残クレの車に犬や猫を乗せていたからといって、それだけで返却時に追加料金が決まるわけではありません。
重要なのは、返却時にどの程度の毛、臭い、シミ、爪傷などが残っているかです。
残クレでは、ペット専用の「飼っていたら○万円」という料金より、内装や外装を含めた車両全体の状態を査定し、契約で決められた免責範囲を超えた部分を精算する商品が多くなっています。
そのため、まず見るのは「ペットを乗せたか」ではなく、「今、車内に何が残っているか」です。
ペットを乗せただけなら直ちに追加精算とは限らない
主要メーカーの残価設定型クレジットを確認すると、返却条件として示されているのは、内外装の傷や損傷、走行距離、事故による修復歴などです。
少なくとも今回確認した主要な公式条件では、
「犬を乗せたことがある」
「猫を乗せたことがある」
というだけで一律に追加精算する規定は確認できませんでした。
一方で、中古車としての車両状態ではペットの毛や臭いは明確に確認対象になります。
実際、トヨタ認定中古車の車両状態表示でも、
室内動物の毛あり
室内ペット臭
室内臭いあり
といった項目が記録されています。
つまり、問題になるのはペットの乗車歴そのものではなく、返却時に商品価値へ影響する状態が残っているかです。
毛が残っているだけならまず掃除する
犬や猫を乗せていると、シートやフロアカーペットに毛が入り込むことがあります。
これは、返却前に自分で対応しやすい部分です。
掃除機をかける。
シートの隙間やフロアマットの毛を取る。
荷室やドアポケットも確認する。
こうした通常清掃で取れる毛なら、査定前に落としておく意味があります。
特にペットの毛は、車内の一部だけではなく、シートの隙間や荷室、カーペットへ入り込んでいることがあります。
見える部分だけ掃除して終わりにせず、普段ペットを乗せていた場所を中心に確認してください。
ペット臭は毛より判断が難しい
毛は目で確認できますが、臭いは自分では気付きにくいことがあります。
長期間ペットを乗せていると、その車に慣れてしまい、自分では臭わないと思っていても、初めて乗る人には分かることがあります。
トヨタも中古車選びの確認事項として、内装の汚れだけでなくタバコやペットの臭いが染み付いている場合があると案内しています。
臭いが残っている場合は、中古車としての評価にも影響し得ます。
ここで注意したいのは、芳香剤で強い香りを付ければ解決するとは限らないことです。
ペット臭そのものが残ったまま別の香りを重ねても、素材に染み込んだ臭いが消えるわけではありません。
返却が近いなら、一度家族など普段その車に乗らない人にも確認してもらうと分かりやすくなります。
爪傷は毛や臭いとは別に内装損傷として見る
犬がドアの内張りを引っかいた。
猫の爪でシートに傷が付いた。
こうした状態は、毛や臭いとは違います。
掃除して消えるものではなく、内装そのものの傷として査定される可能性があります。
残クレでは、こうした内装損傷もほかの傷と合わせて車両全体で査定されます。
小さな爪傷が一つあるだけで直ちに高額精算になるとは限りませんが、
シート表面が破れている
ドア内張りが深く削れている
荷室の内張りを噛んで傷めている
といった状態なら、単なる清掃では戻せません。
この場合は、返却前に販売店へそのまま見てもらい、精算見込みを確認したほうがよいでしょう。
ホンダは車両全体で100点以内かを見る
ホンダの残クレでは、返却時の内外装について、日本自動車査定協会の基準に基づく減点が100点以内なら条件内です。
100点を超えると、超過した1点につき1,000円を負担します。
つまり、ペットによる内装状態だけで100点を見るわけではありません。
たとえば、
ペットによる爪傷
シートの汚れ
ホイールの傷
バンパーの擦り傷
などを合わせた車両状態が査定されます。
ペットの毛や軽い汚れがあったとしても、清掃後の車両全体が基準内なら、追加精算なしで返却できる可能性があります。
逆にペット以外にも傷が多ければ、合計で基準を超えることがあります。
スズキは50点以内が一つの境界
スズキの「かえるプラン」では、走行距離を除く査定減点が50点、5万円相当以内なら車両引取条件内です。
50点を超えても、超えた部分を精算すれば引き取ってもらえる仕組みです。
そのため、ペットによる内装状態が気になっていても、
「ペットを乗せたから返却できない」
という話ではありません。
実際の査定で車両全体が何点になるかを見る必要があります。
なお、スズキでは「禁煙車」であることは別途キャッシュバック条件になっています。
これは残価保証の車両引取条件そのものとは分けて考える必要があります。
スバルは損傷による金額で見る
スバルでは、内外装の損傷による査定減価額について、
普通・小型乗用車 10万円以内
軽乗用車 5万円以内
を車両引取条件としています。
この金額を超える場合は、超えた部分を精算します。
つまり、ペットによる爪傷や内装の傷みがあっても、それ単独で返却不可になるというより、査定によって車両価値がどれだけ下がったかが重要になります。
毛をきれいに取るだけで状態が改善する車と、シートや内張りが破損している車では、当然同じ評価にはなりません。
日産は車種によって免責額が違う
日産では、内外装の損傷について車種別に免責基準があります。
現在の公式条件では、対象車種によって、
10万円以内
15万円以内
20万円以内
に分かれています。
