残クレの車を改造していても、返却前に純正状態へ戻せば返却できる可能性があります。
ただし、「純正パーツを付け直したから大丈夫」とは限りません。
返却時に確認したいのは、
社外部品が残っていないか
改造時の穴あけ・切断・配線加工などが残っていないか
車の機能や内外装に損傷が残っていないか
自分の残クレの返却条件を満たしているか
です。
特にメーカーによっては、違法改造だけでなく、純正部品以外による車両の原状変更そのものを返却条件から外している場合があります。
そのため返却直前に自分で部品を戻すのではなく、まず販売店に現在の改造内容を伝え、どこまで戻せば残価保証条件に入るのか確認するのが確実です。
残クレでも改造しただけで返却不能になるとは限らない
残価設定型クレジットでは、契約満了時に車を返却し、条件を満たせば最終回の残価を支払わずに精算できる商品があります。
この残価保証には車両状態の条件があります。
トヨタ、ホンダ、日産では、違法改造がされていないことを残価保証・車両返却の条件として案内しています。
そのため、現在も保安基準に適合しない改造が残っていれば、そのまま返却することを前提にしないほうがよいでしょう。
一方、「過去に一度でも社外パーツを取り付けたら永久に返却不可」とする全国共通ルールも確認できません。
重要なのは、返却時にどのような状態になっているかです。
純正戻ししやすい改造と、戻しても跡が残る改造がある
例えば、純正部品を取り外して社外品へ交換しただけで、
純正部品を保管している
車体側を加工していない
配線を切っていない
元の取り付け部分を傷めていない
のであれば、比較的純正状態へ戻しやすい改造です。
一方、部品を戻すだけでは終わらない改造もあります。
ボディへの穴あけ、フェンダーの加工、配線の切断、溶接、塗装などを伴っていれば、社外部品を外しても変更跡が残ります。
この場合は、「純正パーツが付いているか」ではなく、返却査定で車両の原状変更や損傷をどう評価されるかが問題になります。
車検対応パーツならそのまま返せるとは限らない
ここは特に注意したいところです。
改造には、
法律上公道を走れない不正改造
と、
保安基準には適合する社外パーツによるカスタマイズ
があります。
この二つは同じではありません。
しかし、残クレの返却条件は道路運送車両法の基準そのものではありません。
例えばスバルでは、返却条件として「その他違法改造」だけでなく、「スバル純正部品以外の取付による自動車の原状変更がないこと」まで明記しています。
つまり、車検対応の社外パーツだから残価保証も問題ない、とは限りません。
法律上走れるかと、残価保証条件を満たすかは分けて確認します。
スバル純正部品なら扱いが違う
スバルは残価設定型クレジットについて、クレジット完済前でもスバル純正部品を装着してカスタマイズできると案内しています。
一方、返却条件では、スバル純正部品以外の取り付けによって車両を原状変更していないことを求めています。
同じ「カスタム」でも、
メーカー純正アクセサリー
社外パーツ
では返却時の扱いが変わることがあるわけです。
他メーカーでも条件は異なるため、「ディーラーオプションを付けた車」と「自分で社外パーツへ交換した車」を同じ扱いとは考えないほうがよいでしょう。
社外ホイールなら純正ホイールを残しておく
残クレ車で比較的多いカスタムがホイールです。
社外ホイールを装着しているなら、純正ホイールを処分する前に返却条件を確認します。
純正ホイールへ戻せるなら、返却前に戻したほうが判断しやすくなります。
ただし、ホイール変更によって車体側を加工したり、タイヤ・ホイールが車体から突出したりしている場合は別です。
国土交通省は、回転部分が車体から突出するなど他の交通の安全を妨げる状態を認めていません。
現在そのような状態なら、残クレ返却以前に保安基準へ適合させる必要があります。
車高調も「純正サスへ交換すれば終わり」とは限らない
車高調やダウンサスを装着した車も、純正サスペンションを保管していれば元へ戻しやすい改造です。
ただし交換後に、
足回りへ損傷がないか
タイヤが偏摩耗していないか
車体側を加工していないか
純正状態の車高や機能に戻っているか
も確認します。
純正サスペンションを付けただけで、改造によって生じた別の損傷まで消えるわけではありません。
販売店で復元後の状態まで確認してもらいます。
マフラー交換も保安基準と返却条件を分ける
社外マフラーにも車検対応品があります。
しかし、残クレ返却で車検対応品だからそのままでよいとは限りません。
返却条件に純正状態を求める契約なら、純正マフラーへ戻す必要があります。
また国土交通省は、消音器を切断・取り外したり、基準に適合しないマフラーを装着したりすることを不正改造の例として挙げています。
現在その状態なら、返却時期まで待たず適合状態へ戻します。
エアロは取り外した跡まで確認する
エアロパーツも、単純にボルトで取り付けるものと、車体へ穴を開けたり加工したりするものがあります。
純正部品へ戻したとしても、
取り付け穴
切削跡
塗装跡
外した部分の傷
などが残れば、車両査定では別の問題になります。
つまり、
「社外エアロを外した」
ことと、
「新車時の状態に戻った」
ことは同じではありません。
返却前に販売店へ現車を見せ、原状回復が必要な部分を確認します。
電装品は配線加工が残りやすい
社外オーディオ、追加メーター、ドライブレコーダーなどの電装品も注意が必要です。
専用カプラーで接続しただけなら比較的元へ戻しやすいことがあります。
一方、
純正配線を切った
配線から電源を分岐した
