車検証の表面だけを見て、
「自分の名前しかないから自分が所有者」
とは判断できません。
所有者まで確認したい場合は、車検証閲覧アプリや「自動車検査証記録事項」を確認します。
残クレでは、
所有者
使用者
契約者
をそれぞれ確認すると名義関係が分かりやすくなります。
実際に主に運転する人は自動車保険でも確認する
車検証とは別に確認しておきたいのが任意保険です。
任意保険には、
保険契約者=保険を契約し、保険料を支払う人
と、
記名被保険者=その車を主に使用する人として補償の中心になる人
という別の名義があります。
たとえば、
残クレ契約者=夫
車検証上の使用者=夫
実際に主に運転する人=妻
なら、自動車保険でも「誰を主に使用する人として登録するべきか」を保険会社へ確認します。
残クレの契約者名だけを見て任意保険の名義を決めるのではなく、実際の使用状況を保険会社へ正しく伝えることが重要です。
使用者が違うから契約者を変える、とはならない
車検証の使用者を変えたいからといって、残クレの契約者まで簡単に変更できるとは限りません。
トヨタファイナンスでは、自動車クレジットの契約者変更や連帯保証人の解除・変更はできないと案内しています。
つまり、
「今後は妻が使うから、夫の残クレを妻名義へ変更しよう」
というように、契約途中で支払義務そのものを自由に移せるとは考えない方がよいでしょう。
使用者の変更と契約者の変更は、別の手続きです。
使用者が引っ越した場合も契約者とは別に考える
車検証上の使用者が引っ越したり、結婚などで氏名が変わったりした場合は、車検証の登録内容も確認します。
国土交通省は、住所変更や名義変更があった場合に登録内容を正しく変更するよう求めています。
ただし、残クレ車では所有者が販売店・信販会社になっていることがあります。
その場合は自分だけで手続きを進めるのではなく、販売店や車検証上の所有者へ確認します。
特に使用者そのものを別人へ変える場合は、クレジット契約上認められているかの確認が先です。
自動車税は所有者が販売店でも販売店が払うとは限らない
所有権留保された車では、車検証の所有者が販売店や信販会社でも、自動車税を販売店が負担する仕組みではありません。
所有権留保の場合は、購入者側に自動車税が課される仕組みになっています。
したがって、
「所有者=販売店だから、税金も販売店負担」
とは考えないようにします。
契約者と車検証上の使用者が別になっている特殊なケースでは、納税通知書の宛先を含め、登録内容を販売店へ確認しておくと確実です。
満期で返却する場合は誰が手続きをする?
残クレの最終回について返却・一括払い・再ローンなどを決めるのは、基本的にクレジット契約に基づく手続きです。
そのため、普段その車に乗っている家族が自動的に最終回の契約者になるわけではありません。
契約者と使用者が違う場合でも、
「誰が残クレの契約者なのか」
を基準に最終回案内を確認します。
満期が近づいたら、契約者本人が販売店やクレジット会社から届く案内を確認してください。
買い取ったあとの所有者名義も確認する
残クレ満期で車を買い取り、すべての支払いを終えた場合は、販売店・信販会社が持っていた所有権を解除できるようになります。
ただし、完済しただけで車検証が自動的に書き換わるとは限りません。
また、契約者と車検証上の使用者が別になっている場合、
「完済後は誰の所有者名義に変更するのか」
も確認が必要です。
トヨタファイナンスでは、クレジット満了後に契約者本人の名義へ変更できると案内しています。
契約者以外へ直接所有権を移したい場合は、通常の所有権解除とは扱いが変わる可能性があるため、販売店へ確認します。
自分の場合は3人の名前を並べれば分かる
契約者と使用者の関係が分からなくなったら、次の3人を書き出します。
残クレの契約者:誰か
車検証上の使用者:誰か
実際に主に運転している人:誰か
さらに車検証の所有者も確認します。
たとえば、
契約者=夫
所有者=販売会社
使用者=夫
主な運転者=妻
なら、「契約者と使用者が違う」のではなく、「契約者と主な運転者が違う」状態です。
一方、
契約者=夫
所有者=販売会社
使用者=妻
主な運転者=妻
なら、本当に契約者と車検証上の使用者が違います。
この場合は、妻が連帯保証人など契約内の人なのか、クレジット会社がその登録を認めているのかを確認します。
この違いを整理すれば、自分の場合に名義変更が必要なのか、それとも任意保険の設定だけを確認すればよいのかを判断しやすくなります。
まとめ
残クレの「契約者」と「使用者」は同じ意味ではありません。
さらに、「使用者」という言葉も、
車検証上の使用者
と、
実際に主に運転する人
を分けて考える必要があります。
残クレでは、販売店・信販会社が所有者、契約者本人が車検証上の使用者になる商品があります。
契約途中で契約外の家族へ車検証の使用者を変更できない商品もあるため、家族が普段運転しているという理由だけで名義を変更しないようにします。
すでに契約者と車検証上の使用者が違うなら、その使用者が連帯保証人など契約内の人なのかを確認してください。
販売店には、
「残クレの契約者は○○、車検証の使用者は○○ですが、この登録で契約上問題ないですか」
と確認すれば、自分の契約での扱いを特定できます。
出典
国土交通省|自動車保有関係手続のワンストップサービス「用語集」
国土交通省|電子車検証について
ダイハツ|U-CATCH よくある質問
ホンダファイナンス|車検証の使用者を第三者に変更したい。
日産フィナンシャルサービス|車検証の使用者を変更できますか?
トヨタファイナンス|車検証の所有者欄が販売店・販売会社なのはなぜですか?
トヨタファイナンス|契約者の変更や連帯保証人の解除、変更はできますか?
あいおいニッセイ同和損保|「保険契約者」「記名被保険者」「車両所有者」とは何ですか?