さらにその免責基準を超えても、車種ごとの「精算可能上限」までは追加精算して返却できます。
したがって日産でも、
「ペット臭があるから残価保証がなくなる」
と即断することはできません。
ペットによる臭いや傷を含めた内外装全体がどの査定になるかを確認します。
トヨタは販売会社の条件まで確認する
トヨタ自動車の全国向け案内では、損傷がないことなどを残価保証条件とし、規定外の場合は車両状態に応じた精算金が発生するとしています。
具体的な条件は販売会社によって異なります。
たとえば愛知トヨタでは、内装および事故歴に関する査定減点150点以内を車両買取保証条件の一つとし、基準を超える場合は超過1点につき1,000円としています。
つまり、同じトヨタ車でも全国向けの記事で見た数字をそのまま使うのではなく、自分が契約した販売会社の特約を確認する必要があります。
尿シミは「シミ」と「臭い」の両方を見る
ペットが車内で粗相をした場合は、表面に残ったシミだけ見ても判断できません。
シート表面を拭いて色が目立たなくなっていても、中まで染み込んで臭いが残っている場合があります。
この状態では、
内装の汚れ
臭い
の両方が査定へ影響する可能性があります。
逆に早い段階で清掃し、返却時にはシミも臭いもほとんど残っていなければ、ペットを乗せていた事実だけで判断されるとは限りません。
尿などが深く染み込んでいる場合は、自分で強い薬剤を使ってシートを傷める前に、専門クリーニングで改善できる状態か確認したほうがよいでしょう。
クリーニングすれば必ず追加精算が消えるわけではない
ペット臭や毛が気になると、
「返却前に高額な車内クリーニングをすれば安心」
と思うかもしれません。
しかし、クリーニング後に査定上の問題がなくなるとは限りません。
実際、トヨタ認定中古車の車両状態には、「室内動物の毛あり」「室内ペット臭」などの状態が個別に記録されています。
臭いがシートやカーペットへ深く染み込んでいたり、爪傷や破れそのものが残ったりしていれば、清掃だけでは解決できません。
そのため、
クリーニング代3万円
を先に払うのではなく、
そのまま返した場合の査定・精算見込みはいくらか
を先に確認します。
「清掃費」と「そのまま返す精算額」を比べる
たとえば販売店で車両を見てもらい、
ペット臭や毛を含めて免責基準を2万円超える見込み
と言われたとします。
専門クリーニングが1万円で、臭いと毛が改善すれば基準内へ戻る可能性が高いなら、クリーニングする意味があります。
反対に、
そのまま返しても追加精算1万円
なのに、
専門クリーニングが3万円
なら、返却のためだけならそのまま精算したほうが安くなる可能性があります。
さらに爪傷まで残っていて、クリーニングしても精算額が変わらないのであれば、清掃に高額な費用をかける意味は小さくなります。
ペットによる傷だけを先に修理しない
ドアの内張りやシートに爪傷があると、先に張り替えや部品交換を考えたくなります。
しかし残クレには一定の免責範囲があります。
そのため修理前に、
現状の車両全体の査定減点
修理しない場合の精算額
その部分を修理した場合に精算額がどこまで下がるか
を確認してください。
修理代が5万円、精算額が2万円なら、返却のためだけなら修理しないほうが負担は小さくなります。
ペットが原因の傷だから特別に新品へ戻さなければならない、という考え方ではありません。
返却前は「毛を取る→臭いを確認→査定」の順でよい
満期が近づいたら、まず通常清掃をします。
ペットの毛をできるだけ取り、汚れを清掃します。
そのあと、普段その車に乗らない人にも臭いを確認してもらいます。
爪傷、噛み傷、シートのシミなど清掃で消えないものはそのまま確認します。
そして販売店に、
「この状態で返した場合、追加精算はいくらになりそうですか?」
と聞きます。
その数字が出てから、高額なクリーニングや修理をするか決めればよいでしょう。
ペットを乗せたことより「返すときに何が残っているか」
残クレでペットを乗せても、それだけで一律の追加精算になるわけではありません。
返却時に確認されるのは、毛、臭い、シミ、傷などを含む車両状態です。
簡単な清掃で取れる毛なら、返却前に掃除する。
臭いが残るなら、クリーニングで改善するか確認する。
爪傷・噛み傷・破れなら、清掃とは分けて査定額を見る。
そのうえで契約の免責範囲を超えるなら、超過精算と修理・クリーニング費を比較します。
「ペットを乗せたからいくら払うか」ではなく、「返却時に残った状態によって車両全体の免責を何円超えるか」を確認する。
これが残クレ返却でペットの影響を判断する基準です。
地域・販売会社による違い
返却時の内外装基準は、メーカー、金融会社、販売会社、契約時期によって異なります。
トヨタ系のように販売会社ごとに具体的な基準が異なる商品もあります。
また、現在の公式サイトの条件と、数年前に契約した車の特約が同じとは限りません。
最終判断では、自分の契約書・最終回支払いに関する特約と、返却先販売会社の実際の査定結果を確認してください。
出典
ホンダファイナンス|残価設定型クレジットの車両返却時の支払い条件
日産自動車|残価設定型クレジット・残価保証の条件
スバル|スバルの残価設定型クレジット
スズキファイナンス|車両お引取りの条件と注意事項
トヨタ自動車|選べる新車の支払いプラン
愛知トヨタ|残価設定型
トヨタ自動車|中古車購入ガイド
トヨタ自動車|トヨタ認定中古車 車両状態表示
