残クレは車検前に乗り換える?車検を通してから売る?

残クレの車検が近づいていても、「車検前に乗り換えた方が得」とは一律に決められません。

車検満了日までに今の車を引き渡せて、現在の査定額で残クレの早期一括精算額をまかなえるなら、基本的には車検を通さず乗り換える方向で考えやすくなります。

一方、残クレの満了が車検より後で、今売ると大きな不足額が出る場合は違います。車検を通して契約満了まで乗った方が負担を抑えられることがあります。

つまり、見るべきなのは車検代だけではありません。

**「車検満了日」「残クレ満了日」「今の一括精算額」「今の査定額」**を並べて判断します。

残クレの車検前乗り換えでは、まず契約満了日を見る

新車の自家用乗用車では、一般に最初の車検が3年、その後は2年ごとに来ます。

残価設定型クレジットも3年や5年契約であれば車検時期と契約満了が近くなりやすく、トヨタも3年・5年の車検時期を買い替え検討の目安として案内しています。

この場合、契約満了に合わせて車を返却・乗り換えできるのであれば、次の車検をわざわざ通す理由はあまりありません。

ただし、すべての残クレが車検直前に終わるわけではありません。

メーカーや商品によっては4年契約もあります。たとえば4年契約なら、新車購入から3年後に最初の車検が来たあと、残クレ満了までさらに期間が残ります。

ここで「残クレだから車検前に乗り換えればいい」と考えてしまうと、契約途中での乗り換えになります。

契約途中なら「残価」ではなく早期一括精算額を確認する

残クレの契約途中でも、残金を精算すれば乗り換えられる商品はあります。

ただし、契約時に設定された残価と、途中で車を手放すときの精算は同じものとして考えない方が安全です。

三菱自動車は、残価保証は最終回支払時点の特約であり、それ以前に乗り換える場合は通常の下取り価格になると案内しています。

日産も、契約途中で残金全額を一括精算することはできますが、その時点では車両返却によって最終回支払額を精算する方法は利用できないとしています。

そのため、車検前の乗り換えを考えたら、まず契約している販売店や信販会社に、

「今日の時点で全部精算するといくら必要か」

を確認します。

自分で残りの月々の支払いを足して計算するのではなく、実際の早期一括精算額を確認するのが確実です。

車検前に乗り換えやすいのは、不足額が出ない場合

次に、今の車を査定してもらいます。

たとえば早期一括精算額が180万円で、現在の下取り・買取額が190万円なら、査定額で残クレを精算できます。

この状態で次の車も車検満了日前に用意できるのであれば、わざわざ車検を通してから売る必要性は低くなります。

逆に、一括精算額が180万円なのに査定額が150万円なら、今乗り換えるには30万円の不足が生じます。

このケースでは「車検代を払わずに済むから今乗り換えた方が得」とは判断できません。

避けられる車検費用より、途中精算による不足額の方が大きい可能性があるためです。

今売ると大きな不足額が出るなら、車検を通して乗る選択もある

残クレの満了がまだ先で、現在の査定額が一括精算額を大きく下回っている場合は、車検を通して契約満了まで乗る選択肢があります。

重要なのは、車検を通す目的です。

「車検を通した方が高く売れるから」ではありません。

契約満了まで今の車を使うために車検が必要だから通すという考え方です。

契約満了時まで乗れば、契約内容や車両状態などの条件を満たすことで、残価保証を利用して返却できる商品があります。

途中で売れば大きな不足額が出るのに、数か月後の満了時には契約どおり返却できるのであれば、車検費用だけを見て早期乗り換えを決めない方がよいでしょう。

契約会社に、

「今乗り換える場合の精算額」

と

「契約満了まで乗って返却する場合に、これからいくら支払うのか」

の両方を確認すると比較しやすくなります。

次の車が車検満了までに来るかも重要

残クレの精算条件に問題がなくても、次の車の納車が車検満了日に間に合わないことがあります。

車検が切れた車は、そのまま公道を走ることはできません。

そのため、

車検満了前に今の車を引き渡す
↓
次の車が来るまで代車や別の移動手段を使う

という方法が取れるなら、短い空白期間のためだけに車検を通さずに済む場合があります。