内装へ穴を開けてスイッチを付けた
電子制御へ影響する機器を接続した
といった場合は、部品を取り外すだけでは完全な原状回復にならない可能性があります。
ホンダも取扱説明書で、適切でない機器の取り付けは電子機器へ悪影響を及ぼす可能性があるとして、販売店への相談を求めています。
返却前の純正戻しは、電装系まで含めて確認します。
違法改造なら返却直前までそのまま乗らない
現在の改造が保安基準に適合しない場合は、残クレの返却問題とは別です。
国土交通省は、改造・部品の取り付け・取り外しなどによって保安基準へ適合しなくなる行為を不正改造として禁止しています。
例えば、
基準に適合しない灯火類
規定外の着色フィルム
タイヤ・ホイールの突出
基準不適合マフラー
などがあります。
「返却時に純正へ戻せばいいから、それまではこのまま乗る」という考え方はできません。
現在不適合なら、販売店や整備工場へ相談して先に改善します。
純正部品をなくしているなら早めに確認する
改造するときに純正部品を処分してしまったケースもあります。
返却条件上、純正状態へ戻す必要があるなら、純正部品の再購入と工賃が必要になる場合があります。
満了直前になってから、
純正ホイールがない
純正マフラーがない
純正サスペンションがない
と分かると、部品調達にも時間がかかる可能性があります。
返却予定なら早めに、
どの純正部品が残っているか
不足しているものは何か
を確認しておきます。
純正へ戻す費用と、そのまま返す精算額を比べる
改造車だからといって、無条件に高額な原状回復を行うのも避けたいところです。
例えば純正戻しに20万円かかるとします。
一方、そのまま返した場合の精算が10万円で済む契約なら、返却費用だけを考えれば20万円かける意味はありません。
逆に、改造によって残価保証から外れ、市場査定額と最終回残価の差額が大きくなるなら、純正戻しのほうが安い可能性があります。
特に愛知トヨタでは、レース使用・違法改造などの条件を満たさない場合、返却車両の評価額と最終回支払金との差額を負担すると明記しています。
だから返却前に知るべきなのは、
「純正戻しはいくらか」
だけではありません。
「今の改造状態で返したら、精算はいくらになるか」
です。
「違法改造の精算」と普通の傷の精算は同じではない
ホンダでは、通常の内外装減点については100点までの免責があります。
しかし、違法改造があった場合は、通常の内外装減点とは別に規定の精算金が発生するとしています。
つまり、
「改造部分の査定減点も100点以内なら大丈夫」
とは考えられません。
トヨタや日産も、違法改造を残価保証条件そのものに含めています。
改造は、普通の擦り傷や小さなへこみとは別枠で考えたほうがよいでしょう。
返却するか買い取るかでも判断が変わる
最終回に残価を支払い、その車を自分で買い取るなら、返却時の残価保証条件を使いません。
例えばスバルでは、返却規定の条件を超えていても、残価を支払って乗り続ける場合は精算金不要と明記しています。
トヨタ、ホンダ、日産も、返却とは別に最終回残価を払って乗り続ける選択肢があります。
そのため大きく改造していて、
今後もその車へ乗りたい
純正戻しに高額な費用がかかる
という場合は、純正戻しして返却するだけでなく、残価を払って買い取る方法とも比較します。
もちろん、違法な状態なら買い取る場合でも保安基準へ適合させる必要があります。
返却前は「全部純正に戻してください」だけで終わらせない
販売店へ相談するときは、
「改造していますが返せますか」
だけでは情報が足りません。
改造内容を一つずつ伝えます。
例えば、
社外ホイール。純正ホイールあり
車高調。純正サスペンションあり
社外マフラー。純正マフラーあり
エアロ。取り付け時に穴あけあり
電装品。純正配線の加工あり
といった形です。
そのうえで、
「どこまで純正へ戻せば残価保証条件に入りますか」
「戻しても残る査定減点はありますか」
「このまま返した場合の精算額はいくらになりそうですか」
を確認します。
これなら、本当に必要な原状回復だけを行えます。
まとめ|純正パーツを戻すだけでなく「改造跡が消えているか」を見る
残クレで改造していても、返却前に純正状態へ戻すことで返却できる可能性があります。
ただし、
「純正パーツを付け直した=残価保証条件を必ず満たす」
とは限りません。
確認するのは、
社外パーツが残っていないか
穴あけ・切断・溶接・配線加工などの跡がないか
車の機能や内外装に損傷が残っていないか
現在保安基準に適合しているか
自分の契約独自の返却条件を満たしているか
です。
特にスバルのように、違法改造だけでなく純正部品以外による原状変更を残価保証条件から外している商品もあります。
そのため、「車検対応パーツだから大丈夫」という判断もしません。
返却するつもりなら、まず現在の改造内容と手元にある純正部品を販売店へ伝えます。
そして、
純正戻しした場合の費用
純正戻し後に残る査定減点
そのまま返した場合の精算額
を確認します。
この3つを比べれば、どこまで戻す必要があるのか、自分の場合に判断しやすくなります。
改造を戻す費用が気になるなら、返却以外も比較します。
→ ディーラー返却と買取店売却、どっち?
出典
ホンダファイナンス|残価設定型クレジット(残クレ)
ホンダファイナンス|残クレの車両返却条件
ホンダ|改造や部品交換について
日産自動車|残価設定型クレジット
トヨタ自動車|残価設定型プラン
愛知トヨタ|残価設定型
SUBARU|SUBARUの残価設定型クレジット
国土交通省|不正改造の具体例
国土交通省|不正改造に対する罰則等