反対に、通勤や送迎などで毎日車が必要で、代車なども用意できず、次の車の納車が車検満了より後になるなら、現在の車を使い続けるために車検が必要になることがあります。

ここでも、「車検を通すと査定額が上がるか」ではなく、「車検後もこの車を使う必要があるか」で判断します。

車検を通した分がそのまま査定額に戻るわけではない

車検が長く残っている車は、査定上まったく価値がないわけではありません。

日本自動車査定協会の中古自動車査定基準でも、車検の残り期間は査定項目になっています。

乗用車系では残り1~3か月は車検残による加点がなく、4か月以上になると加点されます。

ただし、車検には自動車重量税、自賠責保険、検査や点検整備、必要に応じた部品交換などの負担があります。

その費用をかけて新たに車検を取り直しても、その金額がそのまま査定額へ上乗せされるわけではありません。

したがって、数週間や数か月後に売ることが決まっている車を「高く売るためだけ」に車検へ通す考え方は基本的には取りにくいでしょう。

車検を通すなら現在は満了日の2か月前から受けられる

契約満了まで乗るなどの理由で車検を通すことにした場合、現在は車検を受ける時期にも注意します。

2025年4月1日から、車検証の有効期間満了日の2か月前から満了日までに継続検査を受ければ、残っている車検期間を失わずに更新できるようになっています。

以前は原則1か月前でしたが、現在は2か月前まで広がっています。

「車検を通して乗り続ける」と決めたなら、満了直前まで待つ必要はありません。

自分の場合は4つの日付・金額を並べれば判断しやすい

残クレの車検前乗り換えで確認するものは、次の4つです。

確認するもの確認する理由
車検満了日いつまで今の車を公道で使えるか
残クレの契約満了日車検より先か後かを見る
現在の早期一括精算額今乗り換えるために必要な金額
現在の下取り・買取額精算額を査定額でまかなえるか

さらに、次の車の納車予定日も重ねます。

車検満了前に車を引き渡せて、一括精算額も査定額で処理できるなら、車検前乗り換えを検討しやすい状態です。

車検が先に来て、今手放すと大きな不足額が出るのであれば、車検を通して残クレ満了まで乗る選択も比較します。

地域によって判断は変わる?

車検の有効期間や残クレの基本的な考え方が、市区町村ごとに変わるわけではありません。

一方、自賠責保険料は「本土」「本土離島」「沖縄本島」「沖縄離島」など適用地域によって区分されています。

また、実際の車検基本料や整備費用は依頼する販売店・整備工場によって異なります。

そのため車検費用を比較するときは、全国共通の一律金額ではなく、自分の車の実際の車検見積額を使います。

まとめ|車検前か車検後かではなく「今精算するといくら足りないか」で決める

残クレの車を近いうちに手放すことが決まっているなら、査定額を上げるためだけに車検を通す必要性は低いでしょう。

ただし、残クレでは一般的な車売却と違い、契約途中で乗り換える場合の精算があります。

まず確認したいのは、車検代ではありません。

早期一括精算額と現在の査定額です。

査定額で精算でき、車検満了前に次の車へ移れるなら、車検前乗り換えを進めやすくなります。

反対に、今乗り換えると大きな不足額が出て、残クレ満了までまだ期間があるなら、車検を通して乗り続ける方がよい場合があります。

「車検を通すといくら高く売れるか」ではなく、

今乗り換える不足額と、満了まで乗るためにこれから必要な費用を比べる。

これが残クレで車検前の乗り換えを判断するときの基準です。

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車検とのタイミングを整理したら、返却と売却を比べます。
→ ディーラー返却と買取店売却、どっち?

出典

一般財団法人日本自動車査定協会|中古自動車査定基準〔Ⅰ〕

トヨタ自動車|残価設定型プランに関するFAQ

ホンダファイナンス|残価設定型クレジット(残クレ)の最終回の支払方法について

ホンダファイナンス|残価設定型クレジット(残クレ)で車両返却する場合の返却期限

三菱自動車|残価設定型クレジット スーパーマイカープラン

日産フィナンシャルサービス|残価設定型クレジット契約途中の一括精算について

一般社団法人日本自動車購入協会|ローンや残価設定型クレジット返済中の車を手放すことはできるの?

国土交通省|来年4月より、車検を受けられる期間が延びます

日本損害保険協会|自賠責保険